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マンションで 1Gbps の高速回線が使えない理由

更新日: 公開日:2018/06/14
マンションで1Gbpsが使えない

ギガビットイーサネットと呼ばれる、最大 1Gbps もの回線速度を持つインターネット環境。

世の中には、たくさんのインターネットサービスがあります。むしろ数が多すぎて、どれを選んだら良いのか迷ってしまうほど。せっかくなら、速いと評判の 1Gbps の光回線を導入したいと考える人も多くいるでしょう。

しかし、いざ自宅のマンションに導入しようと思っていても、マンションが対応していないため諦めざるを得ないケースがあるのも事実です。

1Gbps の回線が使えない理由

端的に伝えると、ギガビットイーサネットはマンションの各部屋まで光回線が通っていないと利用できません。

1Gbps光回線が使える環境

電話線やテレビアンテナは各住戸に引かれていますが、光ファイバーの回線が引かれているマンションは少ないのが現実です。

通常は、マンションを建てる際に回線を通します。後付けで通せないこともないのですが、莫大な費用が掛かってしまうので、一般的には高速インターネット回線を諦めるしかありません。

マンションで光回線を使うことはできないのか

使えるか使えないかと問われたら、答えは「使える」です。ただし部屋まで光回線が通っていない環境なので、既に引かれているインフラ網で補う仕組みになります。

そこで利用するのが、テレビのアンテナ線や電話線です。

テレビアンテナを使って光回線を使う

テレビのアンテナ線を使ったインターネット環境CATV等

マンションの共有部分まで回線を引いて、あとはアンテナ線を介してネット接続する方法です。J:COM 等、ケーブルテレビの会社が採用している方法です。

住戸まで引かれたアンテナ線(接続端子が丸いやつ)に、同軸ケーブルを使ってモデムを接続します。そうすると、そこから LAN ケーブルを通してインターネットができるようになります。もし Wi-Fi を使いたいのであれば、モデムにルーター(別売り)を接続すれば簡単に利用できるようになります。

回線速度はベストエフォート型で 300Mbps を超えるサービスがあるものの、CATV のサービスは集合住宅だと利用者が多いため、思ったような速度が出ないデメリットがあります。

例えば日本全国で展開しているケーブルテレビ最大手の J:COM に至っても、ご覧のような速度になります。同じ建物内で利用している家庭数にも依存するため、一概にこのスピードしか出ないと言い切れませんが、期待するほど高速ではないのが現実です。

j:COM ネット回線速度テスト結果

なお、アップロード速度が圧倒的に遅いのも、この同軸ケーブルを利用したインターネットサービスの特徴でもあります。特に J:COM は最大で 10Mbps しかないため、動画ファイルのような大きなファイルを送るには、相当な時間が掛かってしまいます。

ただインターネットで動画を閲覧していて、速度が遅くて困ったようなことはありませんでした。裏を返せば 30Mbps 出ていれば、通常の利用においては十分な速度であるとも言えます。

アンテナ線を使ったサービス例

電話線を使って光回線を使う VDSL 方式

仕組みはアンテナ線を利用する場合と同じです。

マンションの共有部分まで光回線を引いて、電話線によりインターネットが接続できるようになります。VDSL 方式 と呼ばれているのが、この接続方法になります。

回線速度は最大で 100Mbps と、こちらも速度的には 1Gbps には到底及びません。ただ、利用者が少なければ確実にベストエフォートに近い数字が出ます。

U-NEXT光01 ネット回線速度テスト結果

僕がテストした環境は CATV 利用者が圧倒的に多く、VDSL 方式のネット回線利用者が少ないマンションだったので、このような結果になりました。これだけの速度が出れば、4K 動画の閲覧も快適に行えます。

ただ、マンションまで引いている光回線は、1本あたり 最大 32 戸での共有となるため、利用者が多くなれば速度低下が懸念されます。ただこれは VDSL 方式の話だけではなく、一般的な光回線においても同様のことが言えます。

アンテナ線を使ったサービス例

古いマンションでも導入可能だが回線工事が必要

上記で紹介したアンテナ線を利用する方法、ならびに電話線を利用する方法は、マンション自体がそのサービスと提携していないと使えません。つまり、マンションに光回線を引き込む工事が必要になります。

