DELL 白い XPS13 実機紹介&レビュー。アルミボディーの唯一無二な美しさ、満たされる所有欲

DELL のパソコンで最も好きな XPS シリーズ。表現するなら「美しい」の一言に尽きます。
多くのラインナップを取り揃える DELL 製品のうち、XPS の位置付けはハイグレード。ただし CPU やグラフィックの性能だけなら、ミドルクラスのマシンにも同等のものが搭載しています。XPS シリーズにおいては、頭脳以外の外装や細かい作りにおいて、上位機種相応にグレードアップしているのが最大の特徴です。
今回紹介するのは、モバイル端末として人気の高い XPS 13 です。
製品一覧ページでは、全機種を一気に閲覧できます。絞り込み検索により、目的の端末を抽出。なお CPU やメモリなど、構成選びで迷わないよう、適切な端末の選び方についても本文で紹介していきます。
XPS 13 を外側から徹底的に見ていく
XPS らしさを知ってもらうために、まず外観から紹介します。インチ違いを含め、XPS らしさを伝えるには欠かせない要素です。
ここで紹介するのは2020年モデル。液晶のベゼル幅が狭くなり、これまでの 16:9 から 16:10 の比率になって縦の表示領域が増えたのが最大の特徴です。今回のレビューは、最終的に旧モデル(型番が古いほう)を購入するに至っても参考になると思うので、是非最後までご覧ください。
現行モデルの違い
モデル | XPS 13 | ||
---|---|---|---|
7390 | 9300 | 9310 | |
CPU | 第10世代 Intel Core i シリーズ | 第11世代 Intel Core i7 | |
ディスプレイ | 16 : 9 | 16 : 10 | |
モニターサイズ | 13.3 インチ | 13.4 インチ | |
指紋認証 | なし | あり | |
USB-C | 3ポート | 2ポート | |
キーボード | – | 左右に拡大した | |
USB-A | 変換ケーブル付属 |
XPS13 7390 から 9300 は、モニターサイズが変わりました。9300 から 9310 は CPU が新しくなり、USB-C が Thunderbolt 3 から Thunderbolt 4 へのバージョンアップ。
CPU は新しくなっても、そこまでパワーアップしていません。ベンチマークで比較しないと、その差を実感できない程度の進化です。そして USB-C の数は3ポートから2ポートになったものの、そこまで使い勝手は変わらず。XPS 13 を選ぶ上での決め手は、モニターサイズと価格がポイントになります。
価格が安くなっている旧モデルはかなりおすすめ。コスパ高いです。
ボディーそのまま画面が大きくなる
2020年モデルの XPS 13 9300 より画面下にあった DELL のロゴをなくして、縦に 120px 大きくなった液晶モニター。画面比率が 16:10 になり、縦の情報量が 11% 増えました。この必要最小限になったベゼル幅、XPS 13 が完全体になったと表現するに相応しい進化です。
液晶サイズは、旧モデルから 0.1 インチ大きくなっただけ。しかし縦へ拡張すると目に映る情報量が一気に増えて、作業効率の向上につながります。
16:9 の比率を持つ旧モデル(↓の画像)と比べると、その差は一目瞭然です。
そして注意点が1つ。
一度 16:9 より縦に長いモニターのノートパソコンを使い始めると、その利便性から元の液晶サイズに戻れなくなります。それくらい大きいモニターは最高なんです。
狭いベゼルにインカメラを搭載
こんなにモニターを大きくしてベゼルの余裕もない状態なのに、よく見るとモニター上部にインカメラを搭載。まさに XPS シリーズは DELL の技術の結晶と言える製品です。
Web 会議やオンライン授業の需要増加で、インカメラの存在意義が一気に注目を集めた2020年。画質はスマホ以下でも、利用上は全く問題ありません。(一般的にパソコンのカメラに高画質は期待できません)
