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車に乗るなら ETC マイレージサービスを使ってお得にポイント還元しよう

更新日: 公開日:2016/01/23

普段車に乗る機会がある人は ETC を利用することもあるかと思いますが、ETC のマイレージサービスの存在をご存知でしょうか。その名の通り、ETC の利用に応じてポイントが蓄積され、支払いに利用できるようになるものです。

ただでさえ ETC の利用割引が 2014年7月1日に改定され、最大半額になった割引率も 30% に縮小されました。少しでもお得に ETC を利用するのであれば ETC マイレージへの登録は必須になります。これは個人・法人問わず無料で登録し利用できるものなので、最大限割引サービスを受けるのであれば登録しないと損をしてしまいます。

また地方部に適用される平日朝夕割引を受けるには、ETC マイレージの登録が必須になるので、これを機に登録していない人は登録手続きを行ってしまいましょう。

ETC マイレージサービスとは

一般的なマイルサービスと同様に、登録した ETC カードでの通行料金に応じてポイントが貯まり、還元額へ交換するとそれ位以降の通行料金の支払いに利用できると言うものです。ポイント交換した時点より、自動的に ETC 支払いで利用されるようになります。登録料・年間費は無料で、法人・個人に関わりなく登録することができます。

新会社でも作れる法人ETCカード

ETC マイレージサービスの登録方法

申し込みはインターネット、または郵送にて行なえます。なお郵送の場合は専用用紙で送らなくてはいけません。高速道路の料金所事務室、サービスエリアやパーキングで申込書を配布しています。わざわざ用紙を取りに行くのは面倒なので、インターネットから登録してしまった方が早いです。

登録するには事前に「車載器管理番号」を調べておく必要があります。つまり ETC を入れる機械の番号です。「ETC車載器セットアップ申込書・証明書(お客様保存用)」で確認するか、車載器本体を直接確認すれば記載があります。機器によっては画面に表示したり音声で通知してくれるものもあります。

ポイント付与の割合
2016.1.22 現在

ポイントは ETC を利用した翌月20日に付与されます。ただ全ての高速道路に対して一律ポイントが付与されるのではなく、道路事業者毎に付与されるといった、何とも中途半端な制限があるので注意が必要です。

ポイントは最大 10% 還元されます。そしてそのポイントを使うには「還元額」と呼ばれる料金の支払いに利用できるものへ交換する必要があります。ポイント交換による還元額の付与率は、最大 1ポイント = 1円 となります。

道路事業者ポイント付与率
NEXCO 東日本/中日本/西日本
宮城県道路公社
10 円につき 1 point
本州四国連絡高速道路株式会社10 円につき 1 point
阪神高速道路株式会社

※8号京都線に限る
100円につき 3 points + 加算ポイント
名古屋高速道路公社100円につき 1 point + 加算ポイント
愛知県道路公社100円につき 1 point + 加算ポイント
神戸市道路公社50円につき 3 points + 加算ポイント
広島高速道路公社100円につき 1 point + 加算ポイント
福岡北九州高速道路公社100円につき 1 point + 加算ポイント

東京圏にある首都高はポイント対象外です。また阪神高速も8号京都線に限られています。ポイント交換した還元額で利用した分はポイント対象外となります。また一度カードを登録してしまえば、登録時に入力した車両と異なる車で利用してもポイントが付与されます。

道路事業者別加算ポイント付与の割合
2016.1.22 現在

加算ポイントとはいわゆるボーナスポイントです。利用額に応じて更に追加でポイントが付与される仕組みになっています。

阪神高速道路株式会社の加算ポイント

月間利用額加算ポイント
1円 ~ 10,000円0 point
10,001円 ~ 35,000円100円につき 3 points
35,000円 ~ 70,000円100円につき 5 points
70,001円 ~100円につき 10 points

ただし阪神高速においては加算ポイントの計算式が特殊です。オマケ程度のポイントだと思ってください。


加算ポイント = 阪神高速道路全体の利用額に応じた加算ポイント × ( 8号京都線月間利用額 / 阪神高速全体の月間利用額 )

愛知県道路公社の加算ポイント

月間利用額加算ポイント
1円 ~ 5,000円0 point
5,001円 ~ 10,000円100円につき 4 points
10,001円 ~ 20,000円100円につき 8 points
20,001円 ~ 30,000円100円につき 12 points
30,001円 ~100円につき 18 points

名古屋高速道路公社の加算ポイント

月間利用額加算ポイント
1円 ~ 5,000円0 point
5,001円 ~ 10,000円100円につき 4 points
10,001円 ~ 20,000円100円につき 8 points
20,001円 ~ 30,000円100円につき 12 points
30,001円 ~100円につき 19 points

