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CanonとEPSON家庭用プリンターを買うならどっち?最適な選び方を解説

更新日:
Canon と EPSON 家庭用プリンターを買うならどっち?

家庭用プリンターを選ぶとき、あなたは何を重視しますか?コスト?画質?それとも長期的な使い勝手?

家庭用プリンター市場を牽引するのは、Canon と EPSON の2大ブランド。性能も進化し続けていますが、高価なインク代を考えると、選択には慎重さが必要です。今回は両社のプリンターの性能の違い、目的に合ったプリンターの選び方とおすすめの機種について詳しく説明します。

目次

プリンター選びの基準

CanonとEPSONのプリンターの違い。一言で言うと?

文書メインで印刷するなら Canon
写真メインで印刷するなら EPSON

このシンプルな基準で選びましょう。そしてもう1つ、購入する上で重要な情報を。

10月以降に購入するなら旧モデル

プリンターは毎年10月頃に新モデルが発表され、前年度モデルが一気に値下げされます。正月明けくらいまでは安くなった旧モデルが手に入ります。近年は技術進化が落ち着いており、旧型でも性能差はほぼありません。購入するなら、安く購入できる旧モデル(前年モデル)がおすすめです。

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実売価格で旧モデルが1万円近く安く購入できます!

では、それぞれのプリンターの特徴を説明します。

文書印刷に強いキヤノン

なぜ Canon のプリンターは文書に強いのか?

一般的にインクジェットプリンタのインクは、染料インクが用いられています。しかしキヤノン純正の黒インクは、顔料インクです。

顔料インク
インクが紙の上に乗るイメージ。濃いブラックを表現でき、にじまず文字が鮮明に印刷されるのが特徴。印刷物の耐久性は染料インクよりも優れている。
顔料インク
用紙に対してじわっとインクが染みこむ。グラデーションなどの繊細な色表現に長けているため、写真用光沢紙との相性が抜群。
特徴顔料インク染料インク
発色黒が濃い繊細な色合い
にじみやすさにじみにくいにじみやすい
写真適正

文書印刷が強い Canon は、年賀状などハガキ印刷にも長けています。もちろん写真も印刷できるので、万能プリンターと表現するのがぴったりです。

唯一ある顔料インクのデメリットは、染料インクよりも目詰りを起こしやすい点です。何ヶ月も使わず放置する機会が増えると、ごく稀にインクの出が悪くなるので、定期的にクリーニングが必要になります。

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年に1、2回の印刷する程度なら、クリーニングしなくても経験上は大丈夫でした

写真の印刷に優れたエプソン

EPSONの特徴は、写真印刷の色鮮やかさ。特に赤や青がはっきりと出るため、鮮明さを求める人に最適です。もしCanonの色合いと比較したい場合は、店頭にある印刷のサンプルをご覧になると良いです。

色が鮮明であるメリットの裏返しで、インク消費量が多めなので、カラー印刷においては EPSON の方が印刷コストが高いです。

一方、文書などのモノクロ印刷においては、EPSON は黒の発色が弱く、真っ黒と言うより少しグレー掛かった黒になります。真っ黒で綺麗な印刷を求めるのであれば、顔料インク搭載の Canon を選択した方が良いでしょう。

ただ EPSON にも、廉価版モデルでは黒の顔料インクを採用しているプリンタもあります。エントリーモデルで、プリンタ本体が安いのにインクが割高で、カラー写真の EPSON らしい繊細さが見られません。初期投資費用の安さが魅力的に見えても、要注意なモデルです。

家庭用で使うなら Canon と EPSON どっちが良いの?

結局は好み次第です。総合的には優劣つけ難いくらい、技術的には高いレベルで拮抗しています。

基本性能は変わらない

スマートフォンからダイレクトに印刷することもできるし、新機種は無線 LAN や NFC も搭載しています。無線で通信できるため、プリンターの設置場所にも制限がなくなりました。

ただしあくまで家庭用プリンターなので、印刷の品質には限界があります。写真も文書も業者レベルの高品質な印刷を求めるなら、専門店の業務用プリンターにおまかせするしかありません。

必要な時にすぐ印刷できる。それが家庭用プリンター導入の最大のメリットです。

印刷コストはキヤノンが優勢?

