【レビュー】ワイヤレスカードリーダーでルーター機能も持つ多機能モバイルバッテリーが便利すぎる!RAVPower FileHub RP-WD009

今回紹介する製品 RAVPower FileHub は、外出時に役立つツールがギュッと凝縮された、多機能なガジェットです。簡単に説明すると、次の3つの機能が1台に集約されています。
- ワイヤレスでスマホ・パソコン・デジカメのデータを SD カードや USB メモリに転送できる機能
- LAN ケーブルを接続して有線環境を Wi-Fi 化できるルーター機能
- 6,700mAh のモバイルバッテリー機能
同レビューは RAVPower の提供により行っております。予めご了承ください。
RAVPower FileHub の機能
前半で主な機能の説明、後半で細かい仕様や製品の外観について触れていきます。
下記説明では便宜上 SD カードを挿した場合を例に挙げていますが、USB メモリでも同様の動きをします。
よくある困った問題を1台で解決!
単体として需要のある機能をまとめてしまうことで、次のような問題を FileHub 1台で全て解決できます。言葉では伝わりにくいですが、とにかく凄いやつなんです。
- スマホのデータ容量がいっぱいだけど、データは消したくない
FileHub にデータ転送すれば OK - スマホの機種変更でデータをバックアップしたい
FileHub にデータ転送すれば OK - SDカードに保存した動画データを見たい
FileHub に SD カードを挿せばスマホから参照可能 - デジカメの撮影データをすぐにスマホに移したい
FileHub に SD カードを挿せばスマホに転送可能 - 宿泊先のホテルがLAN接続のみでスマホが接続できない
FileHub に LAN を接続して Wi-Fi 環境構築 - スマホの充電がなくなった
モバイルバッテリーとしても使える
あると便利なのは間違いないのですが、人によっては必要不可欠な製品であるとも言えます。ではそれぞれの機能について、もう少し細かく見ていきましょう。
スマホのデータ転送機能
スマートフォンで FileHub のデータ転送機能を使うには、専用のアプリを利用します。後述するブラウザからアクセスする方法も利用できますが、アプリを使ったほうが操作性が良いです。
アプリをインストールしたら起動して、Wi-Fi の接続先を RAV-FileHub で始まる SID に接続するだけです。ちなみにパスワードは 11111111 が初期設定。これでワイヤレス通信が行えるようになります。
既に SD カードを挿していると、画面上に SD カード全体の容量と空き容量が表示されます。
アプリ画面上にあるビデオ・写真・音楽のアイコンを選択すれば、それぞれのメディアに特化した情報が参照できます。例えばビデオを選択した場合、スマートフォン本体側(ローカル)のデータをコピーして、FileHub 側に貼り付けられます。
ローカル側でコピーしたら RAV FileHub に切り替えて貼り付けるだけ!
これだけでスマホ内のデータが FileHub へ転送されます。
RAV FileHub アプリでのデータ転送は移動ではなくコピーです。つまり FileHub にデータ転送しても、スマホ内に同じデータが残っています。スマホ内のデータ削除は、別途行わなくてはいけません。
写真・電話帳は一括でバックアップ可能
アプリのホーム画面にある [写真をバックアップ] を選択すれば、自動的にスマホ内の画像ファイルをスキャンして、ボタン1つで全てのデータを SD カードにバックアップできます。
同様に電話帳のバックアップも [携帯電話帳のバックアップ] から一括で処理されます。
アプリから直感的に操作できる点は評価ポイントです。
SD カード内のファイル参照とデータ転送
SD カードに保存されているデータは FileHub 経由で参照できます。画像ファイルはもちろん、動画ファイルも再生可能です。
つまり大容量の動画データをわざわざスマートフォンに入れなくても、FileHub を使えば閲覧できます。
SD カード内のデータは参照だけでなく、スマートフォン側にコピーできます。前述でスマホからの転送方法を記しましたが、その逆を行うだけ。これでデジカメの撮影データも、スマホ側へ簡単にコピーできます。
パソコンのデータ転送機能
パソコンと FileHub 間でもデータ転送が行えます。パソコンから FileHub の Wi-Fi に接続してブラウザに 10.10.10.254 と入力すれば、スマホアプリのような感覚でデータ参照やファイルのアップロードが行えます。
パソコンだけでなくスマートフォンのブラウザからもアクセス可能です。
なお、ブリッジ接続すれば Windows ネットワーク上の共有フォルダとしてアクセスできます。ただし参照できるのはシェアフォルダのみ。ブリッジ接続時は、ブラウザ上に FileHub の IP アドレスを入力することで、上の画像と同様にブラウザアクセスが可能になります。
ルーターモード・APモード・WBモード
FileHub には LAN ケーブル用のポートが付いています。
ビジネスホテル等で LAN ケーブルしか無い状況でも、FileHub に LAN を接続すればルーターとして早変わり!これでスマホやノートパソコンから Wi-Fi 接続すれば、インターネット環境にアクセスできます。
また FileHub は中継機能もあるので、FuleHub 自身を Wi-Fi のインターネット環境に接続すれば、スマホを FileHub に接続したままでインターネット回線が使えるようになります。
と言っても……意味がよく分からない人もいると思うので、簡単な画像を用意しました。
初期状態で FileHub はインターネットにつながっていません。そのため Wi-Fi で FileHub に接続しても、スマホ自体は FileHub のネットワーク上に居るだけで、インターネットには接続していません。
FileHub に LAN ケーブルを接続すると、FileHub がルーターとして機能します。そのため Wi-Fi 接続したスマホは、FileHub を LAN 接続したモデムを通してインターネットが利用できます。これがルーター機能です。
FileHub にはブリッジモード (アクセスポイント AP モード) も用意されています。モデムではなくルーターと LAN 接続した場合に機能するものです。ただ、設定は不要で自動的に判別してくれるので、あまり難しく考えなくて大丈夫です。
FileHub をインターネットの Wi-Fi 環境に接続(アプリから設定可能)すると、FileHub に接続した端末もインターネットにアクセスできるようになります。これが中継機 (WB モード) としての機能です。
中継機の機能を使えば、ワイヤレスでデータ転送できる状態でもインターネットにつながります!既に無線 LAN 環境がある場合は、FileHub をインターネット環境に接続しておくと便利です。
6,700mAh のモバイルバッテリー
中継機やルーターとして長時間使えるように、FileHub には 6,700mAh ものバッテリーが積まれています。そのため、いざというときにはモバイルバッテリーとしても利用できます。
ただし 5V / 1A の出力であるため、急速充電には対応していません。困った時の最終手段程度に考えておくと良いです。それでも本体の入力は 5V / 2A に対応しているため、FileHub 自体の充電は速いです!
