Microsoft Download センターでダウンロード時に404エラーが発生する問題
いつの頃からか定かではありませんが、Microsoft 公式サイトで提供されていた一部のソフトウェアが、2020年頃からダウンロードできなくなる事象が発生しています。
アプリによっては、そもそもダウンロードセンターから消えてしまったものや、アプリの紹介ページおよびダウンロードリンクが用意されているにも関わらず、リンク先が 404 エラーになっているなど事象は様々です。
ダウンロードできず困ったソフト
僕が使っている一部のツールもダウンロードできなくなってしまい、代替アプリを見つけるのに一苦労しています。例えば次のツールで、ダウンロードエラーが生じています。
Image Composite Editor
複数の画像を合成して、パノラマ写真を作成するソフトです。一眼レフやミラーレスカメラで撮影した素材は、このような専用ソフトが重宝していたので、インストールできなくなってしまったのは残念でなりません。
ソフトウェアの紹介ページが残っているのに、ダウンロードしようとすると次のメッセージが記されたエラー画面が表示されます。
We’re sorry, this download is no longer available.
もうこのダウンロードは使えないようです。
Microsoft Expression Design 4
こちらは Microsoft 版イラストレーターのようなソフトです。ベクターオブジェクトを使えて、イラレより動作が軽いのが気に入っていて、ブログのアイキャッチや記事内画像を作成するのに利用していました。また日本語にローカライズされていたのも、好んで使っていた理由の1つです。
ダウンロードページ自体、アクセスできなくなっています。
Adobe CC のサブスクリプション契約をしていても、イラストレーターより利用頻度の高いアプリでした。性能が低いノートパソコンでも快適に使えていたので、もう利用できなくなったのは個人的にかなり痛手です。
なぜダウンロードできなくなったのか?
SHA-1 署名済みコンテンツの廃止が決定
最大の理由が、セキュリティ対応によるものだと考えられます。年々右肩上がりで性能が上がっているコンピューターの処理能力により、旧来の暗号化アルゴリズムである SHA-1 を利用しているソフトは、その暗号が解読されるリスクに晒されます。
そして Microsoft は2020年8月に、この SHA-1 を利用している署名済みコンテンツを Microsoft ダウンロードセンターから削除すると発表しています。
ターゲットは更新のない古いソフト
ダウンロードできなくなったソフトには、既に開発が停止していたり、今後も更新される見込みのないものが占めています。そしてより安全な新しい SHA-2 のアルゴリズムに対応するにもコストが掛かるため、大規模なダウンロードコンテンツの削除に踏み切ったのでしょう。
ただ古いソフトであっても、きちんとセキュリティアップデートが行われているソフトに関しては、継続してダウンロードできます。つまり更新されず放置されているソフトが消されてしまった、ということでしょうか。
再びダウンロードできる日は来ない
セキュリティ問題が原因である以上、それを解消しない限り再ダウンロードは不可能でしょう。しかも古いコンテンツとなればプログラム更新にもコストが掛かるため、Microsoft の立場で考えるとこのまま廃止するのが濃厚だと思います。
もし人気のあるソフトウェアであれば、有志が集まってオープンソースで類似アプリを作るようなケースはあるかもしれません。ただそれも簡単にできるものではなく、既に存在しているアプリを駆使したほうが楽だったりするため、諦めて他を探すのが懸命です。
本家以外のダウンロードサイトに要注意
公式サイトでダウンロードできなくなったアプリについて調べていくと、インストーラーを提供しているサイトがヒットする場合があります。しかしそのサイトの素性はどうであれ、公式サイト外で入手したアプリは絶対に使ってはダメです。
もしかしたら偽装されたウイルスソフトかもしれません。キーボードのタイピングをトラッキングして、アカウント情報やパスワードを抜かれてしまうかもしれません。安全そうなページに見えても、罠である可能性が高いです。
そのような情報に精通していても、騙されるときは騙されます。公式以外は信用しないように、お気をつけください。