用途別おすすめマイクロSDカード【コスパ重視/利用実績あり】容量と転送速度の選び方のポイント
性能を意識せずマイクロ SD カードをに値段だけで選ぶのはおすすめしません。理由は次の通り。
microSD カードを値段だけで選んではいけない理由
- 利用する機器の性能を最大限に活かせなくなる
- 容量不足になって買い直さないといけなくなる
- 品質が悪いとデータが消えるリスクがある
つまり安い製品を選ぶと、自分にとって必要な性能を満たしていない SD カードを買ってしまう可能性があるということ。
だからと言って、値段が高ければ良いわけでもなく。性能過多であれば無駄遣いした買い物になる上、場合によっては SD カードリーダーも適したものを買わなくてはいけなくなる場合があります。
必要な性能を決めて値段や口コミで判断するのがベスト
microSD カードの選び方のポイントは、利用目的の製品に対してどのくらいの性能が必要であるかをきちんと把握しておくことが大切です。
例えばスマートフォン用や、タブレット用、カメラ用、ゲーム用など、目的が異なれば求められる性能も変わってきます。性能が決まって、そこでようやく値段を確認したり口コミの情報を細かくチェックして、購入対象の製品を決めましょう。
- 紹介する microSD カード【3選】
- microSD カードの性能とは?
- 性能差は書き込み速度に現れる
- microSD カードの種類
- 性能を決めるスピードクラス
- スピードクラスの規格
- UHS スピードクラスの規格
- ビデオスピードクラスの規格
- スピードクラスとビデオフォーマットの対応関係
- 性能の最大値を定めたバスインターフェーススピード
- 【目的別】必要な機能・性能
- Android スマートフォン・タブレットで利用する場合
- GoProやドローン等のビデオカメラで利用する場合
- ミラーレス一眼・デジカメで利用する場合
- ドライブレコーダーで利用する場合
- Nintendo Switch で利用する場合
- おすすめ microSD カード
- Samsung microSDXC カード EVO Plus
- Nextorage microSDXCカード
- Samsung高耐久 microSDHCカード
- 並行輸入品などの海外製品の購入にはご注意を
- 並行輸入品は国内サポートが受けられない
紹介する microSD カード【3選】
このページでどのような microSD カードを紹介するのか、先に製品をご覧ください。このあと選び方のコツと、用途別のおすすめ製品、ならびに製品ごとの詳しい仕様を紹介していきます。
最大転送速度100MB/秒
保証期間5年
最大転送速度100MB/秒
保証期間5年
録画耐久性70,080時間(8年間)
microSD カードの性能とは?
microSD カードによって能力差が出るポイントが「転送速度」です。つまりデータ書き込み速度とデータ読み込み速度の数値が、microSD カードの性能になります。
性能差は書き込み速度に現れる
値段により多少の差はあるものの、読み込み速度に関してはそれなりの性能を持ったものが多いため、余程安いものを選ばない限り用途に合わないようなことはありません。一方で、書き込み速度は microSD カードによって差が出るポイントになります。
つまり、書き込み速度を意識した製品選びをすれば良いのです。では microSD カードを性能の観点から選べるように、どのような規格があるのか仕様の面から確認していきましょう。
microSD カードの種類
microSD カードの表面にはロゴが記載されています。これは SD カードの規格を表すものです。購入時には特に意識しなくて大丈夫です。
規格 | ロゴ | 特徴 |
---|---|---|
SD | 最大容量 2GB まで。ファイルシステムは FAT12 or FAT16 に対応。 | |
SDHC | 最大容量 32GB まで。ファイルシステムは FAT32 に対応。 | |
SDXC | 最大容量 2TB まで。ファイルシステムは exFAT に対応。 |
要するに SD カードの容量に関する規格だと考えてください。
性能を決めるスピードクラス
重要なのはここからです。SD カードの性能を表す規格がスピードクラスです。この規格では最低保証レート、つまり転送速度がどれだけ出るのか保証するものを定義しています。これらのロゴもマイクロ SD カード上に記載されています。
