Canon と EPSON 家庭用プリンターを買うならどっち?違いはあるのか?

更新日: 公開日:2016/05/06

家庭用のインクジェットプリンターと言えば、Canon と EPSON の2大勢力が強いですが、プリンターを購入するとき、どちらを買った方が良いのか悩んでしまいませんか?インク代を含めると決して安い買い物ではないので、きちんと目的に合ったプリンターを購入したいですよね。

今回は両社のプリンターの性能の違いについて触れていきます。

Canon と EPSON のプリンターの違いとは?

結論から先に言ってしまいましょう。

文書メインで印刷するなら Canon
写真メインで印刷するなら EPSON

これに尽きます。プリンターを買って何をしたいのか。目的が明確であれば、悩む必要はありません。では、それぞれのプリンターの特徴を説明していきます。

文書の印刷に強い Canon

なぜ Canon のプリンターは文書に強いのか?

一般的にインクジェットプリンタのインクは、染料インクが用いられています。しかしキヤノン純正の黒インクは、顔料インクとなっています。顔料インクを使うことで濃いブラックを表現でき、にじまず文字が鮮明に印刷される特徴があります。また、印刷物の耐久性においても染料インクよりも優れています

じゃあ全てのインクを顔料にしてしまえば良いのでは?と思ってしまいますが、そうでもありません。写真用の光沢紙に印刷するのであれば、顔料インクよりも染料インクの方が綺麗に発色されるのです。

顔料インクと染料インクは、用紙に対するインクのにじみ方に違いがあります。わかりやすく言うと、染料インクは用紙に対してじわっと染みこむ感じで、顔料インクは紙の上に乗っかるイメージです。そして染料インクのほうが、グラデーションなどの繊細な色表現に長けているため、写真用光沢紙との相性も抜群なのです。

普通紙で綺麗に印刷したいなら、レーザープリンターを選びたいところですが、自宅用だとどうしてもコスト高になってしまうデメリットがあります。

印刷だけでなくスキャナーも付いてコピーもできてレーザープリンターより低価格。それが家庭用プリンター最大の特徴ではないでしょうか。

文書印刷が強い Canon は、年賀状のような葉書印刷にも長けています。葉書は貰ってすぐに捨てるものでもないので、経年劣化が少ない方が望ましいですよね。ただ文書に強いからと言って、写真印刷に問題があるわけではありません。あくまでも、文書印刷においては Canon 製プリンターに優位性があると言うことです。

顔料インクのデメリットは、染料インクよりも目詰りを起こしやすい点です。何ヶ月も使わず放置する機会が増えると、ごく稀にインクの出が悪くなるので、定期的にクリーニングをしてあげなくてはいけません。(プリンタのメニューから実行できます。)

写真の印刷に強い EPSON

Canon と比べると、写真を印刷したときの発色が鮮やかなのが EPSON のプリンターの特徴です。純正のインクに優劣があるのではなく、プリンター内のソフトウェアの処理方法の違いと考えてください。同じ写真を印刷した場合、Canon の方が若干赤みがかった感じになります。

人によっては Canon の淡い色合いが好みの方もいらっしゃるでしょう。実際の印刷例は店頭にあるサンプルで比較してみてください。ただ店頭にあるサンプルは綺麗に印刷されているので、違いを把握するのは難しいかもしれません。

写真の印刷においては、カラーの発色が濃い EPSON の方が、個人的に好みです。色が鮮明であるメリットの裏返しで、インク消費量が多めなので、同時期に発売した機種を比較すると、カラー印刷においては EPSON の方が印刷コストが高くなってしまいます。

一方、文書などのモノクロ印刷においては、EPSON は黒の発色が弱く、真っ黒と言うより少しグレー掛かった黒になります。真っ黒で綺麗な印刷を求めるのであれば、顔料インク搭載の Canon を選択した方が良いでしょう。

家庭用で使うなら Canon と EPSON どっちが良いの?

