Canon と EPSON 家庭用プリンターを買うならどっち?違いはあるのか?

更新日: 公開日:2016/05/06
Canon と EPSON 家庭用プリンターを買うならどっち?

家庭用のインクジェットプリンターと言えば、Canon と EPSON の2大勢力が長年根強い人気を誇っています。しかしインク代を含めると、どちらを選ぶにせよ決して安い買い物ではありません。

さてプリンターを購入するとき、どちらを買った方が良いのか?

目的にきちんと合ったプリンターの選び方、そしてどちらのメーカーが適しているのか。今回は両社のプリンターの性能の違いと、おすすめのプリンターについて詳しく説明していきます。

Canon と EPSON のプリンターの違いとは?

結論

文書メインで印刷するなら Canon
写真メインで印刷するなら EPSON

これに尽きます。プリンターを買って何をしたいのか。目的が明確であれば、悩む必要はありません。そしてもう1つ、知っておくべき大切な情報を。

10月以降に購入するなら旧モデル

最新のプリンターは毎年10月頃に発売すると同時に、前年度モデルが一気に値下げされて、正月明けくらいまでは安くなった旧モデルが手に入ります。毎年そこまで大きな進化がないため、売っているなら旧モデル(前年モデル)を買ったほうが断然お得です。

では、それぞれのプリンターの特徴を説明していきます。

人によっては Canon で印刷した写真の色味が好きな人もいます。もし印刷例で Canon のほうが良さそうだと思ったら、その感覚を大事にしてください。

Canon は2021年11月初旬に新機種が発売されました。EPSON は2021年モデルの新発表はありません。もはやどちらのメーカーも性能は頭打ちに近い状態。そうなると、安く買える型落ちモデルを購入するのが、賢いお買い物になるというわけです。

なぜ Canon のプリンターは文書に強いのか?

一般的にインクジェットプリンタのインクは、染料インクが用いられています。しかしキヤノン純正の黒インクは、顔料インクとなっています。顔料インクを使うことで濃いブラックを表現でき、にじまず文字が鮮明に印刷される特徴があります。また、印刷物の耐久性においても染料インクよりも優れています

じゃあ全てのインクを顔料にしてしまえば良いのでは?と思ってしまいますが、そうでもありません。写真用の光沢紙に印刷するのであれば、顔料インクよりも染料インクの方が綺麗に発色されるのです。

顔料インクと染料インクは、用紙に対するインクのにじみ方に違いがあります。わかりやすく言うと、染料インクは用紙に対してじわっと染みこむ感じで、顔料インクは紙の上に乗っかるイメージです。そして染料インクのほうが、グラデーションなどの繊細な色表現に長けているため、写真用光沢紙との相性も抜群なのです。

普通紙で綺麗に印刷したいなら、レーザープリンターを選びたいところですが、自宅用だとどうしてもコスト高になってしまうデメリットがあります。

印刷だけでなくスキャナーも付いてコピーもできてレーザープリンターより低価格。それが家庭用プリンター最大の特徴ではないでしょうか。

文書印刷が強い Canon は、年賀状のような葉書印刷にも長けています。葉書は貰ってすぐに捨てるものでもないので、経年劣化が少ない方が望ましいですよね。ただ文書に強いからと言って、写真印刷に問題があるわけではありません。あくまでも、文書印刷においては Canon 製プリンターに優位性があると言うことです。

顔料インクのデメリットは、染料インクよりも目詰りを起こしやすい点です。何ヶ月も使わず放置する機会が増えると、ごく稀にインクの出が悪くなるので、定期的にクリーニングをしてあげなくてはいけません。(プリンタのメニューから実行できます。)

写真の印刷に強い EPSON

Canon と比べると、写真を印刷したときの発色が鮮やかなのが EPSON のプリンターの特徴です。純正のインクに優劣があるのではなく、プリンター内のソフトウェアの処理方法の違いと考えてください。同じ写真を印刷した場合、Canon の方が若干赤みがかった感じになります。