なお XPS シリーズは Windows Hello の顔認証にも対応しています。
ボディーそのままキーボードも大きくなる
小指のタイピング領域が、何となく狭苦しく感じていた旧モデル。元々タイピングのしやすさには定評のある DELL のマシンにおいて、唯一の気になる点が改善されました。
旧モデルのキーボード。
そして左右に広がった最新のキーボード。パソコンが小さくなったように見えますが、よく見るとキーボードサイズが左右に大きくなっています。
ただ、旧モデルに不満があったわけではありません。そこそこ快適だったのが、新しくなってもっと快適になったと表現するのが正しいと思います。
DELL のパソコンは、テキストワークにおいて1位2位を争うキー打ちやすさを持っていると感じています。そしてこの XPS の進化により、更に XPS の評価が高くなりました。
カーボンファイバーのキートップはお気に入りポイントの1つ。ブラックも格好良いけど、白のカーボンも上品な仕上がりで好きです。
fn キーが見えたついでに。このキーとファンクションキーとの組み合わせで、キーボードから液晶の明るさやボリュームが調整できます。ノートパソコンにはよくある機能です。
そして fn + ESC で fn 押下状態にロックできるモードが発動。もう一度押すとロック解除。
この fn キーロックについて、現在のロック状態が目視で確認できないみたいで……ファンクションキーを多様する時に超絶不便なんですよね。(もしかして、皆はそこまで F キー使ってないのかな。)
美しいフロストホワイトの筐体
ボディーにはカラーバリエーションがあり、ここで紹介するのはつや消しの「フロストホワイト」モデル。明るいグレーのつや消しで、色味は限りなく白に近いです。
これぞ DELL のハイグレードモデル。アルミ削り出しシャーシに、幾重にも繰り返される表面加工。耐食性と耐摩耗性も完璧です。見た目は繊細な仕上がりなのに本当の姿は強靭なボディーで、潤い漂うしっとりとした白さが美しい。
各社のパソコン性能はほぼ横並びなので、外観のデザインに理想を求めるユーザーが増えたように思いえます。5年前なら Apple 製品に手を出していたかもしれません。でも今は Windows 端末でもここまで洗練されたデザインの端末が手に入ります。
手で持っているだけで、いい感じに映えます。
ただし……
アルミシャーシの採用により強度の高さは抜群である反面、マグネシウムより比重が重く、XPS 13 はモバイルノートパソコンの中では比較的「重い」と評価される約 1.2kg の重量があります。
この点は、XPS を評価する上で意見が割れるところ。僕は携帯性を重視するため、理想はもっと軽くあって欲しいと思っています。それでもこの重ささえ我慢できれば、最高の端末なのは確かなんですけどね。
必要最小限の端子類
USB-C は Thunderbolt 対応の端子が2つ。うち1つは充電ポートも兼ねています。そして 3.5mm ヘッドホン端子と microSD カードリーダーが搭載。画面の大きい XPS 15 や XPS 17 もほぼ同じ構成。USB-A や HDMI 端子はありません。
一応 USB-C to USBC-A の変換コネクタが付属します。フラットケーブルであるせいで、真横にピーンと伸びてしまう残念設計です。
見た目がこんなにダサくなってしまうまら、USB-A 端子も付けて欲しいのが本音です。また HDMI の変換コネクタは付属していません。最新機種が揃っていな環境においては、扱いづらい端末かもしれません。
ファンの音がうるさくない
おそらく一般的なノートパソコンに搭載しているものと、同じファンが載っているはず。でも CPU 使用率が高い状態でも、そこまでファンの音が気になりません。
その要因の1つに、アルミシャーシの裏蓋が影響していると思われます。きちんと覆われていることで、気になる騒音部分がカットされるようなイメージです。そしてファンの空気を直接外に排出しながらも、ボディー全体に風を当てて背面全体で放熱するような構造になっている気がします。
