【レビュー】Bluetooth がない音響機器を無線化する CHOETECH Bluetooth 送受信アダプター
スマートフォンの音声を無線でスピーカーに飛ばしたいけど、スピーカー側が Bluetooth に対応していない! MP3 プレーヤーが Bluetooth に対応していないから、音声をカーナビに飛ばせない!そんな悩みを解消してくれるアイテムの登場です。
この Bluetooth アダプターを利用すれば、イヤホンジャックや L/R のピンケーブルが付いた、あらゆるオーディオ機器が Bluetooth 接続できるようになります。しかも、スピーカー側に付ければ受信機として、音楽を発する側の機器に付ければ送信機として、1台2役の機能を持った優れものです。
ここで紹介している製品は、既に販売が終了してます。類似の人気商品のリンクを掲載しておきますので、Bluetooth 送受信アダプターがどのようなものなのかといった観点で記事をご覧いただければと思います。
今回 CHOETECH 社によりサンプル提供をいただき、使用感などレビューさせていただきます。
CHOETECH Bluetooth 送受信機の概要
製品内容
- Bluetooth 送受信機本体
- 充電用 microUSB ケーブル (1m)
- 3.5mm to 3.5mm オーディオケーブル (15cm)
- RCA to 3.5mm オーディオケーブル (80cm)
- 説明書
3.5mm のオーディオケーブルは、イヤホンジャックに差し込めるミニプラグのことです。また RCA 端子とは、ピンケーブルと呼ばれるもので、スピーカーに付いているような L と R が分かれているものです。本体と接続するために必要なケーブルは、全て付属しています。しかも用途を考慮したケーブル長になっているのが嬉しい限りです。
説明書は残念ながら日本語ではなく、全て英語で記されています。思いのほか機能が多いので、日本語版の説明書が欲しかったのが正直なところです。基本機能の操作方法については、以下で説明するのでそちらを参照ください。
製品仕様
- Bluetooth バージョン: 4.1
- Bluetooth プロファイル: HFP, HSP, A2DP, AVRCP
- 転送可能距離: 10m
- バッテリー容量: 150mAh
- 連続駆動時間: 最大10時間
- 重さ: 14g(本体のみ)
Bluetooth 4.1 は 4.0 と比べてデータ転送量が増え、省エネ設計になっているのが特徴です。また、ペアリング後に切断されても、自動的に再接続されるのが 4.1 の利点でもあります。この製品が持つ機能をまとめると次の通りです。
CHOETECH Bluetooth 送受信機で何ができるのか?
- スピーカーにつないで音声受信できる
- イヤホンにつないで音声発信できる
- 本体のリモコンでボリュームや曲送りの操作ができる
- 電話の着信を受けたりマイクを通して通話できる
送信機モードと受信機モードが切り替えられるので、イヤホン側にもスピーカー側にも接続することができます。そして一般的な Bluetooth イヤホンのように、リモコン機能や通話機能まで兼ね備えています。
この製品は、単純に音響機器に対して無線化を実現するだけでなく、モバイル端末に特化した機能を持っている特徴があります。
CHOETECH Bluetooth 送受信機の操作方法
使用前には本体を充電する必要があります。本体に micro USB 端子が付いているので、ケーブルを接続して充電します。(USB アダプターは付属していません。)充電中は赤い LED が点灯し、充電が完了すると消灯します。
送信・受信モードの切り替え
本体上部に TX / RX の切り替えスイッチがあります。用途に応じてモードを変更しなくてはいけません。
- TX: トランスミット(送信)モード
- RX: レシーブ(受信)モード
音楽を受信するイヤホンやスピーカー側に接続する場合はレシーブモード、音楽を発信する機器(スマホや MP3プレイヤー等)へ接続する場合はトランスミットモードに設定します。切替は電源を切った状態で行います。
設定が終わったら、本体の中央にあるボタンを長押しすることで、電源が入ります。なお、送信モードはインジケータが緑に光り、受信モードでは青く光ります。最初は迷いがちですが、慣れてしまえば色で判断できるようになります。
Bluetooth とのペアリング
電源を入れたら本体上部にあるペアリングスイッチを長押しします。ここではスピーカー(もしくはイヤホン)に同製品を接続し、スマートフォンから音声を飛ばす例で説明します。
ペアリングスイッチを押す前に、スマートフォン側の Bluetooth を ON にしておく必要があります。ペアリングが開始されると、スマートフォン側に接続機器として BH-002 が表示されるので、そちらをタップして接続します。
接続パスキーは「0000」となります。機器によっては入力しなくても自動的にペアリングが行われます。
着信時の通話の品質は?