人によっては Canon の淡い色合いが好みの方もいます。実際の印刷例は店頭にあるサンプルで比較してみてください。

写真の印刷においては、カラーの発色が濃い EPSON の方が、個人的に好みです。色が鮮明であるメリットの裏返しで、インク消費量が多めなので、同時期に発売した機種を比較すると、カラー印刷においては EPSON の方が印刷コストが高くなります。

一方、文書などのモノクロ印刷においては、EPSON は黒の発色が弱く、真っ黒と言うより少しグレー掛かった黒になります。真っ黒で綺麗な印刷を求めるのであれば、顔料インク搭載の Canon を選択した方が良いでしょう。

ただ EPSON にも、廉価版モデルでは黒の顔料インクを採用しているプリンタもあります。エントリーモデルで、プリンタ本体が安いのにインクが割高で、カラー写真の EPSON らしい繊細さが見られません。初期投資費用の安さが魅力的に見えても、要注意なモデルです。

家庭用で使うなら Canon と EPSON どっちが良いの?

結局のところは好み次第です。筐体の大きさを比較すると、数年前までは Canon のほうが大きくて場所を取っていましたが、コンパクト設計に改良されたことで本体サイズによる優位性の違いは無くなりました。

なお、プリンターの想定寿命は5年です。正規品でない安いインクを使ったり、メンテンナスを怠ると寿命が縮みます。

基本性能は変わらない

細かい機能面を比べても、両社のプリンターに大きな差異はありません。スマートフォンからダイレクトに印刷することもできるし、新機種は無線 LAN や NFC も搭載しています。無線で通信できるため、置き場所もパソコンの近くである必要性がなくなりました。

それでもあくまで家庭用プリンターなので、印刷の品質には限界があります。写真も文書も高品質な印刷を求めるなら、専門店の業務用プリンターにおまかせするしかありません。

必要な時にすぐ印刷できる。それが家庭用プリンター導入の最大のメリットです。

印刷コストはキヤノンが優勢?

プリンターで最もお金がかかるもの、それはインク代です。本体の金額はどちらも似たり寄ったりですが、印刷までの過程を考慮すると、コストの違いが顕著に現れます。

それでは、インクの消費量の多いL判の光沢紙へ写真印刷した場合のコストで比較してみましょう。以下、それぞれ大容量インクを使用した場合の単価になります。

機種L版カラーA4カラー文書
2019年
モデル
CanonS833021.3円10.8円
EPSONEP-88220.6円12.0円
2020年
モデル
CanonTS843019.9円10.8円
EPSONEP-88320.6円12.0円
2021年
モデル
CanonTS853022.1円12.2円
EPSON発表なし

型落ちのキヤノン2020年モデルのコスパの良さが伺えます。これでプリンタ価格も安ければ2020年モデルが確実にお得だとわかります。

一覧にはしたものの、印刷コストは誤差の範囲です。セールなどでインクを安く購入できたら、上記価格よりも安くなります。あくまでも参考レベルでお考えください。

ちょっと待って!インクボトル方式の EPSON エコタンクとか Canon ギガタンクを使ったプリンターだと、もっと印刷コストが安く済むって聞いたけど?!

それはその通りなのですが……。プリンターとしての役割が異なるため、少しだけその件にも触れておきます。

インク代が安く済むボトル方式について

インクボトル式のプリンタとは、液体のインクをプリンターに直接注入するタイプのモデルで、これまで使っていたカートリッジ式のインクとは別物です。圧倒的なインク容量で、全色フルセットの購入で A4 用紙 1,000 枚くらい印刷できます。

確かにコストが安いのが最大の特徴です。

しかしインクボトル式のプリンタは本体価格が高いため、大量に印刷するのが前提のモデルになります。そして損益分岐点の目安(どれぐらい使ったらお得になるか)として EPSON が提示している資料によると