結局のところは好み次第です。筐体の大きさを比較すると、EPSON の Colorio の方が小さいので場所を取りません。Canon の PIXUS もようやくサイズダウンをしたので、一昔前の機種と比べると置き場所の選択肢は増えた印象を受けます。

基本性能は変わらない

細かい機能面を比べても、両社のプリンターに大きな差異はありません。スマートフォンからダイレクトに印刷することもできるし、新機種は無線 LAN や NFC も搭載しています。無線で通信できるため、置き場所もパソコンの近くである必要性がなくなりました。

それでもあくまで家庭用プリンターなので、印刷の品質には限界があります。写真も文書も高品質な印刷を求めるなら、専門店の業務用プリンターにおまかせするしかありません。

必要な時にすぐ印刷できる。それが家庭用プリンター導入の最大のメリットではないでしょうか。

印刷コストはキヤノンが優勢

プリンターで最もお金がかかるもの、それはインク代です。本体の金額はどちらも似たり寄ったりですが、印刷までの過程を考慮すると、コストの違いが顕著に現れます。

それでは、インクの消費量の多いL判の光沢紙へ写真印刷した場合のコストで比較してみましょう。以下、それぞれ大容量インクを使用した場合の単価になります。

CanonTS8230(L版カラー)19.4円
TS8230(A4フルカラー)9.9円
EPSONEP-881(L版カラー)20.6円
EP-881(A4フルカラー)未発表

いかがでしょうか。わずか1円程度ですが、キヤノンのほうが費用が抑えられます。たった1円と言いつつも、エプソンを選ぶにはそれなりの理由がないと満足感は得られないと思います。単に色味が好きというのも理由の1つになりますが、そもそもどっちでも良いと考えているのであれば、この印刷コストも念頭に検討してください。

迷ったら Canon を選ぼう

用途が明確でないならば、Canon の方が使い勝手は良いと思います。黒の顔料インクとカラーの染料インクを状況によって使い分けてくれるので、何を印刷してもそれなりの品質に仕上げてくれます。

それでも単純に EPSON との優劣をつけるのは難しく、感覚的にどっちが好きかで判断を委ねてしまって良いです。

安い互換性インクの注意点

Canon や EPSON が販売している、いわゆる純正インクは値段が高いです。一方、それぞれのプリンター用に互換性インクなるものが安く売られています。

値段が安いのはそれなりの理由があり、その特徴を理解しておかないと後悔する買い物になってしまいます。

安い互換性インクの特徴

  • カラー印刷の発色が弱く色が薄い
  • インク自体の品質が悪い
  • インク詰まりによる故障の原因になりやすい

印刷コストを抑えることが第一優先、印刷の品質は問わない、プリンターが壊れたらすぐに買い換える。それくらい運用方法が明確であれば、互換性インクを選んでも良いでしょう。きちんと特徴を理解して使うことが、最も重要なポイントになります。

安い印刷用紙の注意点

プリンターの性能が良くても、印刷する紙の品質が悪いと仕上がりにも影響します。例えば A4 の普通紙の場合、安い用紙だと にじみ が生じたり、用紙が薄いため印刷後しばらく置いても用紙がインクで波打ったままになったりしてしまいます。

古紙の含有率が多い、再生紙の場合も同様です。レーザープリンターなら安物でも問題ありませんが、インクジェット式プリンターの場合は、仕上がりの品質に大きく違いが出ることを覚えておいてください。

例えるなら、肌の状態が悪いと化粧ノリが悪いのと同じく、ベースの質が悪いとせっかく良いプリンターを買っても性能が活かせません。

僕が主に使っているおすすめの用紙はこちらです。いろいろ使ってみて、コスト・品質の面でのバランスの良い製品だったので、リピート購入しています。

おすすめの家庭用プリンター【2019年】

最後に、それぞれのメーカーのおすすめプリンターを紹介します。頻繁に買い換えるものではないので、じっくり検討した上でお選びください。

キヤノンのおすすめプリンター

2016年モデルである TS8030 から、ようやくキヤノンのプリンターもコンパクトサイズに設計されるようになりました。久々にキヤノンのプリンターを見た人は、随分と小さくなったと感じるのではないでしょうか。

キヤノンもようやく小型化になったことで、無理して最新モデルを購入するメリットも無くなりました。そこで紹介するのが、一つ前である 2017年モデルの TS8130 です。

高画質で印刷することが可能なのはもちろん Bluetooth 接続により、スマートフォンから直接印刷することもできます。更に、印刷トレイだけでなく、背面から給紙できる機能が復活したので、かなり使い勝手が向上した印象を受けます。

