【まとめ】静音ファン be quiet! 仕様の違い。おすすめの製品はこれだ!
自作パソコン静音化には欠かせないファンの交換。日本国内だと、茶色&ベージュのカラーが特徴的な、Noctua が静音ファンとして人気があります。
一方、僕が好んで使っているドイツのメーカーである be quiet! の製品は、ドイツ本国でめちゃくちゃ人気があるらしいのですが、日本では Noctua ほど利用ユーザーがいない印象です。どちらも性能面は変わらないのに、be quiet! の製品は Noctua ほど入手性が高くないので仕方ないと思うしかありません。
be quiet! の製品選びの注意点
同じ名前のモデル違いが存在する
で、僕の自作パソコンもそろそろファンを交換したいと思い be quiet! の製品を物色していると、同じ SILENT WINGS 3 でもいくつか型番が存在していることが分かりました。EC サイト上で型番による違いが分かりづらく、危うく型番の違うケースファンを別々で購入するところでした。
ちなみに代理店であるオウルテックの仕様表も一部誤植あったり、商品情報の更新が遅かったりするから、余計にややこしい(苦笑)
せっかく情報をまとめたので、これから be quiet! のファンを購入しようとしている人が判断しやすいように、簡単に比較できるように情報をまとめておきます。
SILENT WINGS 3 の仕様を比べてみた
代理店販売はすべての商品を扱っていない
まず最初に1つ注意事項。be quiet! のファンには、代理店販売(オウルテック)による販売があるものと、並行輸入でしか入手できない製品があります。並行輸入品はネット上の販売価格も割高で、きちんとした保証がありません。購入するなら、代理店を介して日本国内向けに販売されたモデルを選と安心です。
代理店販売(オウルテック)による製品があるもの。
型番 | 品名 |
---|---|
BL064 | SILENT WINGS 3 120mm |
BL065 | SILENT WINGS 3 140mm |
BL070 | SILENT WINGS 3 120mm PWM High-Speed |
BL071 | SILENT WINGS 3 120mm PWM High-Speed |
代理店販売しておらず、入手するなら並行輸入品になるもの。
型番 | 品名 |
---|---|
BL066 | SILENT WINGS 3 120mm PWM |
BL067 | SILENT WINGS 3 140mm PWM |
BL068 | SILENT WINGS 3 120mm High-Speed |
BL069 | SILENT WINGS 3 140mm High-Speed |
ここで紹介する商品は、全て代理店販売している製品だけの情報をまとめておくのでご承知おきを。(僕が調べた限り、並行輸入品のモデルで魅力のある製品はなかったので無視しても問題ありません。)
SILENT WINGS 3 仕様比較表
SILENT WINGS 3 | ||||
---|---|---|---|---|
120mm ノーマル | 120mm PWM High-Speed | 140mm ノーマル | 140mm PWM High-Speed | |
型番 | BL064 | BL070 | BL065 | BL071 |
PWM | なし | あり | なし | あり |
コネクタ | 3ピン | 4ピン | 3ピン | 4ピン |
回転数 | 1,450 rpm | 2,200 rpm | 1,000 rpm | 1,600 rpm |
最大風量 | 50.5 CFM | 73.33 CFM | 59.5 CFM | 77.57 CFM |
最大静圧 | 1.79 mm/H2O | 3.37 mm/H2O | 1.08 mm/H2O | 2.16 mm/H2O |
騒音 | 16.4 dB(A) | 28.6 dB(A) | 15.5 dB(A) | 28.1 dB(A) |
製品寿命 | 300,000時間 | |||
保証期間 | 3年 |
PWM とは利用する電圧 12V はそのままで、パルスの細かいオン・オフ制御をしながら回転数を調整する機能です。4ピン接続するファンがこちらに該当し、細かい速度変化の制御が可能になっています。一方 PWM 非対応の場合は3ピン接続 (DC 接続) になり、電圧の調整により速度変化が行われます。ただし DC 接続は電圧を下げすぎるとファンが回転しなくなるため、PWM と比べると制御できる回転数の幅が狭くなります。
3ピンの製品には、SATA 電源に接続して給電できる変換コネクタが付属します。マザーボードのファンコネクタに接続しなくても利用可能です。ただしマザーボード接続時は、電圧によるファン制御もできなくなるため、常にフル回転します。
最新のマザーボードは、全てのファンコネクタが4ピンに対応。稀に安い PC ケースに付属するファンが3ピンだったりします。
サイズ120mm
回転数1,450 rpm
保証期間3年
サイズ140mm
回転数1,000 rpm
保証期間3年
サイズ120mm
回転数2,200 rpm
保証期間3年
サイズ140mm
回転数1,600 rpm
保証期間3年
SHADOW WINGS 2 や PURE WINGS 2 との違い
手っ取り早く PWM 対応 140mm ファンの仕様で比較します。表を見れば違いは一目瞭然です。
SILENT WINGS 3 140mm PWM | SHADOW WINGS 2 140mm PWM | PURE WINGS 2 140mm PWM | |
---|---|---|---|
型番 | BL067 | BL087 | BL040 |
回転数 | 1,000 rpm | 900 rpm | 1,000 rpm |
最大風量 | 59.5 CFM | 49.8 CFM | 61.2 CFM |
最大静圧 | 1.08 mm/H2O | 0.58 mm/H2O | 0.76 mm/H2O |
騒音 | 15.5 dB(A) | 14.9 dB(A) | 19.8 dB(A) |
モーター | 6極 | 4極 | |
製品寿命 | 300,000時間 | 80,000時間 | |
保証期間 | 3年 |
これら2機種は4極モーターが採用され、SILENT WINGS 3 よりも寿命が短い下位モデルです。小売価格も少し安くなっています。
SHADOW WINGS 2 は回転速度が遅いモデル。パワーがないので 100% 時でも騒音は最も静か。そして High-Speed モデルがありません。ケースファンとして複数個並べて使うのであれば、回転数は 900rpm でも問題ありません。
PURE WINGS 2 は風量が多く、騒音レベルが高くなります。ただし最大静圧を見ると SILENT WINGS 3 が最大となり、上位モデルは風を押し出すパワーがある仕様になっているのがよくわかります。
SILENT WINGS 3 は静かでパワーがあるのがポイント。
どのファンを選んだらいいのか
PWM は付いていたほうがいい?