Type-A と Type-C のポートがありますが、USB-C ポートは本体の充電用にしか使えません。モバイルバッテリーとして使う際は、USB-A ポートに接続します。
紹介しきれなかった機能
主要な機能以外でも利便性の高い機能が用意されているので、一覧にまとめておきます。
- LED インジケーターで接続状況が分かる
- バッテリー残量に応じて、LED の光り方が変わる
- ルーターモードでは 5GHz の Wi-Fi に対応
- SD カードから USB 接続のストレージ (USB メモリや USB HDD) にボタン1つでファイルコピー
- DLNA・Samba に対応
- Wi-Fi 接続名の SID やパスワードは変更可能
- USB Type-C での充電が可能
スマートフォンより小さい手のひらサイズなのに、機能のボリューム感には圧倒されます。様々な機能がありすぎて慣れるまで少し時間が掛かるものの、使いこなせるようになれば万能のネットワーク系ガジェットになり得るアイテムです。
普段からパソコンを持ち歩いている人なら、これ一台でカードリーダーも USB LAN の拡張ケーブルも不要になります。僕自身そのような生活を送っているので、余計な荷物が減ったのがとにかく嬉しいというのが正直な気持ちです。
では最後に、製品の仕様をご覧ください。
RAVPower FileHub 製品概要
パッケージ内容
- RP-WD009 本体
- USB ケーブル Type-A to Type-C (60cm)
- 取り扱い説明書(日本語)
機能満載なので、説明書の内容も40ページを超えてきます。この手の機器にしては、かなり詳しく書かれています。
RP-WD009 製品仕様
- サイズ: 11.3 x 7.6 x 2.5cm
- 重量: 200g
- 入力: 5V / 2A (USB-C)
- 出力: 5V / 1A (USB-A)
- Wi-Fi 規格: 802.1 1ac, 802.11n
- Wi-FI 周波数: 2.4GHz, 5GHz
- 同時接続台数: 5台
- バッテリー容量: 6,700mAh
- 保証期間: 最大18ヶ月
実際に手にとって見ると、軽いと感じたのが第一印象。手のひらサイズで、これならカバンに入れっぱなしでも邪魔になりません。
FileHub の外観
前面は LED のインジケーターが光ります。接続状況により光り方が変わるので、ひと目で判断できます。
側面には SD カードスロット、Wi-Fi 切替ボタン、データコピーボタンが配置。SD カードの挿入口は、移動時にぶつかってメディアが飛び出さないよう、若干取り出しづらい作りになっています。
反対側には電源ボタン。長押しで起動・停止。モバイルバッテリーとして使う場合も、電源を ON にしておく必要があります。
上部には各種ポートが配置。ホコリが入らないようにカバーが付いている親切設計。USB-C の充電用ポートは頻繁に利用するので、毎度カバーを付け外しするのが少々手間に感じることもあります。
FileHub を使ってみた感想
良いところ・イマイチなところ
- 1台で何役もこなせるマルチツール
- ネットワーク系の機能が充実
- 軽い!コンパクト!
- アプリの操作が簡単
- 駆動時間が長い (10時間以上は余裕で使える)
- ネット経由でなくても友達のスマホに大容量ファイルを共有できる
- アプリが無くてもブラウザからアクセスできるのが便利
- モバイルバッテリーとしての出力が弱い (2A 欲しい)
- 有線接続でデータ転送できない (ワイヤレスのみ)
使用感は概ね良好です。僕の用途ではモバイルバッテリーの代替として使う想定は無いので、予備バッテリー程度であれば 1A の出力も許容範囲です。せっかく USB-C ポートが付いているのに、充電用途にしか使えないのは唯一の残念な点です。
それでもワイヤレスカードリーダーとして、ルーター・アクセスポイントといったネットワーク系の機器としての利便性は高く、価格に対する満足度は十分に得られます。
RAVPower FileHub はこんな人におすすめ
- 出張の多いビジネスマン
- スマホのデータ空き容量にいつも悩まされている人
- 大容量データをスマホに取り込むのが面倒な人
- デジカメで写真を撮る機会が多い人
- モバイルネットワーク経由でデータ転送したくない人
充実した機能により、他にも FileHub を使って利便性が向上する機会はあると思います。一度ケーブルの無い環境に身を置くと、わざわざ有線で接続するのが面倒に感じてしまうほどです。
どちらかというと、万人受けするアイテムではありません。こんな機能が欲しいと思っていた人のど真ん中に刺さっていくような製品です。1つでも気になる機能があったら、下記リンクから商品情報をチェックしてみてください!
以上、多機能なワイヤレスカードリーダー RAVPower FileHub の紹介でした。