細かい仕組みはよくわかりませんが、うるさく感じないのは良いことです。
USB-C 対応モニターがあると便利
ここ数年、USB-C 接続対応のモニターがじわじわと勢力を伸ばしています。例えばノートパソコンのサブモニターとして人気のあるモバイルモニターは、USB-C ケーブル1本接続するだけで利用できます。
給電はノートパソコンから行われる仕組みで、このようにバッテリー駆動でも利用できます。
また通常の電源を接続したモニターに USB-C で接続すれば、モニター側から電力を得られます。つまり XPS 側はモニターにつなぐだけで充電状態になり、デュアルモニターも実現できます。
アダプターが不要になるので、デスク周りがスッキリします。
余談ですが僕が使っている外部モニターは、DELL の 31.5 インチ 4K ディスプレイです。DELL のモニターは3年間のドット抜け保証があって、色彩の表現も綺麗で、結構おすすめだったりします。僕の中では、以前使っていた 23.8 インチの EIZO モニターより評価は高いです。
USB-C だけでなく HDMI や Diplay Port にも対応。公式サイトでクーポンを発行している時は、かなり安く買えます。
31 インチあると、4K ゲームも大迫力で没入感が凄いです。XPS も良いけど、このモニターは2020年買ってよかったものの1つです。
生体認証は顔認証&指紋認証
Windows Hello の顔認証に加えて、2020年モデルから指紋認証も搭載しています。この何も書かれていない電源ボタンが、指紋リーダーの役割を兼務しています。
精度は顔認証のほうが高く、アルコール消毒等で手が荒れていると反応しないこともあります。これは全ての指紋認証機器においても同じ症状なので、仕方ありません。それでも大半のケースにおいてはパスワード入力よりも便利です。
上位モデルはタッチパネル仕様
残念ながら僕の用途では使う機会がないため、タッチ操作できてもメリットを感じません。一応、このような機能があることだけ紹介しておきます。
タッチ機能がついたモデルは解像度が高く、XPS 13 の小ささに 4K モニターを搭載しています。そして価格も解像度相応に高くなります。ついでに重量も重くなります。
13インチ程度のパソコンであれば、画質はフルハイビジョンで十分綺麗です。タッチパネルに予算を使うなら、CPU を i5 から i7 にしたり、ストレージを 512GB から 1TB に拡張したほうが最終的な満足度は高いと思います。
明確な利用目的があるなら話は別です。あると便利かもしれないと思って付けるような機能ではありません。
あと一歩の USB-C アダプター
給電は USB-C 端子を利用。付属のアダプターは 45W で、手のひらサイズのコンパクトさ。
ここまではいいのに、このアダプターに接続するケーブルが尋常じゃなくゴツいです。どうしたの?ってくらいゴリゴリに太いケーブル。ここまで太くするなら、USB-C 端子側のケーブルももっと丈夫に作ってくれよと突っ込みたくなるレベル。
しかも汎用的なメガネケーブルではありません。ほら、隠れミッキーが……。
余談ですが USB-C 接続でモバイルバッテリーから給電を試みたところ、ワット数が足りずに警告メッセージが表示されました。機種によって必要ワット数が違うとは思いますが、この機種においては最低 27W の電源アダプターが必要なようでした。
アダプター問題の解決案
XPS 13 の給電には、ある程度の出力があるアダプターが必要。でもゴツゴツなケーブルを持ち運ぶのは避けたい。そんな時には、窒化ガリウムのアダプターがおすすめ。
これで出力 61W。折りたたみ式のプラグを採用していて、別途 USB-C to C ケーブルを用意するだけ。小さくて本当に便利。
そろそろメーカーのアダプターも、もう一歩小型化に進む時期だと期待しているのですが、なかなか思い通りにはいきませんね。付属のアダプターは自宅や職場に置きっぱなしにして、持ち運び用にコンパクトなものを用意すると、カバンに入れっぱなしにできて楽ですよ!
