iPhone 7・8・X の防水仕様が分からない人のために、規格上はどれくらい耐えられるのか分かり易く説明します

2016/09/11

2016年9月に発表された iPhone 7 / 7 Plus、そして 2017年9月に発表された iPhone 8 / 8 Plus / X において、防水機能が搭載されるようになりました。Apple のサイトに掲載された仕様によると次のように記載されています。

防沫(ぼうまつ)性能、耐水性能、防塵(ぼうじん)性能
IEC規格60529にもとづくIP67等級

IEC規格60529?IP67等級?で?

防水規格の仕様を見たところで、どこまで耐えられて、どこからが NG ラインなのか、これでは一体どれくらいの性能なのか全く分かりません。もう少し具体的に理解するために、IEC 規格 60529 について知っておくと良いでしょう。

IEC 規格とは?

IEC は International Electrotechnical Commission の略で、日本語訳で「国際電機標準会議」となります。電子工学や電気工学に関する国際標準の規格を策定する団体です。似たような組織には ISO が代表例として挙げられますが、中には IEC と ISO が共同で策定した規格も存在しています。

IEC 規格 60529 とは?

国際規格に基づく水や粉塵の保護等級を、IP 等級なる評価値で判断できるようにするための規格です。この IP コードは、規格に定められた測定や試験を行い、その結果に応じた値が付与されます。iPhone 7 の評価値 IP67 等級は、67 ではなく 6 と 7 の前後半に別れます。

[IP コード] IP(第一特性数字)(第ニ特性数字)

第一特性数字が固形物の侵入に関する値、そして第二特性数字が防水に関する値となります。つまり IP67 等級の iPhone では、防塵性能の評価が 6、防水性能の評価が 7 となります。

では、これらの数字が何を表すのか、それぞれの等級値が表す内容を見ていきましょう。

IP コード値の評価基準

第一特性数字(固形物の挿入)

固形物の侵入、危険部位への接近に対する保護等級
0保護なし
1
  • 直径 50mm 以上の固形物が挿入しない
  • 手の甲が危険な場所に接近しない
2
  • 直径 12.5mm 以上の固形物が挿入しない
  • 指または長さ 80mm を超えない細長いものが危険な場所に接近しない
3直径または厚さ 2.5mm 以上の固形物が内部に侵入しない
4直径または厚さ 1.0mm 以上の固形物が内部に侵入しない
5粉塵の内部侵入を防ぎ、若干であれば侵入しても正常に動く
6粉塵が内部に挿入しない

ホコリに対しては、完全な防塵対策が施されています。砂漠で砂ぼこりがやってこようが、黄砂に襲われようが耐えてくれます。海岸の砂浜で利用しても、砂が内部に入ることもありません。

第ニ特性数字(防水)

防水機能に関しては、説明だけでは分かりづらいところもあるので、具体的にどんなテストに対してパスしているのかも併せて記しておきます。

水の浸入に対する保護等級
0水の浸入に対する保護なし
1垂直に落ちる水滴に対し影響を及ぼさない
毎分 1mm の 流量で 10 分間の滴下に耐えられる
2正常な位置から15°以内の傾斜で、垂直に落ちる水滴に対し影響を及ぼさない
4箇所からそれぞれ毎分 3mm の流量で 2.5 分間ずつの滴下に耐えられる
3鉛直から60°以内の降水に対し影響を及ぼさない
鉛直方向から、両側60°までの角度での散水に 10 分間耐えられる
4いかなる方向からの水の飛沫に対し影響を及ぼさない
全方向からの散水の飛沫に 10 分間耐えられる
5いかなる方向からのノズルによる噴流水に対し影響を及ぼさない
内径 6.3mm の放水ノズルにて、毎分 12.5 リットルの水を 2.5 ~ 3m の位置から 3 分間以上散水しても耐えられる
6いかなる方向からの水の強い、ジェット噴流に対し影響を及ぼさない
内径 12.5mm の放水ノズルにて、毎分 100 リットルの水を 2.5 ~ 3m の位置から 3 分間以上散水しても耐えられる
7連続的に水中の中に入れても影響を及ぼさない
水深 1m に 30 分間沈んでも水が浸入しない
8潜水状態の使用において影響を及ぼさない
完全防水

防水性能を持った iPhone は水深 1m に 30 分沈んでも大丈夫。ゆえに、トイレやお風呂のような水を張った場所に落としても問題なく使えます。

iPhone 7 / 8 / X は完全防水?

一般的に第ニ特性数字は 1 ~ 4 が生活防水で、5 ~ 8 が完全防水と言われています。つまり規格上 iPhone 7 / 8 / X (Plus 含む) は完全防水の部類に入ります。しかし「完全防水」とは宣言していません。

冒頭の仕様説明にもある通り、防沫(ぼうまつ)性能、耐水性能について宣言しているにだけです。防沫性能は第二特性数字の 4 を指し、耐水性能は 6 を指します。これはつまり、水に沈めるのはダメだと伝えているのと同等なのです。

これは毎日使うスマートフォンならではの理由があります。Apple のサイトでは、次のような注意書きが掲載されています。

iPhone 7とiPhone 7 Plus(iPhone 8とiPhone 8 Plus、iPhone X)は防沫性能、耐水性能、防塵性能を備えており、実験室の管理された条件下でのテストにより、IEC規格60529にもとづくIP67等級に適合しています。防沫性能、耐水性能、防塵性能は永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する可能性があります。iPhoneが濡れている場合は充電しないでください。クリーニングと乾燥の方法についてはユーザガイドをご覧ください。液体による損傷は保証の対象になりません。

肝心なのは「永続的に維持されるものではなく、通常の使用によって耐性が低下する」です。購入時は IP67 等級に値する性能ですが、内部の部品が経年劣化するため、使い続ければ使い続けるほど、耐水性能が落ちます。

形あるものは全て、いつまでも新品の状態を維持することはできません。購入してすぐであれば、水中に 30 分沈めても大丈夫かもしれませんが、1年2年と使い続けるうちに、沈みっぱなしの状態に耐えられなくなるのです。水に沈んでも大丈夫だからと冗談で水に浸けて後悔しないようにしてください。

一番最後には「液体による損傷は保証の対象になりません」と、水に浸かって壊れても保証しないことを宣言しています。

性能は劣化はするものの iPhone 7 /8 / X の防水性能が完全になくなる訳ではありません。ただ、限度があることを予め把握して、無理な使い方をしないよう心掛けましょう。

以上、iPhone の防水性能に関する話でした。

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気力・体力勝負なシステム業界のエンジニアを経て、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。目指すところへの道のりは険しいですが、自分が自分らしくあるために、一歩ずつ進んでいきます!

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