be quiet! のファンを選ぶ時点で静音性を重視しているのですから、CPU 温度に応じて柔軟に風力を調整できる4ピンの PWM 対応ファンが圧倒的におすすめ。CPU 温度が低い状態のときは回転数を抑えて、ファン音をほぼ無音に近い状態にできます。
ちなみに大前提として、マザーボードのファンコネクタが4ピン対応している必要があるので、予め確認しておきましょう。なおマザーが3ピンしか対応していなくても、4ピンファンは接続できます。逆に4ピンのコネクタへ3ピンファンを接続することもできます。どちらも PWM による回転数制御が行えないだけで、3ピンファンとして扱われます。
PWM 対応の4ピンモデルはこちら。
サイズ120mm
回転数2,200 rpm
保証期間3年
サイズ140mm
回転数1,600 rpm
保証期間3年
ハイスピードのファンはうるさくないのか?
最終的に僕は、ケースファンを be quiet! の 140mm ハイスピードモデル BL071 に交換して、簡易水冷の CPU ファンを 120mm のハイスピードモデル BL070 に交換しました。
ハイスピードモデルと言っても、最大回転数の上限が大きいだけです。BIOS 設定でアイドル時のファン速度は下げられるので問題ありません。また CPU 温度上昇時は回転数が大きいほうが冷却力も高く、ファンの音が大きくなっても一時的ですぐ静かになります。
それでも SILENT WINGS 3 は 100% 回転状態でもかなり静音性が高く、本当に買ってよかったと思っています。
be quiet! おすすめのファンはこれだ!
大前提として、120mm より 140mm のほうが、ファンのサイズが大きく冷却性能が高いです。静音性についても、回転数が低い 140mm ファンのほうが静かです。
CPU ファンとして使う場合
CPU は最も発熱量が大きいパーツなので、風量が多いハイスピードモデルが必須。どうしても静音性にこだわりたければ、BOIS 設定で自身が許容できる回転速度まで落とせば OK です。あとは利用する CPU クーラーに応じて 120mm / 140mm を選択するだけ。
このどちらかですね。
サイズ120mm
回転数2,200 rpm
保証期間3年
サイズ140mm
回転数1,600 rpm
保証期間3年
ケースファンとして使う場合
CPU ファンと比べると、そこまでパワフルな冷却性能は必要としません。ケースのエアフロー設計(空気の流れ)によって状況が変わるため、環境によってはパワーのないファンを使っても大丈夫です。
空間に余裕があってケース内温度が高くなりにくい場合は、割安な SHADOW WINGS 2 を使うのはあり。SILENT WINGS 3 を選ぶ場合、パワーが無くても常に安定的にケース内の空気を循環させるために3ピンモデル(PWM なし)を選ぶ方法もあれば、温度変化に応じてファン速度を柔軟に制御する目的で4ピンモデル(PWM あり)を採用する考え方もあります。
エアフロー設計は人それぞれ考え方が異なり、絶対的な正解が存在しません。迷ったら安いモデルから試していくのか、最初から性能の良いものを選ぶのかも人それぞれです。1つ言えることは、140mm ファン 120mm ファンのどちらも付けられる構造なら、パワーがあって静音性が高い 140mm がおすすめです。
サイズ140mm
回転数900 rpm
保証期間3年
サイズ120mm
回転数1,100 rpm
保証期間3年
僕が採用したファンはこちら
CPU ファンは、簡易水冷の 240mm ラジエーター用に 120mm PWM ハイスピードモデルを2機、そしてケースファンには 140mm PWM ハイスピードモデルを2つ購入しました。
サイズ120mm
回転数2,200 rpm
保証期間3年
サイズ140mm
回転数1,600 rpm
保証期間3年
そしてサブ機のデスクトップ端末は、ケースファンとして回転数の少ない SHADOW WINGS 2 を導入。
サイズ120mm
回転数1,100 rpm
保証期間3年
製品寿命が 300,000 時間なので、仮に24時間365日使うと34年くらい使えます!わーい!
be quiet! を使ったその後の感想【経年報告】
be quiet! のファンを使って3年。全く問題なく静音の状態を保っているので、自作 PC を最新の CPU にアップデートしてもファンはそのまま流用しています。簡易水冷をやめたので、ラジエーター用に使っていたファン BL070 はケースのトップファンとして継続利用しています。
あまりに問題なく動いているので、このまま本当に30年以上使えるんじゃないかと思える安心感があります。be quiet! のファンは本当に買ってよかったです。これ本気でおすすめなので、ぜひ使ってみてください。