印刷ジョブの一覧から消えるのに印刷できないプリンターの問題を解決した話
職場環境における業務用ネットワークプリンターにおいて、ドライバーや設定の不備により印刷できないトラブルはよくある話。
しかし僕が今回遭遇したトラブルは、単なる印刷エラーではなく特殊なトラブルだった。今後、同じトラブルが起こっても対処できるよう、記録としてここに残しておく。
発生した事象
- SHARP のネットワークプリンターで発生
- 前日まで印刷できていた
- 同じ端末を複数人で利用する
- 印刷するとプリンターは動く
- しかし印刷処理は実行されない
- ドライバーなどの設定は問題ない
- 他の端末からは正常に印刷できる
ポイントは、前日に印刷できていた点と、同じ端末を複数人が扱う点だ。更に全員同じアカウントで利用するため、ユーザーごとに設定を持っているわけではない。
原因は、誰かが何かしら設定を変えてしまったのが濃厚と思われる。
印刷ができない状況
単に印刷できないエラーが発生したのとは動きが違う。Windows 上ではエラーではなく、正常終了のような振る舞いをしていた。
もう少し具体的に状況をまとめると次の通り。
- 印刷実行で印刷ジョブのキュー(印刷リスト)に入る
- Windows 上では印刷処理が行われたことになりリストから消える
- プリンターが反応して動く
- 給紙トレイは動かない
- そのままプリンターの動きが止まる
- Windows 上では印刷完了の扱いになる
- プリンター上では印刷ジョブがない
プリンターは動くのに、印字処理だけ無視されるイメージ。ここからネットワーク等の通信は、問題なく動いていると推測できる。
しかし印刷されないのに、エラーが発生した形跡はない。
印刷できなかった原因
解決まで時間が掛かったものの、ふたを開けてみれば単純な理由だった。該当の端末によるカラー印刷が禁止されていて、カラーで印刷すると拒否されるようになっていた。
つまりエラーが発生した端末の印刷設定が、通常はグレースケールで設定していたにも関わらず、何かしらのタイミングでカラー印刷が選択された。それ以降はカラー印刷がデフォルトになり、印刷ができなくなってしまった流れだ。
解決方法
印刷設定でグレースケールによる印刷をデフォルトに変更すれば、対応完了。これで印刷ができるようになった。
解決までに時間を要した理由
誰かが気付けば簡単に解決した問題と言ってしまえば、確かにその通りだ。しかし運用上、グレースケールで印刷するのが当たり前の状況で、カラー印刷できないのに印刷設定が変更された状況に気づくのは難しいと思われる。
パソコンへのドライバー初期設定時にモノクロ設定をして以降、誰も印刷設定をいじらないことが前提になっていたため、運用担当者も気付かなかったのだろう。
一方、トラブルシューティングで対応する側は、通常運用を把握していなかった。そしてカラー印刷はプリンター設定の初期値であり、カラー設定されていることに違和感を持たず、いつもグレースケールを使っていた状況を推測するまでに至らなかった。
いろいろな状況が重なって時間が掛かってしまったけれど、そもそもカラー印刷できない時点で印刷エラーで返してくれれば済む話だと思っている。これは業務用プリンターの仕様が悪い。
思うところはあるにせよ、問題が解決してくれて一安心だ。