痔瘻の手術をするために人生初の入院生活を送った話

2016/02/02

生まれてこのかた三十数年、大きな怪我や病気もなく健康体そのものだったのですが、生まれて初めての入院を体験しました。病名は「痔瘻」です。簡単に言うと痔の一種です。

肛門の手術ってとんでもなく恥ずかしいじゃん!って思いますよね。自分が学生の立場だったらおそらく隠していたかもしれません。でも、大人になるとどうも恥じらいが無くなるのか、痔主だったことも手術をしたことも、ことある毎に包み隠さず話す自分が居るのです。

時としてそれはおもしろ体験談として酒のつまみになり、仲間内では懐かしい思い出として語り継がれています。面白半分で話していながらも、もしかするとその中に痔の症状で悩んでいる人がいるかもしれないと思って、将来痔になったら痔のプロとしていつでも相談にのるよ!と言っています。

痔の症状がある人はたくさんいる?

厚生労働省の調べによると思ったより症状を訴えている人が多いのが分かります。

年次性別千人あたりの割合
2013年
(平成25年)
男性9.1 人
女性6.5 人
2010年
(平成22年)
男性8.6 人
女性6.3 人
2007年
(平成19年)
男性10.7 人
女性7.8 人

こちらの統計結果は、母数には入院者は含まれていますが、有訴者には入院者が含まれていません。つまりシークレット痔主の人数がこれだけ居ると言うことです。

座れないほどの痛みから始まる

手術をすることになる数年前から若干あやしい症状はありました。何となく膿のようなものが出ている気がしていたのですが、そのうち治るだろうと高をくくって放置していました。しかし一向に良くならず、年々悪化する一方。時が解決すると自分自身を誤魔化しながら過ごしていましたが、ある日突然爆発したのです。

「肛門と尾てい骨の間が、いつまでも痛い…」

捻挫のようなズキズキした痛みに襲われ、日増しに酷くなり椅子に座るのも困難な状態になりました。これでは仕事も出来ません。ここに来て遅まきながらようやく僕の中で何かが吹っ切れ、数年の時を経て肛門科を受診することにしました。

肛門周囲膿瘍と診断

初めての肛門科。緊張しつつも痛みと格闘。いざ診察室に入ると、ドクターは容赦なく肛門へ指を突っ込み患部を確認。彼の指はモーセの十戎のアロンの杖か。本当にケツが割れるのではないかと思う程の激しい激痛が襲ってくる。

痛みの原因は膿がたまって神経を圧迫したことによるものでした。ドクターは続けて治療に入ります。表面麻酔を施して、注射針のようなものを刺します。これがまた気絶してしまうくらい、とんでもなく痛いのです。まさかこんな思いをすると考えていなかったので完全な不意打ちでした。

しかし患部から膿を出してしまうと、何事も無かったかのように尾てい骨からの痛みは消えたのです。これで安心して生活に戻れると安心したのもつかの間、医者から告げられた言葉は僕の病を示すものでした。

「膿が溜まってるだけじゃなく、しこりが出来ちゃってます。痔瘻が進行しているから、治すには手術しか方法がありません。」

排膿したところで結局放置しておいても、いずれ同じ状態に戻ってしまう。しかも更に症状が悪化する可能性も秘めている。さすがにこれは手術するしかないと覚悟を決めざるを得ませんでした。

2週間の休みをもらい痔瘻の手術のため入院

タイミングよく仕事のきりが良かったこともあり、僕は上司に正直に伝え2週間ほど休みをもらうことになりました。

初めての大腸内視鏡検査

入院前に検査があり、そこで初めて大腸内視鏡検査を行いました。事前に下剤を飲み腸内を完全に空っぽにするのですが、2リットルもの下剤を飲むため、かなり辛かったのを覚えています。一時間ほど時間を掛けて全てを出し切った段階で、検査がスタートします。