レシーブモードにしている場合、スマートフォンからの着信があると電子音が鳴ります。本体の電源ボタンを押すことで、電話を取ったり切断することができます。本体にマイクが付いているので、そちらを介して通話することができます。
音質は可もなく不可もなく、電話するのに困らない程度です。少し距離が離れてしまうと相手へ伝わる音量が小さくなってしまうので、マイク感度はいまいちです。おまけ程度についている便利機能だと考えておきましょう。
ボリューム調整&曲送り・曲戻しができる
本体の電源ボタン、および右脇にある [+] [-] のスイッチがリモコンとして機能します。
- 電源ボタン: 曲の再生/一時停止
- [+] ボタン: 押下で曲送り、長押しで音量アップ
- [-] ボタン: 押下で曲戻し、長押しで音量ダウン
このボリューム操作キー、ちょっと使いづらいのが難点です。ボタンそのものが [+] と [-] なので、通常の押下でボリュームが変更されると思いきや、長押ししないと変わらない仕様になっています。ここは一般的な Bluetooth イヤホンの操作と同じ仕組みにして欲しかったところです。
Bluetooth 接続時の音質や遅延・音飛びの有無
無線機器である以上、どうしても遅延はつきものです。しかし、そこまで遅延している感覚はありません。通話時のラグを感じることもなく、快適に通話できます。
音質についても、特に劣化した印象は受けませんでした。接続するイヤホンやスピーカーの能力がそのまま活かされるので、音楽を聴く上では特に心配することはありません。
音飛びについては皆無とは言い切れませんが、一般的な Bluetooth 接続において生じるものなので、許容範囲内には収まっています。つまり、気になるような耳障りな音飛びは無いということです。
総評
それでは、実際に同製品を使ってみた感想を端的にまとめます。
良い点・便利な点
- 送信・受信のどちらでも Bluetooth 化できる
- リモコン機能が付いている
- 電話の通話が可能
- 本体が軽く持ち運びに楽
- 長時間利用できる
Bluetooth のない古い MP3 プレイヤーであっても、同製品を使えば Bluetooth スピーカーに音声を飛ばすことができるようになります。イヤホン端子しか付いていないカーナビに接続すれば、Bluetooth で音声を飛ばせるようになります。
単に無線化するだけでなく、プラスアルファの機能が付いているが嬉しいですね。本体は 14g と軽いので、カバンの中に入れても全く気になりません。ミニプラグ用ケーブルは 15cm と短いので、接続時に邪魔になることもありません。
悪い点・改良点
- プラスチック製なので全体的に安っぽい
- ボリューム操作しづらく反応が悪い
- LED インジケータが眩しい
ボタンはカチカチと押している感覚があるので、プラスチックでも問題ありませんが、 RX / TX スイッチはヌルヌルした感じで、安っぽさが出てしまっているのが残念です。
またボリューム操作のしづらさは前述の通りですが、若干反応が鈍いのが気になります。遅延と表現するのも間違っていて、ボタン長押しでボリューム操作しているせいで、1ステップずつボリュームを変えるのが少々難しくなっています。
LED は充電の赤、受信モードの緑、送信モードの青と色が変わるのは良いのですが、LED の光は直線的に届くため、眩しすぎる弱点があります。何かしら光を和らげるひと工夫が欲しかったですね。
最大の利点は送受信ができること
一般的な Bluetooth 端子は、受信機能しか持っていないことが多いのですが、CHOETECH の製品は送信機能も持っているのが大きな特徴です。送受信どちらにも対応しているので、接続機器を問わないのが最大の利点です。
無線機能がない音響機器であっても、それが音楽を発信する側であろうが、受信する側であろうが、関係なくBluetooth 化したい要望に答えてくれます。
Bluetooth 送受信機としては少々値段が張りますが、コンパクトなサイズならがも機能が充実しています。単に音声や楽曲を無線で飛ばす以外の役割を持っている分、使い勝手の幅が大きく広がるアイテムではないかと思います。
冒頭の説明の通り、同製品は販売が終了しています。代わりに Amazon’s Choice として推薦されている製品のリンクを掲載しておきます。
以上、CHOETECH Bluetooth 送受信アダプターの紹介でした。