ただ、共有スペースまでの工事でインターネット回線を通すことが可能であるため、光回線が各住戸に引かれていない古いマンションであっても導入できるメリットがあります。

分譲マンションであれば、管理組合のようなところを通さないと工事は難しいでしょう。賃貸であっても、大家さんが工事費用を負担することになるため、そこは交渉次第になると思います。

そのあたりの交渉は、導入するサービスを提供する会社が行ってくれるケースが多いです。

工事が不要で利用できるインターネットサービス

マンション自体にインターネット回線が無い、無料のネット回線があるのに遅くて使い物にならない。でも、マンションに新しくネット回線を引く交渉をするのも面倒だと思っている方は、無線のインターネット回線を導入する方法もあります。

マンション自体の工事も不要であり、電源を入れればインターネットに簡単につながります。回線速度はそこまで速くありませんが、インターネットで調べ物をしたり動画を見る分には十分な能力があります。

ホームルーター SoftBank Air

ベストエフォートで下りの最大速度が 261Mbps もあります。環境にも依りますが、都心部においては平均して 30Mbps ほどの速度が出ます。前述の J:COM の回線速度と同じような感じですね。

ホームルーターの良い点は、無線なのにスマートフォンのような データ容量制限がない のが最大の特徴です。LAN ケーブルを接続することも、Wi-Fi 接続することも出来ます。持ち運べないデメリットはありますが、自宅用回線として簡単に導入できるのが魅力です。

ホームルーターの特徴
  • インターネットの回線工事が不要
  • 電源に接続すればネットが使える
  • LAN ケーブルが接続できる
  • Wi-Fi が使える
  • データ容量の制限がない
  • 導入までの敷居がとても低い
  • 速度は光回線ほど速くはない

自宅だけでなく外出先でも Wi-Fi を利用することを想定するなら、モバイルルーターの選択も一考してみてください。

WiMAX の各社サービス

UQ WiMAX

代表的なモバイルルーターのサービスが WiMAX です。ホームルーターのサイズを小さくして、充電式で持ち運べるようになったものと考えてください。回線速度も似たような感じです。

通常は Wi-Fi での無線接続になります。専用の機械がないと、LAN ケーブルを挿して利用することはできませんが、パソコンに USB 接続してもインターネット回線が利用できる特徴があります。

ただし、この WiMAX の最大のデメリットは、データ使用量過多による速度制限 があります。具体的には直近3日間で 10GB を超える通信をしてしまうと、翌日の18時から深夜2時まで 1Mbps の速度制限が掛かってしまいます。

それでもスマートフォンの速度制限である 128kbps と比べると約8倍の速度があるので、画質を下げれば YouTube 動画は閲覧できます。

ちなみにホームルーターと同様に、月間データ利用量の制限はありません。

モバイルルーターの特徴
  • インターネットの回線工事が不要
  • 電源を入れればネットが使える
  • 持ち運びが出来る
  • 基本的には Wi-Fi 接続
  • USB 接続でインターネットにつながる
  • 直近3日で 10GB 使うと翌日速度制限が掛かる
  • 導入までの敷居がとても低い
  • 速度は光回線ほど速くはない

WiMAX には多くのサービスが存在します。どれも同じ回線を利用しているので、ネット回線のサービスレベルに違いはありません。ただ各社、顧客を得るために提供しているキャッシュバックキャンペーンが頻繁に更新されるため、契約のタイミングによって実質料金が変わってしまいます。

この実質料金は、月額料金の安さだけでは判断できません。最終的にどれだけの金額を支払う必要があるのか、消費者として判断が委ねられます。

まとめ

マンションで 1Gbps の高速回線が利用できるのは、ごく限られた建物になります。ネット環境の利用目的が、ネットサーフィンや動画視聴、ゲームのような一般的な使い方であれば、ここまで速い回線は必要ありません。

仮に 1Gbps が使えたとしても、実際はその速度を有効活用できるような場面は少ないのが現実です。

目安として 30Mbps の速度で安定していれば、快適なインターネット生活が送れます。そのため速度上限が 100Mbps であっても、余程のことが無い限り、速度の遅さにイライラすることはありません。

なお同じマンション内で、同じインターネット回線を利用する人が多すぎて、回線速度が遅いと困っているのであれば、ホームルーターやモバイル Wi-Fi の利用を検討してみてください。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニア。ガジェットのレビューや、パソコン・スマホ操作のノウハウをブログで発信。現在は個人事業主として独立。Web サイト運営、ポップデザインや動画制作など、パソコンでモノづくりをしている。

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