それぞれのクラスが併記されていることもあれば、単独で記されている場合もあります。規格は古くからあるスピードクラス、そして UHS スピードクラスと続き、ビデオスピードクラスが最も新しい規格になります。名前の通り、動画撮影において、性能値として参考になるクラスです。ビデオスピードクラスは比較的新しい規格であるため、まだ記されていない SD カードが多く存在します。
なおこれらのクラスが併記されている場合は、新しいほうの規格で判断すれば OK です。
(古)スピードクラス ➡ UHS スピードクラス ➡ ビデオスピードクラス(新)
スピードクラスの規格
クラス | ロゴ | 最低保証レート |
---|---|---|
Class 2 | 2MB/秒 | |
Class 4 | 4MB/秒 | |
Class 6 | 6MB/秒 | |
Class 10 | 10MB/秒 |
最上位の Class 10 であっても保証レートが 10MB/秒 しかありません。この数値は、フルハイビジョンの動画がギリギリ撮影できるかどうかのラインです。もはや古い規格なので、選ぶ上での基準としては使えません。つまり Class 10 が当たり前ということ。
UHS スピードクラスの規格
クラス | ロゴ | 最低保証レート |
---|---|---|
クラス 1 | 10 MB/秒 | |
クラス 3 | 30 MB/秒 |
UHS スピードクラスでは、更に上位の最低保障レート 30MB/秒 が定義された規格が用意されています。4K や 8K などの高解像度な動画を撮影しない限り、UHS スピードクラス 3 があれば、何でも対応できる性能があると考えて OK です。
この規格はわずか2段階しかなく、少々分かりづらいところがあります。それらを一気に解消してくれるのが、最新の規格であるビデオスピードクラスです。
ビデオスピードクラスの規格
UHS スピードクラスを細分化して、よりわかりやすく転送速度の動作保証を定義したのがビデオスピードクラスです。数値がそのまま転送速度を表しているため、とても分かりやすいのが特徴。
クラス | 最低保証レート |
---|---|
6 MB/秒 | |
10 MB/秒 | |
30 MB/秒 | |
60 MB/秒 | |
90 MB/秒 |
昨今は動画撮影するユーザーが増えているため、このビデオスピードクラスに応じて、どのようなフォーマットで撮影ができるのかきちんと示されています。
現在の主流は 4K 動画が撮影できる V30 です。30 MB/秒あれば、撮影中に処理しきれずエラーで停止するような心配もありません。
スピードクラスとビデオフォーマットの対応関係
上位の書き込み速度を意識する必要があるのは、主に動画撮影時です。撮影したい動画の画質によって、選択すべきスピードクラスが決定します。
それぞれのビデオフォーマットに対応するスピードクラスに幅があるのは、使用する機種によってビットレート(1秒あたりのデータ量)が異なるためです。例えば、スマートフォンで 4K 撮影できる機種があってもノイズが出てしまい、本格的な 4K ビデオカメラには画質が劣ります。高画質であれば同じ 4K でもビットレートが大きくなります。
つまり機種によってはフルハイビジョンの動画を撮るために 30MB/秒 必要だったり、4MB/秒 でもどうにか撮影できたりすることがあるのです。利用する機種の性能を最大限に活かすためには、きちんと適した SD カードを利用するのが重要です。
性能の最大値を定めたバスインターフェーススピード
スピードクラスでは、最低保障レートが定義されていました。その一方で最高書き込み速度を定義したのがバスインターフェースです。ただしここで定義されるのはあくまで理論上の話。いくら利用する機器の性能が良くても、microSD カードがフルパワーの能力を発揮できないことが大半です。参考値として捉えておきましょう。
ローマ数字で定義されたバスインターフェースは、スピードクラスと同様に microSD カード上に記されています。
バスインターフェース単独で記載されることはなく、必ず最低保証レートが記されたスピードクラスとセットになっています。
バスインターフェース | ロゴ | 最大転送速度 |
---|---|---|
定義なし | – | 25 MB/秒 |
UHS-Ⅰ | 104 MB/秒 | |
UHS-Ⅱ | 312 MB/秒 | |
UHS-Ⅲ | 624 MB/秒 |
UHS-Ⅲ の 624 MB/秒は、一般用途においては余剰すぎる性能です。ではなぜ、こここまで高速にデータ処理する必要があるのか?
