HDMI 端子が足りない環境におすすめ!リモコン付きの切替器を利用して複数台の映像出力に対応させる
Nintendo Switch、PlayStation 4 といったゲーム機を始め、パソコンや DVD・Blu-Ray プレイヤー、ケーブルテレビなど、様々な映像出力機器が増え続けると次のような問題にぶつかることがあります。
「テレビやモニターの HDMI 端子が足りない」
テレビに付いている外部入力用の HDMI 端子は多くても3~4つ程度です。一般の家庭であれば十分に足りる数ですが、ゲーム機が増えた時点で不足に陥ることはよくある話です。必要な時に差し替えれば済む話ではあるものの、HDMI 端子はモニター背面に付いているため、差し替えが面倒に感じてしまいます。
僕の場合、パソコンで使用しているモニターに Nintendo Switch の出力を行いたいのですが、入力端子が1つしかないためどうしても差し替えが必要になってしまいます。そこで HDMI 端子の数を拡張するための切替器を導入することで、この差し替えが生じる問題を解消することにしました。
購入したのはバッファローのリモコン付き HDMI 切替器 BSAK302 です。
HDMI 切替器にはいくつかの種類がある
HDMI の切替器は、映像を出力する機器を接続するための入力端子が複数付いています。そしてモニターへ出力するための端子が1つ付いているのが一般的です。切替器本体のスイッチを押すことで、映像の入力を切り替えられる仕組みになっています。
中にはリモコンが付属しているものもあり、切替器本体がモニターの裏に隠れてしまっていても、わざわざ移動せずに切り替えることができるようになっています。リモコン付きは若干値段が上がってしまうものの、使い勝手を考慮するとリモコンがあるほうが圧倒的に便利であることは間違いありません。
また入力端子の数も2つのものや3つのものがあり、基本的には外部電源が不要なので、ケーブルを接続するだけで簡単に使えるようになります。
切替器とは複数の入力に対して1つの画面に出力するための機器、分配器は1つの入力を複数の画面に出力するための機器なので、お間違えのないようにしてください。
入力端子は2つより3つがおすすめ
そもそも切替器が必要な時点で、今後も HDMI 端子が更に足りなくなる可能性を秘めています。購入当初は入力端子が2つで足りるかもしれませんが、端子は多いに越したことはありません。
1つ空き端子を用意しておくことで、今後の機器導入もスムーズに進みます。ぜひ端子数が多めのものを選ぶように検討してみてください。
切替器を選ぶ上で気をつけること
一概に HDMI 切替器といっても価格は様々です。これは HDMI の能力に依存するもので、細かい話をしてしまうと HDMI にもバージョンがあって何ができるかが異なるのです。とは言え、現行で販売されている切替器の能力には大きな違いがありません。
ただし、唯一気をつけなくてはいけないのが、対応する解像度です。もっと簡単に言ってしまうと、機種によって 4K の映像出力に対応していない場合があるということです。
一般的なフルハイビジョンの映像に必要な解像度は 1080p です。そして 4K の映像を出力するには倍の 2160p が必要になります。4K 出力対応としながらも、解像度が 2160p に対応していなければ 4K に対応したモニターの能力を活かすことができません。
逆に 4K 出力に対応した切替器を購入しても、映像出力機器が 4K に対応していなければ映像はフルハイビジョンのままになります。例えば PS4 Pro は 4K 対応していますが、PS4 は 4K に対応していません。そして Nintendo Switch も同様に 4K 対応していません。ブルーレイも Ultra HD Blu-ray でないと 4K に対応していないので、余程のことがない限りは 1080p のフルハイビジョン対応で事足ります。
フルハイビジョンの出力を目的とするのであれば、基本的にはどの切替器を購入しても問題ありません。もし 4K 出力をしたいのであれば、きちんと製品が対応する解像度を確認するようにしてください。
現状はまだフルハイビジョンが主流なので、個人的には 4K 映像の出力は切替器を噛ませずに使うことをおすすめしたいです。なお余談ですが、4K 出力するには HDMI ケーブルも 4K に対応したものが必要になるので、その点も覚えておいてください。
PS4 は切替器の使用に向いていない
PlayStation 4 の FPS 系のゲーム、いわゆる重いゲームで切替器を使う場合、映像のチラつきが生じることがあります。一瞬の動きが重要になるゲームをプレイするには不向きなので、PS4 の利用を考えているなら直接モニターに接続する使い方がおすすめです。
どうしても PS4 で使いたいのであれば、入力用の HDMI ケーブルを短いものにしたり、AC アダプターできちんと電力が供給できる切替器の利用を検討しましょう。なお、最後に PS4 にも対応したものを紹介しているので、よろしければ参考にしてください。
BUFFALO リモコン付き HDMI 切替器 BSAK302 の概要
それでは、僕が購入したバッファローの切替器を紹介していきます。
- 切替機本体
- リモコン
- リモコン受信機
- テレビ固定用ネジ(5種類)
- 取扱説明書
テレビの裏面には壁掛け用のネジ穴が切られています。その穴に本体が固定できるように、複数のサイズのネジ(M4, M5, M6, M8, M10)が付属しています。
製品仕様
- HDMI 入力端子: 3チャンネル
- HDMI 出力端子: 1チャンネル
- サポート規格: HDMI 1.3b 相当、HDCP 1.0/1.1
- サポート解像度: 最大 1080p
- パソコン対応: 最大 1920 x 1200
- 最大データレート: 7.5Gbps
- 外部電源不要
製品のパッケージには 4K 対応のシールが貼られていましたが、解像度のサポートはフルハイビジョンまでです。前述の説明の通りなので、4K の入力機器を接続しても使えることを意味しているのだと思います。解像度が未対応なので 4K 出力を求めるのであれば別の製品を選びましょう。