福岡北九州高速道路公社の加算ポイント

名古屋高速と同じ割合。福岡高速と北九州高速の月間利用額は別々に加算ポイント計算が行われ、その合算値になります。

広島高速道路公社の加算ポイント

名古屋高速と同じ割合。

神戸市道路公社

阪神高速と同じ割合。ただし、阪神高速のような特殊な計算は行いません。

ポイントの有効期限

有効期限はポイントが付いた年度の翌年度末です。つまり図で表すと次の通り。最短は一年ほど、最長でも二年になります。

etc-frequent-flyer-program-service03

ポイントの交換方法

ポイント交換方法は主に2つ。ETC マイレージのサイトにログインして直接還元額に設定する方法と、ある一定ポイントに達すると自動的に還元額へ交換してくれる方法があります。

基本的には自動還元設定にしておけば良いのですが、自動交換対象ポイントに達しない状態でポイント期限が迫っている場合には、手動で交換を行わないとポイントが失効してしまいます。

このサイトを見ている方は、基本的にインターネットで手続きを行える環境がある方だと思いますので上記のような記載をしていますが、電話により各種手続きが行えることを予めお伝えしておきます。

ポイントの自動交換単位

自動設定にしておくと、各道路事業者毎に次の単位で還元額への交換が行われます。なお自動交換におけるポイントの交換単位を変更することはできません。

道路事業者自動交換単位還元額
NEXCO 東日本/中日本/西日本
宮城県道路公社
5,000 points5,000円
本州四国連絡高速道路株式会社5,000 points5,000円
阪神高速道路株式会社1,000 points1,000円
名古屋高速道路公社1,000 points1,000円
愛知県道路公社1,000 points1,000円
神戸市道路公社1,000 points500円
広島高速道路公社1,000 points1,000円
福岡北九州高速道路公社1,000 points1,000円

NEXCO と本四高速は自動交換までのポイントが大きいですが、それには理由があります。両事業者の返還率が一度に変換するポイント数によって異なり、1,000 ポイントまでは「2 points = 1円」となり、5,000 ポイントになると「1 point = 1円」となります。

つまりポイント自動交換は、最も効率良くポイントが還元額へ変換される単位に達した時点で行われるというわけです。サイト上で交換した場合の各事業者における還元率は次の通りです。

サイト上の申請によるポイント交換単位

道路事業者自動交換単位還元額
NEXCO 東日本/中日本/西日本1,000 points500円
3,000 points2,500円
5,000 points5,000円
本州四国連絡高速道路株式会社1,000 points500円
3,000 points2,500円
5,000 points5,000円
阪神高速道路株式会社100 points100円
名古屋高速道路公社100 points100円
愛知県道路公社100 points100円
神戸市道路公社200 points100円
広島高速道路公社100 points100円
福岡北九州高速道路公社100 points100円

上記以外の単位で交換、つまり 90ポイント分を交換すると言ったことは出来ません。NEXCO の場合ポイント付与率は高いですが、1,000ポイント未満の端数は交換不可となります。

ポイント還元額はどのように使われるのか?

例えば NEXCO のポイントを 5,000円分交換したとします。するとそれ以降、NEXCO 利用時に発生した料金から自動的に差し引かれます。新東名を利用して料金が 2,000円掛かった場合、その5,000円から補填され還元額の残高は3,000円となります。還元額により支払いが完了するため、ETC での請求金額は0円となります。

なお、どの支払いに対しポイント還元額を適用するか、自分自身で任意に決めることはできません。そしてポイント還元額が無くなった段階で、それを超える支払金額が生じるとクレジットカードへの請求が行われるようになります。

ポイントの交換はすぐに反映されるのか?

ポイント交換は即日反映されます。今すぐ交換して、すぐに ETC で支払いをしても還元額からの精算が行われます。

ポイント還元額も道路事業者毎にしか使えないのか?

還元額の使用については、ポイント付与時と異なり全国共通となります。またポイントは付きませんが、還元額を利用できる自動車専用道路もありますので、そちらについては次の一覧をご覧ください。

ポイントが付与される・還元額が使える道路
2016.1.22 現在

ポイント付与対象/還元額利用可能な道路

以下、前述の利用額に応じたポイントが付与され、ポイント還元額が利用可能な道路の一覧です。

NEXCO 東日本/中日本/西日本

対象道路
高速国道全線
一般有料道路

北海道・東北地方

深川留萌自動車道、日高自動車道、百石道路 、 秋田自動車道(琴丘能代道路/琴丘森岳~能代南)、秋田自動車道(秋田外環状道路/秋田北~昭和男鹿半島)、湯沢横手道路、米沢南陽道路、仙台北部道路、仙台東部道路、仙台南部道路、三陸自動車道(仙塩道路)

関東・甲信越地方

東水戸道路、圏央道 、京葉道路、千葉東金道路、東京湾横断・木更津東金道路(東京湾アクアライン連絡道、東京湾アクアライン)、富津館山道路、第三京浜道路、横浜新道、横浜横須賀道路、小田原厚木道路、新湘南バイパス、西湘バイパス、東富士五湖道路、安房峠道路