その理由の1つが、圧倒的なデータ量を要する VR の登場です。そして動画撮影においても、最上位機種においては 8K 撮影に耐えうる性能が求められているので、どこまで高速に処理できるのかを明示するために、バスインターフェースが定義されています。
UHS-II や UHS-III の SD カードは、ハイエンドのミラーレス一眼や高画質 4K ビデオ撮影に特化した用途で使われています。
ではこの規格を踏まえて、用途に応じたおすすめの microSD カードを紹介していきます。
【目的別】必要な機能・性能
まずは用途に応じて、どの性能を持った microSD カードを購入するか検討してみましょう。
Android スマートフォン・タブレットで利用する場合
- UHS スピードクラス 1 or 3
- UHS-Ⅰ 以上
- 容量は 128GB 以上がおすすめ
モバイル機器はカメラ性能にも限界があるため、4K 撮影に対応していても高速処理できる性能は不要です。それでも一部のアプリデータが microSD カードに保存されるので、データ転送速度は速いほうが望ましいです。
また microSD カードで最も容量を使うのが、写真や動画のデータです。頻繁に写真を撮影する人であれば 128GB は欲しいところ。それに加えて動画撮影もするなら、256GB も検討の余地ありです。
GoProやドローン等のビデオカメラで利用する場合
- UHS スピードクラス 3
- ビデオスピードクラス V30 以上
- UHS-Ⅰ 以上
- 容量は 128GB 以上
- 防水性能があると良い
64GB の容量だと 4K 撮影で約1~2時間。ビットレートが高ければ30分程度しか撮れません。一昔前は安定性重視で 64GB を複数枚使うユーザーが多い印象でしたが、今は少なくて 128GB から。長時間撮影が前提であれば 512GB を選ぶケースも見受けられます。
機器のビットレートによって、時間あたりの保存容量が変わります。それでも価格が抑えられてきたことから、総じて 128GB もしくは 256GB あたりを複数枚用意するのが標準領域になりつつあります。なおウェアラブルカメラでの利用においては、万が一に備えて防水性能もチェックしておくのが大事です。(大半の製品は防水性能を持っています。)
ミラーレス一眼・デジカメで利用する場合
- UHS スピードクラス 1 or 3
- UHS-Ⅰ 以上
- 容量は 64GB ~ 128GB 複数枚がおすすめ
- 防水性能があると良い
デジカメは microSD ではなく、普通サイズの SD カードが使える仕様です。そしてプロ向けのハイグレード機種になると、超高速連写撮影に耐えられる記録媒体が必要になるため、カメラ自体がコンパクトフラッシュや CFExpress カードといった別の記録メディアに対応しています。
ただ趣味で写真撮影をするユーザーであれば、そこまで超高性能な記録メディアは必要ありません。またノートパソコンによっては、SDカードリーダーがついていても、フルサイズではなくマイクロSDカードのみ対応しているケースも多々あります。
僕が外出先で撮影したデータをすぐにノートパソコンへ取り込めるように、SONY α7iv を使っていてもマイクロSDカードを使っています。マイクロSDカードのリーダーがついたノートパソコンなので、荷物が最小限になるのがポイント。撮影時はアダプターを使うことで性能が落ちることもありません。
撮影環境のことよりも、その後のデータ取り込み環境に合わせてマイクロSDカードを使っていると、色々便利ですよ!って話です。なお僕自身、趣味のカメラ撮影で出掛けるときは、128GB のマイクロ SD カード3枚体制で挑みます。
これはあくまでライトユーザーの話。プロは高級モデルを使っていますので。
ドライブレコーダーで利用する場合
- UHS スピードクラス 1
- UHS-Ⅰ
- 容量は 32GB 以上
- 書き込み頻度の耐久性が高いもの
ドライブレコーダーは高画質撮影が目的ではなく、それほど高い性能は求められません。その代わりに常にデータを書き込む機器であるため、機能面で耐久性の高さが求められます。書き込み速度は 20MB/秒 が目安。
容量がなくなると過去データから上書きされていくので、何度データを書き換えても問題なく動く耐久性が求められます。また駐車時はドラレコが炎天下にさらされることもあるため、劣悪な環境でも壊れにくい強靭な作りをしている必要があります。
通常のマイクロSDカードと異なり、耐久性を高めたものが高耐久モデルとして用意されています。値段は通常モデルよりやや高いですが、壊れて買い直す頻度が限りなく少なくなるため、長期的な目線では高耐久モデルを買わないと損をするので要注意。
Nintendo Switch で利用する場合
- UHS スピードクラス 1 以上
- UHS-Ⅰ 以上
- 容量は 64GB 以上
Nintendo Switch の公式サイトに具体的な要件が掲載されています。読み込み速度は、速いほど快適に遊べると明記。
- UHS-I 対応
- 読み込み速度 60~95MB/秒
ゲームはプレイ中に大容量の書き込みが発生しないので、読み込み速度が条件を満たしていることを確認してください。ダウンロードするゲームのサイズは、大きいもので 20GB 近くになります。64GB だとすぐに容量がいっぱいになるので、128GB もしくは 256GB の利用がおすすめ。
昨今は大容量モデルも人気があるため、容量 256GB であってもお手頃な価格に買えるのが嬉しいです。
なお Nintendo 公式のマイニンテンドーストアで販売しているマイクロSDカードは、Samsung Evo シリーズです。ただし任天堂のショップは値段が高く、Amazon の方が安く販売しています。