  • 5年間毎年インクを1セットを購入
  • 5年間毎年 A4 用紙 500 枚以上印刷

このどちらかを満たす場合、インクボトル式のほうが安く済むそうです。

キヤノンもエプソンも売りにしているのはコストの安さです。ただし印刷コストはキヤノンが圧倒的に有利であるものの、写真レベルまでの印刷を求めるならエプソンが圧倒的に綺麗です。ここでも両社の大きな違いが垣間見えます。

どちらにせよ大量印刷が目的でプリンターを探しているなら、間違いなくインクボトル式が最適です。

迷ったら Canon にする

用途が明確でないならば、Canon の方が使い勝手は良いです。黒の顔料インクとカラーの染料インクを状況によって使い分けてくれるので、何を印刷してもそれなりの品質に仕上げてくれます。なおエプソンは、安いエントリーモデルとエコタンクモデルで黒の顔料インクを採用しています。参考までに。

単純に Canon と EPSON で優劣をつけるのは難しく、感覚的にどっちが好きかで判断しても全く問題ありません。気になる点があれば、それを理由に選ぶのも1つの方法です。

安い互換性インクの注意点

Canon や EPSON が販売している、いわゆる純正インクは値段が高いです。一方、それぞれのプリンター用に互換性インクなるものが安く売られています。

値段が安いのはそれなりの理由があり、その特徴を理解しておかないと後悔する買い物になってしまいます。

安い互換性インクの特徴

  • カラー印刷の発色が弱く色が薄い
  • インク自体の品質が悪い
  • インク詰まりによる故障の原因になりやすい

印刷コストを抑えることが第一優先、印刷の品質は問わない、プリンターが壊れたらすぐに買い換える。それくらい運用方法が明確であれば、互換性インクも選択肢に入るでしょう。きちんと安いインクの特徴を理解しておくことが大切です。

安い印刷用紙の注意点

インクだけではありません。印刷する紙の品質が悪くても、仕上がりにも影響します。例えば A4 の普通紙の場合、安い用紙は にじみ が出やすく、印刷後しばらく置いても用紙がインクで波打ったままになることもよくあります。

古紙の含有率が多い、再生紙の場合も同様です。レーザープリンターならインクの乗り方の性質上、安物の用紙でも問題ありません。しかしインクジェット式プリンターの場合は、仕上がりの品質に大きく違いが出ることを覚えておいてください。

例えるなら、肌の状態が悪いと化粧ノリが悪いのと同じく、ベースの質が悪いとせっかく良いプリンターを買っても性能が活かせません。

僕が主に使っているおすすめの用紙はこちら。いろいろ使ってみて、コスト・品質の面でのバランスの良い製品だったので、リピート購入しています。

おすすめの家庭用プリンター【2021年】

最後に、それぞれのメーカーのおすすめプリンターを紹介します。頻繁に買い換えるものではないので、じっくり検討した上でお選びください。

キヤノンのおすすめプリンター

久々にキヤノンのプリンターを見た人は、随分小さくなったと感じるのではないでしょうか。サイズがエプソン並に小さくなったのは2016年モデルからです。

もう2019年~2021年モデルは、ほぼ性能の違いがわからないくらい、マイナーなアップデートに留まっています。このようにスッキリしたデザインになって、場所を取らなくなったのは嬉しいですね。

前述の印刷コストでも触れましたが、2020年モデルがなかなかの良いコスパなので、進化ポイントがよくわからない2021年モデルを選ぶより、安く買える2020年モデルのほうが圧倒的におすすめです。

高画質で印刷することが可能なのはもちろん Bluetooth 接続により、スマートフォンから直接印刷できます。更に印刷トレイだけでなく、背面から給紙できる機能が復活したので、かなり使い勝手が向上した印象を受けます。

これより安い価格帯の TS5000 番台のシリーズがあります。印刷時間がやたら長く、インクの単価も倍以上になるのがデメリット。安価モデルを買うなら、前年の型落ちモデルを購入したほうが、トータルで満足できると思います。