腸内を探るカメラは時折腸の内側にぶつかるため、軽く痛みはありましたが耐えられないほどではありません。15分くらい掛けて大腸の全貌を検査します。結果は異常なしでした。腸内における病気の不安は全くありませんでしたが、それでも異常が無いと分かると安心します。

入院、そして手術へ向けた準備

入院は手術前日のお昼でした。僕が入院した病院は自宅からは若干距離がありましたが、専門病院として周りの人からも勧められた所沢肛門病院です。

最終的な患部の確認が行われ、翌日の手術はトップバッターとして実施することが告げられました。入院するとすぐに手術へ向けた準備となります。体内を空っぽにするために下剤を飲み、さらに浣腸までされる徹底ぶり。その後夕食が出てくるのですが全て汁物です。

痛みのない痔瘻根治手術

手術当日は8:00から点滴を受け、8:30から手術スタートです。手術後丸2日間はお風呂に入れないため、事前に体を洗い最後の準備をします。点滴を挿したまま手術室へ移動し、丸裸になって施術されます。

肩に一発筋肉注射、そして腰部に腰椎麻酔。人一倍、針を刺されるのが苦手なので、早くも意気消沈です。これまた体験したことが無い痛みでしたがすぐに麻酔が効いてきたようで、腰の周りが温かくなってきたと思ったらもう感覚は殆どありません。

正真正銘の痔主でした

肛門周りを剃毛され、さあ手術開始と思いきや執刀医から一言。

「これ、イボも出来ちゃってるね。結構ひどいから一緒に取っちゃいましょうか。」

イボ痔?!

痔瘻だけじゃない。僕はどうやらイボ痔保有者だったようです。ここまできてイボ痔を取らない選択肢はないですよね。しかも結構ひどいって。。。話の流れでこのまま取り除いてもらうことにしました。

部分麻酔なので完全に意識はある状態です。肛門の周りを電気メスで焼いているような音や臭いがありましたが、痛みは全くありません。皮膚を軽くつままれているような、その程度の感覚です。麻酔のせいでボーッとしていたので記憶も曖昧ですが、終始痛むことが無く40分で無事手術が終わりました。

手術の手法は切開開放術でした。痔瘻のトンネル自体を切り開いてしまう方法で、再発率が最も低いと言われています。

手術後のは激痛の嵐

手術後、水分摂取は4時間後、トイレは8時間後に解禁となります。腰椎麻酔の影響で4時間ほどは横になったままです。とは言え4時間が過ぎても起き上がれるような状況ではないのです。麻酔が切れると同時に手術した部位がジリジリと痛みを増してくるのです。

ほとんど効果がなかった痛み止め

手術から2日間はベッドの上で唸りながら痛みと格闘する生活でした。最強の鎮痛剤であるボルタレンを服用しても一向に静まる気配がなく、気を紛らわせるためにスマホをいじっても全く集中できず見ているが辛くなるほど。イボ痔だけならこんなに痛くならないらしいですが、痔瘻でかつ少々複雑なものであったため、そう簡単に痛みとサヨナラすることはできないようなのです。

とにかく耐えに耐えた激動の2日間でした。術後2日目の夕方にようやくお風呂が解禁され、患部を温められる機会が増えたことにより少しずつ良くなってきましたが、それでも痛みを我慢して耐えられるようになるまでは相当な時間を費やしました。

地獄の排便

問題があるのは出口だけで、胃や腸は元気なので術後は普通の食事が出てきます。ゆえに定期的に排便があります。何もしていなくても痛いのに、それに輪をかけるように排便時は痛みが増します。もう少し状態が良くなるまで便秘にでもなってくれないものか願ってみても、これまでの生活リズムと同じタイミングで日に数回の便意を催します。

食べる

数時間後、便意を催す

トイレに行く

激痛

我慢したくても我慢できない。ちょっとずつ出そうと試みても痛みはさほど軽減されず。手術した箇所をダイレクトに通過するので仕方のないことですが、痔瘻の手術後にここまで辛い思いをするとは想像もしていませんでした。