プリンターで最もお金がかかるもの、それはインク代です。本体の金額はどちらも似たり寄ったりですが、印刷までの過程を考慮すると、コストの違いが顕著に現れます。

次は、インクの消費量の多いL判の光沢紙へ写真印刷した場合のコスト比較表です。それぞれ大容量インクを使用した場合の単価を記しています。

機種L版カラーA4カラー文書
2023年
モデル
CanonTS873022.9円12.7円
EPSONEP-88624.8円13.9円
2024年
モデル
CanonTS883022.9円12.7円
EPSONEP-88724.8円13.9円
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インク消費コストは、どちらのメーカーも前年モデルと一緒。(型番が違うだけで、おそらく中身はほぼ一緒じゃないかと推測しています)

友人

ちょっと待って!インクボトル方式の EPSON エコタンクとか Canon ギガタンクを使ったプリンターだと、もっと印刷コストが安く済むって聞いたけど?!

それはその通りなのですが……。プリンターとしての役割が少し異なります。

インク代が安く済むボトル方式について

インクボトル式のプリンタとは、液体のインクをプリンターに直接注入するモデルで、これまで使っていたカートリッジ式のインクとは別物です。圧倒的なインク容量で、全色フルセットの購入で A4 用紙 1,000 枚ほど印刷できます。

確かにコストが安いのが最大の特徴です。

しかしインクボトル式のプリンタは本体価格が高いため、大量に印刷するのが前提です。そしてどれぐらい使ったらお得になるかの目安として EPSON の資料には、次のどちらかの条件を満たすと、インクボトル式のほうが安く済みます。

  • 5年間毎年インクを1セットを購入
  • 5年間毎年 A4 用紙 500 枚以上印刷
NJ

大量に印刷するなら、エコボトル方式のほうが数万円単位でコストカットできるのは確かです

キヤノンもエプソンも、売りにしているのはコストの安さです。ただし印刷コストはキヤノンが圧倒的に有利。ただし写真の印刷品質を求めるならエプソンが圧倒的に綺麗です。ここでも両社の違いが垣間見えます。

大量印刷が目的でプリンターを探しているなら、インクボトル式のメリットは大きいです。

さて、これでどのプリンターがおすすめか、明確になりました。

プリンター選びに迷ったら

  • 文章を主に印刷する → Canon
  • 写真を主に印刷する → EPSON
  • 大量に印刷する → インクボトル方式
  • 購入するのは → 前年の型落ちモデル

用途が明確でないならば、Canon の方が使い勝手は良いです。年賀状や書類などの文章主体の印刷を綺麗に出力しながらも、染料インクを使い分けて写真も綺麗に出力できる。万能なプリンターです。

写真を中心に印刷するなら、エプソンにしましょう。ちょっとした用途が明確かどうかで判断して大丈夫です。

単純に Canon と EPSON で優劣をつけるのは難しく、感覚的にどっちが好きかで判断して問題ありません。また自身の興味を理由に選ぶのも1つの方法です。

おすすめの家庭用プリンター【2024年度10月】新機種発売

最後に、それぞれのメーカーのおすすめプリンターを紹介します。頻繁に買い換えるものではないので、じっくり検討した上でお選びください。

キヤノンのおすすめプリンター

久々にキヤノンのプリンターを見た人は、随分小さくなったと感じるのではないでしょうかす。サイズが小型化されたのは2016年モデルからです。スッキリしたデザインになり、場所を取らなくなったのは嬉しいですね。そして2020年以降のモデルは、性能がほぼ頭打ちになりました。

高画質で印刷できるのははもちろん、Bluetooth 接続でスマートフォンから直接印刷できます。更に現行モデルは、背面給紙できる機能が復活して使い勝手が向上しています。

なお新型モデルは年賀状印刷の特需を狙って発売するため、正月明けまで値段が下がりにくい傾向です。

毎年500枚以上の印刷をするなら、インクボトル方式のプリンター。とにかく文章を大量に印刷する人向け。

エプソンのおすすめプリンター

新型は仕様を見比べても機能的な向上は見受けられず、型番だけ差し替えたような状態。エプソンは元々サイズがコンパクトであり、デザイン面からエプソンを選ぶ人も多くいます。

エプソンプリンターの解像度は 5760dpi です。キヤノンの 4800dpi よりも性能が高く思えますが、実際のところはインクジェットプリンターの能力として、どちらもさほど変わりがないのが事実です。(目で見て判断できない。)つまり、解像度が低いからキヤノンの画質が悪いと判断するのは尚早です。