なお出力用の HDMI ケーブルは付属していないので、自宅に予備の HDMI ケーブルがない場合は別途購入する必要があります。
僕が BSAK302 を選んだ理由
用途はパソコンの出力と Nintendo Switch の出力切替です。パソコンモニターは 1920 x 1080 で、将来的に 4K に対応させる予定もないのでフルハイビジョン対応あれば十分です。そしてデスクの裏面に隠して配置したかったので、どうしてもリモコンが必要でした。
入力端子数は、今後カメラ等の映像機器の接続用に端子を空けておきたかったので、僕にとっては3つがベストな選択だったと思っています。
そして何と言っても電源が不要であることが最大の決め手でした。海外メーカーの製品だとリモコン付きでも AD アダプターを必要とするものが多く、配置する場所がコンセントの位置に依存してしまいます。ケーブル数が減る上、省エネにもなるので、これはかなり大きなメリットといえます。
切替器をネジで固定できるのが良い
本体背面はゴム足が付いており、ご覧の通りネジを通す部品が外れるような仕組みになっています。床に置くとケーブルが絡まって邪魔になるので、このような作りになっているのは嬉しいですね。
今回の目的はテレビの端子拡張ではありませんが、試しに付けてみました。まずは背面の部品を外して、テレビのネジ穴に合ったネジを使って固定します。
あとは切替器本体をはめ込んであげれば完成です。実際にこのテレビ(AQUOS)に付けるのであれば、右側にあるケーブル固定用の部品を外して使うことになると思います。
ではテレビに付けた場合の例はここまでとして、実際にデスクに配置していきます。当初はパソコンの裏側に追いやってしまうつもりでしたが、ケーブルがごちゃごちゃするのを嫌って、直接デスクの裏面にネジ穴を開けて固定することにしました。
両面テープでの固定も検討したものの、ケーブルの重さで剥がれてしまったので、安定性のあるネジ固定の道を選びました。ケーブルの差し替えも簡単にできるようになったので、取り回しはかなり良くなったと感じています。
リモコンを使う場合は、画像のように受信機を本体に接続しなくてはいけないので、配線に関しては少し気を使うことになると思います。
切替時の待ち時間が少々ある
目的であった画面切替は、期待通りの動きでした。画面描画の遅延も全くありません。
ただ本体のスイッチ、およびリモコンで入力先を変更すると約3秒ほどの切替時間を要します。接続しているチャンネルのインジケータが光るものの、見えない位置に配置しているため、リモコン操作後に誤って別のチャンネルのボタンを押してしまったのかと勘違いしがちです。
特に困ることはありませんが、もう少しレスポンスが早いほうが嬉しいですね。
こちらの HDMI 切替器は発売から5年近く経っていますが、根強い人気を誇る製品となっています。日本のメーカーである安心感も然ることながら、概ね期待通りの動きだったので、製品としての満足度は高いです。切替器の購入を検討している方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
なおこの製品には HDMI ケーブルは付属していません。別途購入が必要になるので、ご注意ください。
では最後に、他におすすめできる機種をいくつか紹介しておきます。
リモコンが不要な人におすすめの切替器
HDMI ケーブルの追加購入が不要な BUFFALO BSAK202
- 入力チャンネル数は2つ
- HDMI 出力ケーブルは本体埋め込み式
- AC アダプター不要
- 4K の解像度 2160p まで対応(24Hz)
- 最大データレート 10.2Gbps
- リモコンなし
予め出力用ケーブルが本体にくっついているため、HDMI ケーブルを追加購入する必要がありません。またチャンネル数は少ないものの、前述の BSAK301 よりデータレートが高く 4K の解像度に対応しているのが特徴です。
リモコンではなく本体のスイッチで切替えるため、本体を固定するような仕組みは用意されていません。手元で切替えることを前提とすれば、これだけの性能で価格も申し分なしの製品です。
格安の3ポート切替器 サンワサプライ SW-HD31
- 入力チャンネル数は3つ
- HDMI 出力ケーブルは別途必要
- AC アダプター不要
- 解像度 1080p (フルハイビジョン)まで対応
- 最大データレート 7.5Gbps
- リモコンなし
入力3チャンネルの中では価格が安い製品です。サンワサプライなのでメーカーとしての安心感もあります。4K 対応していないので、フルハイビジョンの範囲であればこちらの製品でも十分に活用できます。
リモコン付き AC アダプター給電可能なおすすめの切替器
PS4 に対応した HDMI 切替器 サンワサプライ 400-SW019
- 入力チャンネル数は3つ
- AC アダプターによる給電可能
- AC アダプターなしでも駆動する
- HDMI 出力ケーブルは別途必要
- USB アダプターは別途必要
- 4K の解像度 2160p 30Hz まで対応
- 小型軽量化モデル・PS4 Pro には未対応
- 最大データレート 3Gbps(チャンネル毎)
- リモコン付属
機種による条件はあるものの、数少ない PS4 が利用できる切替器です。AC アダプターは必須ではなく、利用する機器によって出力が安定しない場合に利用するように推奨されています。
リモコン式であり便利な機器であるのは確かですが、USB アダプターを別途必要とするのがマイナスポイントです。性能面では今回紹介した製品の中では一番良いものなので、値段も少しだけ高くなります。
それぞれ大きな違いはないものの、細かい部分で自分が求めている要件を満たさないケースもあるので、仕様をきちんと確認して製品を選ぶようにしましょう。
以上、HDMI 端子が足りなくなった場合に、端子の数を拡張できる HDMI 切替器の紹介でした。