東海地方

伊勢湾岸自動車道(伊勢湾岸道路/東海~飛島)、東海環状自動車道

関西地方

京都縦貫自動車道(丹波~大山崎)、京滋バイパス、京奈和自動車道(京奈道路)、第二京阪道路、南阪奈道路、関西国際空港連絡橋(*注)、湯浅御坊道路、第二神明道路

中国・四国地方

広島岩国道路、山陰自動車道(江津道路、安来道路)、高松自動車道(高松東道路/高松東~津田東)、今治小松自動車道(今治小松道路)、広島呉道路

九州・沖縄地方

椎田道路、西九州自動車道(武雄佐世保道路、佐世保道路)、長崎バイパス、宇佐別府道路、日出バイパス、延岡南道路、隼人道路、南九州自動車道(八代日奈久道路、鹿児島道路)

その他の道路事業者

道路事業者対象道路
阪神高速道路株式会社8号京都線のみ
本州四国連絡高速道路株式会社全線
宮城県道路公社三陸自動車道(仙台松島道路)
名古屋高速道路公社全線
愛知県道路公社知多半島道路、南知多道路、セントレアライン(知多横断道路、中部国際空港連絡道路)、猿投グリーンロード
神戸市道路公社六甲有料道路、六甲北有料道路、山麓バイパス
広島高速道路公社広島高速道路
福岡北九州高速道路公社福岡高速道路、北九州高速道路

ポイント付与対象外/還元額利用可能な道路

一方、ポイント付与されませんが、還元額を支払いに利用できる道路の一覧が次になります。

道路事業者対象道路
阪神高速道路株式会社全線(ただし、8号京都線を除く)
茨城県道路公社日立有料道路、常陸那珂有料道路<ひたちなか本線料金所>
栃木県道路公社日光宇都宮道路
千葉県道路公社銚子連絡道路
愛知県道路公社名古屋瀬戸道路
富山県道路公社能越自動車道[小矢部東本線料金所]
京都府道路公社京都縦貫自動車道(綾部宮津道路、丹波綾部道路)
大阪府道路公社南阪奈有料道路、堺泉北有料道路、箕面グリーンロード
大阪府道路公社
奈良県道路公社
第二阪奈有料道路
兵庫県道路公社播但連絡道路、遠阪トンネル
広島高速道路公社海田大橋(広島県から受託)
福岡県道路公社福岡前原道路
北九州市道路公社若戸大橋及び若戸トンネル(戸畑本線料金所で北九州高速道路の料金と併せて支払する車線に限る)
長崎県道路公社ながさき出島道路(長崎料金所の西日本高速道路株式会社の高速国道料金と併せて支払いする車線に限る)、川平有料道路

道路のリストを見せられても……と思ってしまうところもありますので、ETC マイレージのサイトに掲載されている対象道路の地図をご覧いただければ、より分かりやすいと思います。

長期未使用の ETC カードは登録取り消しに

ETC マイレージに登録した後、ETC 最終使用から2年間ポイントや還元額に増減が無かった場合「ご登録取消し予定のお知らせ」の連絡が届きます。その後お知らせ発行日から更に90日間、ポイントや還元額に増減が無い場合、マイレージ登録が取消されてしまいます。

登録が取り消されてしまうと、保有していたポイントや還元額は利用することができなくなります。(ETC そのものが利用できなくなるわけでなく、ポイントサービスが受けられなくなるということです。)

登録取り消し予定のお知らせが届いたら

せっかく獲得したポイントや交換した還元額が無くならないようにするために、お知らせが届いた方は次のようにポイントや還元額が増減するための対応を行う必要があります。

  • 還元額が残っている方は、還元額が利用できる道路を利用する
  • ポイントが残っている方は、ポイント交換手続きを行う
  • 還元額がなく交換できるポイント残高もない方は、ポイント付与対象の道路を利用する

登録が取り消されてしまったカードは、また最初から登録をし直さなくてはいけません。

ETC マイレージに登録して損することはない

以上、ETC マイレージに関する説明でした。登録における手続きは必要になりますが、登録料・年間費無料な上、獲得したポイントも自動的に交換する仕組みも用意されているので、日常的に車で移動する頻度が多い人に限らず、年に一回でも ETC を利用する機会がある方は登録しておくことをおすすめします。

ETC カードを作った時点から自動的に還元してくれるようにしてくれれば良いのですが、取り扱うクレジットカード会社も異なり、会社毎のポイントサービスも別途存在するので、このように能動的に登録を行う仕組みでしか提供ができなかったのでしょう。

登録して得するサービスと言うよりは、登録しないと損するサービスと言っても過言ではありません。まだ未登録の方は、今すぐにでも登録手続きを行ってしまいましょう。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニア。ガジェットのレビューや、パソコン・スマホ操作のノウハウをブログで発信。現在は個人事業主として独立。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

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