お風呂に入れる時間帯であれば、排便後そのまま湯船に浸かるようにしていました。お湯で温めることで痛みが和らぐため、痛みの持続時間を抑えることができるのです。徐々に良くなっていくのですが、2週間くらいは鎮痛剤が必要になるほど痛みを我慢する期間が続くのです。

入院期間は8泊9日、費用は20万円

痔瘻の手術後は毎日点滴と診察が行われ、生活のリズムが大きく変わることはありません。手術の度合いにより入院期間は異なりますが、僕の場合はその病院内でも期間が長い方で8泊9日の入院生活でした。患部以外は至って元気なので、同じ病棟にいる元痔主の仲間とも仲良くなったりしました。

入院の個室差額は保険適用外

仕事の都合もあり、僕はできるだけ早く入院する道を選んだので病室は個室となりました。(大部屋は数ヶ月待ち)当然費用は跳ね上がります。大部屋へ入院した場合、保険を適用して総額9万円を切る程度の費用となります。高額医療制度を利用して一部返金されるので、実質の支払額はもっと安いです。一方個室利用差額は保険適用外となるので、最終的な費用は倍の20万円となりました。

プラスアルファの10万円分はかなり高額ではありますが、部屋に風呂トイレ完備、見舞客の受け入れもある程度融通が利くので初めての手術ながら快適に過ごすことができました。使えるお金に余裕があるうちの入院で良かったと思っています。

退院、そして仕事復帰

仕事復帰は手術から15日後

退院してから一週間掛からない程度で仕事に復帰しました。痛みはまだ残っていますが、ドーナツクッションに座っていれば丸一日デスクワークをしていても平気なくらいまで回復しています。基本的に椅子に座りっぱなしの仕事なので、出社初日は乗りきれるか不安がありましたが、どうにか一日を終えられました。

術後は半年間の通院

通院は術後一ヶ月間は毎週通っていましたが、それ以降は月一になりました。結局、それから半年くらい通院して終了です。食事制限はありませんでしたが、アルコール類は3ヶ月近く禁じられていました。日常的に飲酒しないので困ることはありませんでしたが、それでも解禁宣言された時は嬉しかったですね。

手術から2年半、状況は良好

痔は生活環境によっていくらでも再発する可能性があります。同じ病院に入院した人の中には、2度、3度と繰り返している人もいました。また、医者に止められたのに退院後にお酒を飲んで、すぐにカムバックしてしまった人も居ると聞きました。

何度でもかかる病気、それが痔

このことを忘れてはいけません。痔になるきっかけは長時間のデスクワーク、ストレス、不摂生な生活環境と、誰しもが起こり得るリスクを持っています。下痢が続く生活も良くないとされています。運が悪いとそれが痔瘻になり、イボ痔や切れ痔よりも手術が大変なものになります。僕自身も日々の生活に注意を払っていますが、それでも痔にならないと自信を持って言えるものではありません。

迷っているなら即病院へ

幸い手術から順調に回復し、完治して元通りに戻ったのではないかと感じています。痔は特殊な病気ではありません。また放置したところで治る病気でもありません。少しでも不安があったら早めに病院へ行って症状を確認してください。

軽いものであれば入院せずに済むこともあるので、僕のように痛みに苦しむ日々を迎えることなく治せるかもしれません。痔瘻の手術を経験した僕が最も伝えたい事は「迷ったらまず病院!」です。痔のプロフェッショナルに患部を見てもらえば答えはすぐに出ます。みなさん、どうか手遅れにならないうちに行動に出てください!

痔はなかなか人に相談しづらい病かもしれません。ネット上には数多くの入院体験談がつづられています。初めての経験で不安が多いかもしれません。それでもスタートは全て病院へ行くことから始まります。

まずは勇気を出して一歩進めてみてください。自分自身で抱えていては何も解決しません。あなたが行動を起こせば時が解決してくれます。

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気力・体力勝負なシステム業界のエンジニアを経て、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。目指すところへの道のりは険しいですが、自分が自分らしくあるために、一歩ずつ進んでいきます。

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