外観まとめ
- 筐体ギリギリに埋め込まれた液晶モニター
- 画面比率が 16:10 で作業領域が広い
- インカメラ付き
- キーボードが横に大きく打ちやすい
- フロストの筐体が美しい
- 端子類は必要最小限
- USB-A アダプターが残念設計
- ファンがうるさくない
- USB-C 外部モニター出力が便利
- 指紋認証と顔認証が可能
- タッチ操作できるモデルあり
- アダプターは手のひらサイズ
- でもケーブルは極太
XPS の最適な機種の選び方
ここまできて、自分に合った XPS 端末はどれなのか?明確な答えが出せないでいるなら、次の表を参考にしてください。
用途に応じて最適なモデルを見つける
利用目的によっては XPS 13 より XPS 15 や XPS 17 が最適な場合があります。ここでは目的によって、どの端末が適しているのかを一覧にまとめました。
XPS 13 | XPS 15 | XPS 17 | |
---|---|---|---|
持ち運んで使いたい | ○ | △ | × |
バッテリー駆動が多い | ○ | △ | × |
Web 会議に使いたい | ○ | ○ | ○ |
オンライン授業に使いたい | ○ | ○ | ○ |
動画を見たい | ○ | ○ | ○ |
ブログを書きたい | ○ | ○ | ○ |
写真現像したい | △ | ○ | ○ |
画像編集したい | △ | ○ | ○ |
動画編集をしたい | △ | ○ | ○ |
ゲームをしたい | × | ○ | ○ |
白いボディ(フロスト)希望 | ○ | ○ | × |
予算10万円 | ○ | △ | × |
予算15万円 | ○ | ○ | × |
即納期を希望 | ○ | × | × |
おすすめ度 | ◎ | ○ | △ |
用途に応じて最適な CPU を見つける
続いてパソコンの頭脳である CPU の選び方。機種によっては提供されないモデルがあるため、参考程度に留めておいてください。
Intel Core | i3 | i5 | i7 | i9 |
---|---|---|---|---|
主に事務作業 | ○ | ○ | ○ | × |
バッテリー駆動が多い | ○ | ○ | △ | × |
Web 会議に使いたい | △ | ○ | ○ | ○ |
オンライン授業に使いたい | △ | ○ | ○ | ○ |
動画を見たい | ○ | ○ | ○ | ○ |
ブログを書きたい | ○ | ○ | ○ | ○ |
写真現像したい | △ | △ | ○ | ○ |
画像編集したい | △ | △ | ○ | ○ |
動画編集をしたい | × | △ | ○ | ○ |
ゲームをしたい | × | × | △ | ○ |
予算10万円 | ○ | △ | × | × |
予算15万円 | ○ | ○ | ○ | × |
おすすめ度 | △ | ◎ | ◎ | △ |
数字が大きいほうが性能が上。ただし i9 は消費電力が大きいのが難点。i3 は事務用途が限界。i5 と i7 のできることはほぼ同じで、i7 のほうが処理速度が速いです。僕は i5 と i7 で迷った時、コストで選ぶなら i5 で、時間をお金で買うなら i7 と考えて選ぶようにしています。
XSP シリーズで最適な端末を見つける
候補の端末が見つかったら、DELL 公式サイトから絞り込み機能を使って最適なマシンを抽出しましょう!
スクリーンサイズ (XPS13, XPS15, XPS17) とプロセッサー (i3, i5, i7, i9) を条件に抽出するだけで、一気に絞り込みが行われます。なおクーポンを発行していると、検索結果ごとにクーポン適用価格が表示されます。次の 赤 く表示された価格がオンラインでの購入価格になるので、見間違えないように。
クーポンは購入画面に進んでから適用できます。事前にクーポンを取得する必要はありません。
最新である必要はない
XPS 13 から探すのあれば、こちらからも飛べます。カッコ内の数字が大きいほうが新しいモデル。今回紹介した、画面とキーボードが大きいモデルは 9000 番台です。
旧モデルと新モデルを比べても、性能面ではそこまで大きな差はありません。むしろ旧モデルは値下げ幅が大きく、コストパフォーマンスに優れています。一押しは 9000 番台のモデル。
XPS 13 (9300) は購入する絶好のチャンスです。
所感
XPS シリーズは、Windows ノートパソコンの中でも筐体デザインの美しさが際立つ端末です。スッキリした見た目なのに、高級感を漂わせる本体。
結局、どのパソコンを選んでも性能は横並びであれば、所有欲が満たされるかどうかが最終的に購入を判断する材料になると思っています。XPS はその期待に答えてくれる端末であり、興味本位で購入しても満足できる性能を発揮してくれます。唯一の懸念点は 1.2kg の重量のみ。それさえ受け入れられるなら XPS 13 はかなりおすすめできる端末です。
最後に改めて、公式サイトへのリンクを掲載しておきます。スペック等の詳しい情報は、こちらからご確認ください。
以上、DELL XPS 13 の実機紹介とレビューでした。