これより価格帯として安いのが TS50 シリーズになりますが、コストを落とした分、印刷時間がやたら長くなってしまうデメリットがあります。また TS8130 を購入するなら 15,000 円程度で売られている場合に限ります。実売価格が2万円近くで推移している時は、最新機種である TS8230(2018年モデル)を購入した方が良いです。

これまでサイズの都合で、小さいエプソンを選ばざるを得なかった人にとっても、ようやくキヤノンも選べるようになったのは嬉しいポイントですね。

エプソンのおすすめプリンター

キヤノンと同様、エプソンの場合も大きな成長ポイントがないため、コストを考慮して最新機種ではなく 2017年モデルの EP-880AB のほうがお買い得です。エプソンは元々サイズがコンパクトであり、給紙方式が前面2段カセット+手差しトレイと豊富なので、デザイン面からエプソンを選ぶ人も多くいます。

エプソンプリンターの解像度は 5760dpi です。キヤノンの 4800dpi よりも性能が高く思えますが、実際のところはインクジェットプリンターの能力として、どちらもさほど変わりがないのが事実です。(目で見て判断できないほど。)つまり、解像度が低いからキヤノンの画質が悪いと判断するのは尚早です。

また、廃インクを溜めておくためのメンテナンスボックスが自身で交換できる仕組みも用意されています。(通常はメーカーによる交換。)これは、印刷時の余分な廃インクをボックスに出すことにより、長期間の使用により印刷用紙が汚れるような事態を避けることができます。

このメンテナンスボックスは廃インクで満たされてしまったら、交換が必要になります。交換用のボックスは1,000円ほどで購入できます。

なお、このメンテナンスボックスにより、長期利用を想定して購入する人が増えました。その流れから、壊れるまでずっと使いたいと、現行の最新機種を選ぶ方も多くいるようなので、2018年モデルの EP-881 のリンクも掲載しておきます。

安いプリンターじゃダメなの?

キヤノン・エプソン共に、プリンター本体の価格が抑えられたモデルも存在しています。

おすすめプリンターとして紹介した製品と比べると、販売価格はどちらも半額以下です。ちょっとしたものを印刷する程度であれば、こちらの低価格なプリンターでも十分です。ただし安いのはそれなりの理由があるため、その点をきちんと把握した上で選ばないと後悔するので気をつけてください。

PIXUS TS3130 の注意点
  • 4色インクなので発色が弱い
  • インクが独立型ではなく一体型
  • インクコストも高い傾向にある
  • 簡易液晶パネルしかない
  • 印刷に時間が掛かる

僕がこちらの製品を選ばない最大の理由は、インクが一体型であることです。つまり、印刷時に赤い写真ばかり印刷して、青や黄色のインクが残っていても、赤インクが無くなったことで、全色交換になってしまいます。プリンターは安いのに、インク交換のコストが高すぎます。

カラリオ PX-049A の注意点
  • 4色インクなので発色が弱い
  • 1枚あたりの印刷コストが3円高い
  • 印刷用紙が背面からしか入れられない
  • 写真印刷が遅い(L版で1分以上)
  • インクの消耗が早い
  • 液晶パネルが無い

キヤノンと異なりエプソンの PX-049A はインクが独立型なので、無くなった色ごとに交換することができます。ただ、前述で紹介したプリンターよりも L 版の印刷で5~6倍の時間が掛かります。とにかくカラープリントが遅いのです。写真を印刷するならエプソンと言いながらも、まとめて印刷すると相当な時間を要します。

どちらも値段相応ではあるものの、性能の物足りなさ、使い勝手の悪さがあるのは否めません。予算が無いから安い製品を選ぶのは仕方ないと思いますが、数年使うつもりであれば低価格帯のプリンターは避けたいところです。

ただし、モノクロの文章印刷がメインであれば、価格が安いプリンターでも十分に需要を満たしてくれます。あくまでカラー印刷用としておすすめできないだけなので、用途に応じたものを予算と相談して選んでください。

以上、Canon と EPSON の家庭用プリンターの違いと、おすすめプリンターの紹介でした。

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NJ

元システムエンジニアから、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。このブログでは、困ってたどり着いた人に、分かりやすく答えを提供できるように心掛けています。

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