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【レビュー】Jayfi JEB-101 カナル型イヤホンは価格に見合わないポテンシャルの持ち主

更新日: 公開日:2017/01/10

Jaify 社からの提供によるイヤホン JEB-101 のレビューです。

以前、同社のカナル型イヤホンのレビューをさせていただきました。今回紹介するイヤホンは JA40 の基本性能が継承された進化版とも言える製品です。実売価格も400円ほど上がっていますが、価格以上に製品としての機能は向上しています。

JEB-101 は、カナル型イヤホンとして価格とのバランスが良い、ミドルクラスのイヤホンです。では早速、製品の構成から見ていきましょう。

Jayfi JEB-101 はどのようなイヤホンか?

まずは製品構成です。丈夫な箱に梱包されており、かなりしっかりした作りのポーチが付属しているのが、同社のイヤホン製品の特徴です。

製品構成

  • JEB-101 本体(サイズ中のイヤーピース付)
  • イヤーピース小・大
  • 低反発ウレタンイヤーピース(ケース付)
  • クリップ
  • 取扱説明書
  • イヤホンケース

一般的なカナル型イヤホンと同様に、3種類の大きさのイヤーピースが付属しています。またそれとは別に、ウレタン製のイヤーピースも1セット付いています。いわゆる低反発素材であるため、耳栓のように耳の穴の形や大きさにとらわれず、確実に耳にフィットさせることができます。

また潰れ防止のために、専用のプラスチックケースに格納されています。通常のイヤーピースでは、歩きながらイヤホンをしていると足音と振動がダイレクトに伝わってしまいますが、低反発イヤーピースは振動を吸収する利点を持っているので、日常の用途に合わてイヤーピースを選択できるのは嬉しい点です。

そして僕が最も気に入っている、この特徴ある 3.5mm イヤホンジャック。ストレートでもなくL字でもない、斜めの形状をしています。鞄やポケットから取り出す際に、ほどよく指が引っ掛かるのが便利です。デザイン的には中途半端ですが、利便性の代償なので仕方ありません。

JA40 ではケーブルの細くハードな使用における断線のリスクがありましたが、JEB-101 のケーブルはしっかりとした太さになっています。また、右側のイヤホンケーブルにはマイク付きリモコンが装備されているので、曲の再生停止を操作する以外にも、電話を鞄に入れたまま電話に出て通話することも可能です。

なかなか同じメーカーのイヤホンを比較する機会はないので、ここは1つ、JA40 と比べてみることにしましょう。400円の値段の差がどこまで違いを生んでいるのが、よく分かるかと思います。

JEB-101 と JA40 を比較する

まずはケーブルの太さとジャックを見比べてみましょう。画像では伝わりにくいですが、明らかに JEB-101 のほうが太くなっています。持ち運びを考えると、ケーブルは太いに越したことはありません。特に鞄へそのまま投げ入れるケースが多い方は、ケーブル強度を意識した製品選びをすると良いでしょう。

続いてハウジングです。どちらもアルミの削りだしとなっています。華奢な JA40 と比べると全体的に大きくなっているのが分かります。イヤホン部分のケーブルの太さも一目瞭然です。個人的にはシンプルな形状をした JEB-101 の方がデザイン面では好きです。

単にハウジングが大きくなっただけではありません。最初に JA40 を手にした印象が「ハウジングの軽いイヤホン」でしたが、JEB-101 は逆に「ハウジングが重い」と感じました。金属のかたまりを耳に挿しているような、そんなイメージです。

実際に重量を調べると JA40 の 3g に対し JEB-101 は 6g もあります。

しかし重さが気になることはありません。むしろ、これくらいハウジングに詰まっていることが、音質につながる要因にもなっているため、プラスとなる点が増えたと考えることにします。

外観については JA40 で気になっていたことが JEB-101 で解消されているのがプラス評価できます。しかし、ケーブルが太くなった一方で気を付けなければいけない点があります。

クリップをケーブルに付ける際は要注意

付属のクリップは予めイヤホンケーブルに付いているわけでなく、自分でケーブルの好みの位置に挟んで、動かせるようになっています。

JEB-101 に同梱しているクリップは、Jayfi の他のイヤホン製品にも同じものが付属しているのですが、JEB-101 でケーブルが太くなっても、クリップを通す穴のサイズは変わっていません。そのため、クリップを装着するのに困難を要します。

ケーブルの太さに対して、クリップホルダーを通す部位が狭すぎるため、無理に挟もうとすると、ご覧のようにケーブルを傷つけてしまいます。

慎重にやっても、ケーブルを傷付ける可能性が高いので、注意したください。更にクリップを付けたところで、クリップ自体の位置を移動させる際にケーブルに引っ掛かるため、基本的に位置固定での利用になります。