おすすめ microSD カード
それでは上記の必要な性能を踏まえて、おすすめの microSD カードを紹介していきます。
Samsung microSDXC カード EVO Plus
楽天の値段が安いのは海外リテール品が混ざっている為。メーカー保証が受けられないので購入の際はご注意を。
- UHS スピードクラス 3
- UHS-I 対応
- 最大転送速度 130MB/秒
- 防水・海水対応、耐温度、耐磁、耐X線
- 保証期間10年
どの観点から見ても コストパフォーマンスが抜群 の SD カードです。最新モデルは、従来より最大転送速度が 30% 向上し、もうこの最強のコスパを超えられる製品はありません。
また Samsung の SD カードは、実測値で転送速度が最大速度に近い数値が得られます。
スマホでも動画を撮影する機会が増えたこと、そして大容量でも低価格になったことから、最近では 128GB 以上が最強コスパの製品になっています。
余談ですが、僕がメインで使っているのが EVO Plus の 128GB モデルです。Android スマホ、Fire HD タブレット、アクションカム等、最近は新商品を購入すると 128GB の microSD もセットで注文するほどのヘビーユーザーです。4K 動画の撮影も問題なく使えています。
用途を問わず使いまわせる安定した性能、耐久性も高く、数年に1度モデルチェンジを行い、誰もがおすすめして、もうおすすめし尽くされたと言っても過言ではない、人気 No.1 の座を勝ち取った最強の SD カードです。
- 128GB モデルは何でも使えるオールマイティー
- 128GB モデルは 4K 撮影にも使える
- 売れ筋商品で安定して価格が安い
- 買い増しのリピーターが多い
- 保証期間が10年と他社製品よりも期間が長い
- 迷ったら時はこれを選べば間違いなし
- 日本サムスン正規品で保証がしっかりしている
- 4K はもちろんのこと 8K 動画の撮影にも対応
なお 256GB の性能の高さが抜群なのが EVO Plus の特徴です。動画撮影する頻度が高いなら、間違いなく大容量モデルがおすすめです。
Nextorage microSDXCカード
最大転送速度100MB/秒
保証期間5年
- UHS スピードクラス 3
- UHS-I 対応
- 最大読み込み速度 100 MB/秒
- 最大書き込み速度 80 MB/秒
- 保証期間5年
Samsung は韓国のメーカーだから嫌。そんな人には、日本国内のメーカーである Nextorage の SD カードをご紹介。最大転送速度は 100MB/s です。数字上はサムソンほどではありませんが、ここまで速くなると、体感的にそこまで変わりません。(どちらも体感的に速いです)
Nextorage はソニーグループで産業機器向けフラッシュメモリ製品を展開している会社で、製品開発の高速化を狙いソニーの子会社からフラッシュメモリ製品事業のみを切り出して独立した企業です。一般消費向けの製品を出していなかったので知名度は低いですが、20年以上フラッシュメモリーを製造している国内の企業なので安心してください。
最大転送速度100MB/秒
保証期間5年
- Samsung には劣るがオールマイティー
- ソニーから独立した日本国内メーカー
Samsung高耐久 microSDHCカード
最大転送速度100MB/秒
保証期間5年
録画耐久性70,080時間(8年間)
- UHS スピードクラス 1
- UHS-I 対応
- 最大読込速度 100MB/秒
- 最大書込速度 40MB/秒
- 保証期間5年
高耐久のSDカードは、度重なるデータの書き換えに強いフラッシュメモリーを採用しているのが特徴。防水、耐温度、耐X線、耐磁、耐落下、耐摩耗といった物理的な衝撃にも圧倒的に耐えられる性能があるため、通常のモデルより値段は高めになってしまう。
ドラレコや監視カメラのように、機器が置かれる環境が劣悪な条件でも耐えられるように設計しているため、安心して利用できます。メーカーによっては保証期間が2年しかない製品も多く、高耐久モデルとして5年も保証期間がある Samsung の SD カードは本気でおすすめできる製品です。
録画耐久性はフル HD (1920✕1080) で、脅威の70,080時間。単純計算でに8年間分のデータを書き込める能力があります。こんなに強い製品があったら、もう他の高耐久モデルは選べません。
- 高耐久の SD カードとしての信頼度が高い
- 高耐久なのに価格が抑えられている(本当に安い)
- 常時利用であるのに保証期間が5年もある
並行輸入品などの海外製品の購入にはご注意を
最後に、今回おすすめの microSD カードを紹介する上で、性能は満たしていても並行輸入品や海外パッケージ版で販売されているケースが多いため、対象から除外した製品があります。
並行輸入品は国内サポートが受けられない
これらは日本国内メーカーにおいて保証が受けられない製品です。SD カードはいくら信頼の高いメーカーの製品を購入しても、数ヶ月で故障してしまう製品がまれに含まれています。初期不良による交換期限が切れた場合は、通常サポートによる保証で交換してもらうことになるので、海外用に作られたものを購入するのはおすすめできません。
もちろん国内正規代理店が販売している場合もあります。ただその場合、SanDisk あたりは上記で紹介した商品よりも値段が大きく上回ってしまうため、価格面でおすすめできないところから紹介を控えさせていただきました。
上記で紹介した製品は、全て保証がしっかりしているので安心してお選びいただけます。
以上、おすすめの microSD カードのご紹介でした。