初めてのユーザー車検を無事に一発合格するまでの流れ
2年前に中古で購入した TOYOTA WISH が今年の3月で車検が切れてしまうので、どこの業者に頼もうか検討していた時のことです。知り合いに TOYOTA の整備士に相談してみると、自分で持ち込んでも簡単に出来ることを教わりました。いわゆるユーザー車検と言うやつです。
年式もそこまで古くなく、走っていて気になる点は無かったので、今回は試しに自身で陸運局へ行って車検を通してみることにしました。ただ車検の期限まで時間が無い状態だったこともあり、24ヶ月点検は後整備することにしたので、もしかしたら不合格になる心配があったのも事実です。
後整備とは言え簡単な確認をしてもらった
ユーザー車検の場合、基本的に24ヶ月点検整備記録簿を提出する必要があるのですが、車検後の点検・整備を行っても良いものとされています。無論、後点検・後整備にした場合は車検時には確認されていない状態となるので、不備があれば不合格となるリスクもあります。
知人の整備士に簡単に確認してもらった
何も見ない状態で車検に持っていくのは不安があったので、24ヶ月点検整備とまではいきませんが、事前に知人の整備士にエンジンルームと足回りを確認してもらいました。主に部品交換の頻度が高いと思われる部位が確認対象です。
ついでにタイヤのローテーションをしてもらったので、タイヤを外した時にブレーキパッドの状態も直接見てもらっています。
ジャッキを2つ使って片側が完全に宙へ浮いている状態になっています。さすがプロ、見事な手さばきです。これでジャッキの使い方、タイヤの外し方も分かったので、いざタイヤがバーストしてもスペアタイヤの交換はどうにかなりそうです。
ホイールを外して、内側にある金属製のカバーを外しブレーキパッドを確認。状態は良好でまだ交換は不要のようです。エンジンルーム内も足回りも概ね良好とのことで、これで車検へ送り出せそうです。
ただ一点タイヤの摩耗が激しくて、そろそろ交換しなくてはいけない時期のようでした。基本的に旅行は車で出掛けて、車中泊する程かなり遠出するので、次回出掛ける前にタイヤ交換しようと思います。
いざ陸運局へ自動車検査を受検しに行く
国土交通省のサイトにもユーザー車検に関する手続き方法が記載されていますので参考までに。(サイトデザイン的にかなり読みづらいですが。)
検査を受けるには事前予約が必要
ユーザー車検で陸運局で検査を行うには、事前に予約を行わなくてはいけません。各種車種情報を登録するため、手元に車検証を用意しておきましょう。予約は以下のサイトから行うことができます。
予約を行うためにはまずアカウントを登録する必要があります。この段階ではまだ車両情報は不要です。登録すると入力したメールアドレス宛てに確認メールが届くので、リンクをクリックするとアカウントが作成され予約ができるようになります。
ユーザー車検の予約をする
まずは予約システムへログインし、予約内容を選択します。
受検検査場の選択
日本全国の運輸支局、自動車検査登録事務所から、実際に出向く検査場を選択します。継続検査、予備検査は全国どこの運輸支局等でも受けることができますが、新規検査 or 構造等変更検査は、使用の本拠の位置を管轄する運輸支局等でなければ受けることができないので注意ください。
今回僕が車検を受ける場所は「多摩自動車検査登録事務所」になります。
検査種別の選択
「継続検査」「新規検査/予備検査」「構造等変更検査」の中から選びます。それぞれの検査内容は次の通りです。
継続検査 車検の有効期間満了に伴う更新手続きを行う 新規検査 新しい自動車(新車)に対する検査 予備検査 いったん使用停止の手続きを行った車を再び使用するときに行う検査 構造等変更検査 自動車の長さ・幅・高さ・最大積載容量等に変更が生じる改造を行った場合に受ける検査 検査車種の選択
「普通車」「中型車/大型車」「大型特殊車」「二輪車」の中から選びます。どれが何を指すか具体的な例は予約時に確認すrことができます。
- 予約する時間帯を選択
時間は午前と午後でそれぞれ2回ずつに時間帯が区切られています。午前の予約は当日8時まで、午後の予約は当日12時まで行えます。実施回 受付時間 検査時間 午前 1 8:45 – 10:00 9:00 – 10:15 2 10:00 – 11:45 10:30 – 12:00 午後 3 12:45 – 14:00 13:00 – 14:15 4 14:00 – 15:45 14:30 – 16:00 受検者情報の入力
氏名、電話番号、メールアドレス、住所を入力します。氏名、電話番号は入力必須です。
- 車両情報の入力
「登録番号または車両番号」「原動機型式」「車台番号(下4桁)」を入力します。これらの情報は車検証に記載があるので、予め手元に用意して内容を記載するようにしてください。
以上で予約完了です。予約が完了すると予約番号が割り当てられます。こちらの番号は当日提出する書類へ記載するので、メモを取って当日持参してください。あとは予約の時間に検査場へ向かうだけです。
当日の持ち物
- 自動車検査証
- 自動車税納税証明書
- 点検整備記録簿(今回は後整備なので持って行きませんでした)
- 自賠責保険(共済)証明書
- 予約番号を書いたメモ
自賠責は試験場の近くで更新できるので、更新前の証明書となります。他に当日提出する申請書の類は試験場で手に入るので、事前に用意する必要はありません。
検査場に到着してから申請までの流れ
検査場の駐車場に車を停めたら、まず総走行距離をメモしておきましょう。後々、提出書類に明記します。うちの車の走行距離は 34,334km でした。
継続検査申請書の購入
なんと!申請書は購入しなくてはいけません。申請の種類によって金額が異なりますが、今回行う継続検査の申請書は…
お値段なんと20円!!!