僕はケーブルの絡まり防止にクリップを多様するので、JEB-101 のクリップについては残念としか言いようがありません。

ノイズキャンセリング機能は無い

製品説明を読むと「カナル型ノイズキャンセリングデザイン」と記されています。しかしこのイヤホンはノイズキャンセリングイヤホンではありません。あくまでカナル型イヤホンであるがゆえの、外部からの雑音を遮断できるに過ぎず、逆位相によって雑音を消す機能は付いていません。

非常に紛らわしい表現ですが、ノイズキャンセリング機能が付いているイヤホンであれば、外界の音をキャッチするマイクと、音をかき消す逆位相の音波を出す処理機能が付いています。中には CVC ( Clear Voice Capture) 6.0 の性能を持った製品がノイズキャンセリングをうたっている場合もあります。これは音声がクリアになる意味でのノイズ軽減技法なので、意味合いが全く異なります。

特に海外製の製品がこのような表現をしているケースが多いので、外部からの音をかき消す意味でのノイズキャンセルイヤホンを探す場合は注意が必要です。

JEB-101 の音質はいかに?

それでは肝心の音質について触れていきましょう。その前に、Jaify の製品の説明書には冒頭に必ずエイジングに関する説明書きがあります。簡単に言うとイヤホンの振動膜の慣らし運転です。

購入直後の状態は振動膜が硬い状態なので、慣らし運転をすることで音質がまろやかになる効果を得られます。つまり、時間が経てば音質が少し変わってくるということです。これは同社の製品に限らず、イヤホンやヘッドホン全般に言えることなので、是非覚えておくとよいでしょう。

今回のレビューは説明書に書いてある通り、50時間のエージングを経てレビューを行っていることを、事前にお伝えしておきます。

相対的に低音のパンチが強い

Jayfi の音響機器は基本的に低音を売りにしています。確かに低音部は強めです。ただ再生機器によっては、バスドラのような低音部のドラムが耳障りになることがあります。中域から高音域の音抜けの物足りなさは、ミドルクラスのイヤホンとしては仕方ないことなのですが、低音域ばかり主張されてしまうのは人によって評価が二分すると思われます。

低音の強さはこもった感じではなく、ツンツンした抜け感があります。厚みがあるわけではないので、その部分が僕の耳には違和感として聞こえていたのかもしれません。

音源の低音域のパンチを抑えて高音域を持ち上げるようにすれば、イヤホンとの相性も抜群になります。例えば、イコライザーで次のような設定を行って、バランスの良い音質に調整できました。調整値は次のような感じです。

輪郭を出すために低音と高音部を持ち上げ、中域を落としています。そして 64Hz 帯域を下げてパンチのある低音を抑えるようにしました。各音域ごとに操作できない場合は、高音域を少し持ち上げてあげることで、音質は良くなると思います。

JA40 よりは音の輪郭が主張できている

JA40 では低音に押されて中高域の伸びが悪く、少しこもったような印象を受けましたが、JEB-101 では少し改善が見られます。前述の通りイコライザーを使えば自分の好み通りに調節できますが、音の輪郭については、製品機器のポテンシャルに拠るところが大きいため、この部分の改善は評価できます。

それでも物足りなさが残ってしまうのは否めません。ただ3,000円台で購入できるイヤホンとしては、この辺りが限界なのかもしれません。

なお、少し高音域の音に深みが足りず、曲によっては高域が安っぽく聞こえてしまうことがあります。ただそれも、静かな環境で音楽を集中して聴いていると気になる程度であり、通勤や通学のような日常使いにおいては気にする程ではありません。

Jayfi JEB-101 は総合的に評価できるイヤホン

イヤホンも言わば消耗品です。持ち歩く頻度が多ければ多いほど、耐久性に優れているほうが望ましいです。JEB-101 はコードも太くなり、誤って引っ掛けたところで簡単には断線しないと思われます。ただ、ハウジング部分が重いため、無理に引っ張るのは極力避けたほうが良さそうです。

音質に関しては改善を求める点もありますが、中級ランクのイヤホンとしては十分な実力を持ち合わせています。以前紹介した JA40 も値段とのバランスは評価できましたが、JEB-101 はそれ以上の価値はあります。たかが400円の差ではありますが、どちらか選ぶのであれば迷いなく JEB-101 をおすすめします。

最高の音質を求めるのであれば、数万円するハイエンドのモデルでないと満たされません。5,000円以下のミドルクラスでは表現しきれない質感があり、それは、どのメーカーのイヤホンであっても同じことが言えます。JEB-101 辺りのレベルであれば一般的に4,000円~5,000円程の価格になるため、3,000円台半ばで手に入るのはお買い得といえます。

Jaify の製品は僕のように提供を受けレビューを掲載している人が多くいます。僕と違った視点でレビューしている方もいますので、ぜひ参考にしてみてください。

以上、Jaify JEB-101 カナル型イヤホンのレビューでした。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニア。ガジェットのレビューや、パソコン・スマホ操作のノウハウをブログで発信。現在は個人事業主として独立。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

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