なおキヤノンのプリンターは毎年10月前後に最新モデルが発表されます。そして年内から正月明けまでは、最新機種の値段が下がりにくい傾向です。

毎年500枚以上の印刷をするならこちら。インクボトル方式のプリンターです。とにかく文章を大量に印刷する人向け。写真も大量印刷したいなら、エプソンのエコタンク搭載プリンターの方が綺麗に印刷できます。

エプソンのおすすめプリンター

2021.11.21現在、エプソンは2021年モデルの発表はありません。現時点で新しいモデルを出す必要がないと判断したのでしょう。性能が変わらないのに新モデルとして販売するより、好感を覚えます。

新モデルがでなければ、現行機種である2020年モデルを選ぶのが最適。2019年モデルは1年近く在庫を抱えた状態の製品ですから、よほど安くない限り選ぶのは微妙です。

エプソンは元々サイズがコンパクトであり、給紙方式が前面2段カセット+手差しトレイと豊富なので、デザイン面からエプソンを選ぶ人も多くいます。

エプソンプリンターの解像度は 5760dpi です。キヤノンの 4800dpi よりも性能が高く思えますが、実際のところはインクジェットプリンターの能力として、どちらもさほど変わりがないのが事実です。(目で見て判断できないほど。)つまり、解像度が低いからキヤノンの画質が悪いと判断するのは尚早です。

また、廃インクを溜めておくためのメンテナンスボックスが自身で交換できる仕組みも用意されています。(通常はメーカーによる交換。)これは、印刷時の余分な廃インクをボックスに出すことにより、長期間の使用により印刷用紙が汚れるような事態を避けられます。

このメンテナンスボックスは、廃インクで満たされたら交換が必須。価格は1,000円ほど。

このメンテナンスボックスにより、長期利用を想定して購入する人が増えました。その流れから、壊れるまでずっと使いたいと敢えて最新機種を選ぶ人も多いようです。

そして大量印刷向けのモデル。文書の印刷コストは Canon のほうが上回っています。写真印刷も意識した大量印刷での用途ならこちら。

安いプリンターじゃダメなの?

キヤノン・エプソン共に、プリンター本体の価格が抑えられたモデルも存在しています。

おすすめプリンターとして紹介した製品と比べると、販売価格はどちらも半額以下です。ちょっとしたものを印刷する程度であれば、こちらの低価格なプリンターでも十分です。ただし安いのはそれなりの理由があるため、その点をきちんと把握した上で選ばないと後悔するので気をつけてください。

PIXUS TR703 の注意点
  • うるさい
  • 消費電力が大きい
  • スキャナー機能なし
  • 簡易液晶パネルしかない

在宅勤務になってから意外と必要になったのがスキャナー機能です。(校閲してスキャンしたり、手書きのサインをしたものをスキャンしたり。)印刷機能しかない機種は使い勝手が悪いので、選ぶなら絶対に複合機にしたほうが良いです。

カラリオ EW-452A の注意点
  • 文書が得意でも発色はいまいち
  • 1枚あたりの印刷コストが高い
  • 印刷用紙が背面からしか入れられない
  • 写真印刷が遅い(L版で1分以上)
  • インクの消耗が早い

前述で紹介したプリンターよりも L 版の印刷で5~6倍の時間が掛かります。とにかく カラープリントが遅い です。写真を印刷するならエプソンと言いながらも、この機種でまとめて印刷すると相当な時間を要します。

どちらも値段相応ではあるものの、性能の物足りなさ、使い勝手の悪さがあるのは否めません。予算が無いから安い製品を選ぶのは仕方ないと思いますが、数年使うつもりであれば低価格帯のプリンターは避けたいところ。

ただし、モノクロの文章印刷がメインであれば、価格が安いプリンターでも十分に需要を満たしてくれます。あくまでカラー印刷用としておすすめできないだけなので、自分の使い方にあった製品を予算と相談して選んでください。

以上、Canon と EPSON の家庭用プリンターの違いと、おすすめプリンターの紹介でした。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニア。個人事業主として独立して Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりしています。

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