また、廃インクを溜めておくためのメンテナンスボックスが自身で交換できる仕組みも用意されています。(通常はメーカーによる交換。)これは、印刷時の余分な廃インクをボックスに出すことにより、長期間の使用により印刷用紙が汚れるような事態を避けられます。

このメンテナンスボックスは、廃インクで満たされたら交換が必須。価格は1,000円ほど。

このメンテナンスボックスにより、長期利用を想定して購入する人が増えました。その流れから、壊れるまでずっと使いたいと敢えて最新機種を選ぶ人も多いようです。

そして大量印刷向けのモデル。文書の印刷コストは Canon のほうが上回っています。

覚えておきたい注意事項

安い互換性インクの注意点

Canon や EPSON が販売している、いわゆる純正インクは値段が高いです。一方、それぞれのプリンター用に互換性インクなるものが安く売られています。

値段が安いのはそれなりの理由があり、その特徴を理解しておかないと後悔する買い物になります。

安い互換性インクの特徴

  • 値段が安い
  • カラー印刷の発色が弱く色が薄い
  • インク自体の品質が悪い
  • インク詰まりによる故障の原因になりやすい

印刷コストを抑えることが第一優先、印刷の品質は問わない、プリンターが壊れたらすぐに買い換える。それくらい運用方法が明確であれば、互換性インクも選択肢に入ります。安いインクは品質もそれ相応であると、理解しておくことが大切です。

安い印刷用紙の注意点

インクだけではありません。印刷する紙の品質が悪くても、仕上がりにも影響します。例えば A4 の普通紙の場合、安い用紙は にじみ が出やすく、印刷して乾いても用紙がインクで波打ったままになることもあります。

古紙の含有率が多い、再生紙の場合も同様です。レーザープリンターならインクの乗り方の性質上、安物の用紙でも問題ありません。しかしインクジェット式プリンターの場合は、にじみが目立ちやすいなど仕上がりの品質に大きく違いが出ます。

例えるなら、肌の状態が悪いと化粧ノリが悪いのと同じく、ベースの質が悪いとせっかく良いプリンターを買っても性能が活かせません。僕が主に使っている用紙はこちら。Amazon で一番レビュー数の多いコクヨのコピー用紙。値段も安くておすすめです。

安いプリンターじゃダメなの?

キヤノン・エプソン共に、プリンター本体の価格が抑えられたモデルも存在しています。

おすすめプリンターとして紹介した製品と比べると、販売価格はどちらも超格安です。ちょっと印刷する程度であれば、低価格なプリンターで十分です。ただし安いのはそれなりの理由があるため、把握した上で選ばないと後悔します。

PIXUS TR703 の注意点
  • うるさい
  • 消費電力が大きい
  • スキャナー機能なし
  • 簡易液晶パネルしかない

実は意外と必要なスキャナー機能。身分証の送付などでも役立ちます。印刷機能しかない機種は使い勝手が悪いので、選ぶなら複合機のほうをおすすめしたいです。

カラリオ EW-452A の注意点
  • 文書が得意でも発色はいまいち
  • 1枚あたりの印刷コストが高い
  • 印刷用紙が背面からしか入れられない
  • 写真印刷が遅い(L版で1分以上)
  • インクの消耗が早い

前述で紹介したプリンターよりも L 版の印刷で5~6倍の時間が掛かります。とにかく カラープリントが遅い です。写真を印刷するならエプソンと言いながらも、この機種でまとめて印刷すると相当な時間を要します。

どちらも値段相応ではあるものの、性能の物足りなさ、使い勝手の悪さがあるのは否めません。予算が無いから安い製品を選ぶのは仕方ないと思いますが、数年使うつもりであれば低価格帯のプリンターは避けたいところ。

ただし、モノクロの文章印刷がメインであれば、価格が安いプリンターでも十分に需要を満たしてくれます。あくまでカラー印刷用としておすすめできないだけなので、自分の使い方にあった製品を予算と相談して選んでください。

以上、Canon と EPSON の家庭用プリンターの違いと、おすすめプリンターの紹介でした。

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NJ

元システムエンジニア。ガジェットのレビューや、パソコン・スマホ操作のノウハウをブログで発信。現在は個人事業主として独立。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

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