ちょっと拍子抜けしてしまうような値段です。どこか別の料金に合算させることはできないものですかね、これ。
重量税等の印紙を購入
申請書を購入したすぐ隣のカウンターで印紙が購入できます。直接申請書に貼り付けてくれるので、申請書と共に金額を支払うのみです。ここで自動重量税や検査に掛かる費用を支払うイメージです。
車種や検査内容によって金額が変わりますが、今回こちらで支払った金額は、〆て26,300円となります。
検査登録印紙代 400円 審査証紙代 1,300円 重量税印紙代 24,600円 自動車損害賠償責任保険の更新
建物は別になりますが、自賠責の更新も行ってきました。更新期間は24ヶ月です。金額は27,840円でした。
ここで提出書類の代行作成も行ってくれるそうです。代行作成と聞くと書類の記載が難しいと思ってしまいますが、わざわざお金を払って書いてもらうような書類ではありません。
書類を記入して提出
車検の申請を行うには、当日の持ち物として記載した書類の他に、次の各書類を提出します。これらは20円で購入した各種申請書です。記入例があるので、そちらにならって記載すれば提出書類の完成です。
- 継続検査申請書
OCR の書類のためこちらに限り鉛筆での記載です。車両番号等の情報を入力します。機械で読み取るので丁寧に書きましょう。 - 自動車重量税納付書
既に重量税の印紙が貼られている状態になっているはずなので、あとは車両情報と使用者の個人情報を入力するのみです。 - 自動車検査票
審査依頼書となっており、検査時に利用する用紙です。各項目に合格すると押印されます。検査後そのまま提出するので、予め車両情報を入力しておきます。
提出書類を一式揃えて窓口へ提出します。入力不備があれば書き直して再提出となります。点検整備記録簿を提出していないので整備状況を聞かれますが、後整備と答えればこちらは問題ありませんでした。
これでいよいよ検査開始です。
- 継続検査申請書
車種に応じた検査レーンに並び検査開始
ここからは車に乗って検査する場所へ移動します。車種によってレーンが別れているので該当のレーンへ向かいます。こちらの検査レーンは事前に見学できるようになっています。初めての場合は検査前に見ておくと良いでしょう。一見、中に入れなさそうな感じですが、きちんと見学者用通路が用意されています。
この縦長の建物の反対側から入って順番に検査を行っていきます。検査の内容は次の通りです。
外観、内装、同一性のチェック
申請車両と検査車両が正しいか確認します。外装・内装については改造していなければ、特に気にするようなことはありません。
灯火チェック
ウィンカー、スモールライト、ヘッドライト、バックライトを確認します。合格はしたのですが、光軸が少しずれているようで、こちらは後整備のタイミングで直してもらおうと思います。
ホーン検査
普段は挨拶代わりに軽く鳴らす程度でしか使用したことがなかったので、ちゃんと鳴らしたのを初めて耳にしたかもしれません。(笑)車種によって音色が違うので、他の車の音を聞いてるのもちょっと楽しいかも。
サイドスリップ検査
コースに引かれた白線に沿って、ゆっくりと停止線の位置まで進みます。きちんと真っ直ぐ進むことを検査するだけなので、何も問題なければただ進むだけで合格です。
ブレーキテスト
ギアはニュートラル(N)にした状態で、フロントブレーキ、リアブレーキ、サイドブレーキのテストを行います。テストローラーへ車輪を載せて、ブレーキの利きを確認します。
スピードメーターテスト
実際にアクセルをふかし、時速40kmを超えた辺りでボタンを押します。実際の速度とメーターとの誤差を確認するテストになります。
排気ガスのチェック
車から降りて棒状のものをマフラーに突っ込み、排気ガスが正常かどうかを確認します。機械が自動的に判定してくれます。
下回りの確認
オイル漏れ等の確認が行われます。下からカンカンと叩かれ、これでもかと言うくらい車体が大きく揺れます。何を叩いてチェックしているのかは分かりません。
検査結果は全て合格しました!
もし一部の検査が不適合(不合格)となったら、検査当日に再検査を受けることもできます。再検査は2回まで無料で受けられます。再検査が3回以上になる場合、また翌日以降に再検査する場合は、改めて検査手数料を支払わなくてはいけません。(普通車は1,700円~1,800円)
調整が必要な箇所があるとすぐに再検査とはいきません。そんな時は近くにテスター屋と呼ばれる調整を行ってくれる店があります。軽微なものであれば数千円で整備してもらえるので、その日のうちに再試験を受けることができるので、覚えておくと良いでしょう。
新しい車検証ゲット
これらのテストを経て全て合格になると、最後に総合判定の窓口へ書類を持って押印してもらいます。そして自動車検査票を提出して、検査は終了になります。後は窓口に戻って改めて書類を提出すると、新しい車検証とフロントガラスに貼るステッカーがもらえます。
全部おえてトータル1時間ほどで完了しました。時間を掛けて細かいところまで確認すると思いきや、意外とあっさり終わってしまって拍子抜けです。実際に体験してみると、ユーザー車検は思ったより簡単でした。
今回ユーザー車検に掛かった費用は、自賠責の更新料も含めると
54,160円 です!
当初は10万円くらい予算として考えていたので、かなり安く済みました。後は24ヶ月点検をしてもらって、浮いたお金でタイヤを買い換える予定です。
無事一発合格しましたが、終わるまでちゃんと通るか不安もたくさんありました。お金に余裕があったらディーラーにお願いしたいところではありましたが、今回だけは安上がりのユーザー車検を選択しました。長距離を走る機会が多いので、次回の車検に向けては、定期的に車の状態をディーラーに見てもらうようにしようと思います。
以上、初めてのユーザー車検体験談でした。