個人事業主に会計ソフトは必要か?僕の経験からアドバイスできることは1つだけ

個人事業主の開業届を提出すると、その年度から売上の有無にかかわらず確定申告が必須になります。また会計帳簿の作成、および管理も義務付けられます。
僕は青色申告を行う個人事業主として2016年末に開業して、2022年末に7年目がスタート。これまでの経験から端的にアドバイスするなら

初年度から確定申告で苦労しないためにも、開業したら会計ソフトは早いタイミングで導入するのが理想です。迷ってる暇があるなら、無料体験できるサービスでもいいから1日でも早く会計処理に慣れることが大事!
です。
「とりあえず」のおすすめ
まず無料で使ってみたい人は「マネーフォワード」
僕が使っているのはマネーフォワードクラウド。仕訳件数が年間50件以内であれば無料の範囲でずっと使えるというもの。データ集計は会計ソフトで行い、確定申告は国税庁の 確定申告書等作成コーナー を利用すれば済むので実質0円で収まります。
個人事業主でかつインボイス制度に登録しているのであれば、無料体験を経て年間12,936円のパーソナルプランが必要。確定申告書だけでなく消費税申告書の作成にも対応し、スマホから簡単に送信できるプランです。
最初の1年だけ無料で使える「やよい」
次点のおすすめは、1年間無料 の「やよいの青色申告 オンライン」のセルフプラン (年間9,680円) です。ただしこのプランは、操作方法に関するサポートが提供されません。サポート付きプランとして、1つ上のベーシックプラン (年間15,180円) が用意されています。
やよいの青色申告は、ユーザー数 No.1 の業界最大手。税理士事務所でも、よく使われるサービス。将来、税理士に頼む予定であればベストな選択。
ちなみに請求書作成は別料金。マネーフォワードだと有料プラン内に含まれます。
自分に最適なサービスを探すのがポイント
僕が マネーフォワードクラウド を利用している理由は、画面の見やすさと使いやすさから。使い勝手は個人の好みがあるので、無料体験をうまく利用して使いやすいサービスを探すのをおすすめします。(面倒だけどしばらく並行利用して、どっちが使いやすいか判断するのが理想 ⬅ 数年後にこの手間を掛けてよかったと実感できるはず!)
ちなみに現在契約しているのは、マネーフォワードのパーソナルプラン (年間12,936円) です。インボイス制度対応にも必要な、消費税申告書の作成にも対応。そして改正電子帳簿保存法にも対応し、請求書作成も料金内でできます。請求書を作成しないなら、やよいの青色申告が最安値。請求書を作成するなら、マネーフォワードが最安値といった感じ。無料トライアルは1ヶ月あります。
他にも freee を加えて、クラウド会計ソフト3大サービスとなります。ただ freee は楽天銀行と口座提携できなくなったり、価格改定で割高感があっておすすめしづらくなりました。
- 個人事業主に会計ソフトは必要か?
- 結論「会計ソフトは必要」です
- なぜ会計ソフトが必要なのか?
- 簡単なのは仕訳(明細)の入力まで
- 確定申告はデータ集計の集大成
- 会計ソフトのメリットは時間の削減
- 税理士を雇わない個人事業主の必須アイテム
- 会計ソフトは何を使えばいいのか?
- 各社プラン別の比較表
- 会計ソフトおすすめランキング
- 会計ソフトの選び方を詳しく解説
- クラウド型とソフトウェア型の違い
- クラウド会計ソフトの選び方
- 個人的にはマネーフォワードクラウドがお気に入り
- 価格は「やよいの青色申告」が最安値
- freee は税務調査サポートプランがある
- 使いづらかったら他社へデータ移行できる
- 最初は同時に使って見極める
- クラウド会計ソフトを使ってみる
- 仕訳の入力は勉強と慣れ
- 基本性能はどのソフトも同じ
個人事業主に会計ソフトは必要か?
結論「会計ソフトは必要」です
個人事業主が自分自身で会計処理をするなら、会計ソフトは欠かせません。
なぜ会計ソフトが必要なのか?
会計ソフトがないと、集計作業に手間が掛かる。これが最大の理由です。
- 記録した明細の集計が大変
- 青色申告に必要な書類作成が大変
- 仕訳から総勘定元帳への転記が大変
- 損益計算書・貸借対照表の算出が大変
- 消費税の集計(インボイス制度)が大変
- 電子領収書の管理(改正電子帳簿保存法)が大変
- 売上推移の集計なんか気が遠くなる
僕自身、初年度は売上が少なく仕訳データも数える程度。もう記録だけを残すなら、Excel でいいのでは?と甘く見ていました。いざ確定申告に必要な集計表を作ろうとしたときに、これではダメだと気付いたのです。

自分で会計処理を行う場合は、帳簿の件数に関わらず、会計ソフトがないと青色申告に必要な書類を作るのが大変!
簡単なのは仕訳(明細)の入力まで
複式帳簿の記述は、慣れてしまえば簡単です。仕訳方法がわからなければ、ネットで調べれば解決します。事前の勉強は不要です。帳簿付けする日々の経験で、勝手に身につきます。
記録(明細)を残すのは簡単です。そして単純な合計表であれば、すぐに作れます。
でも様々な視点での集計データが必要になるのが、青色申告の難しいところ。そのことに気付くまで、僕も会計ソフトなんていらないと考えていました。
事業者として管理が求められる書類の作成、キャッシュフローなどサマリー系のデータ集計、仕事をしながら日々推移する売上の合計を、誰がいつ計算するのか?
確定申告はデータ集計の集大成
青色申告で提出する、確定申告の書類は以下の2つ。
- 確定申告書B
- 所得税青色申告決算書(一般用)
ただしこれは確定申告に必要な書類であって、青色申告の事業者として保存が義務付けられている書類は別です。例えば「損益計算書」や「貸借対照表」のような決算関係の書類は、必ず作成が求められます。
また2023年10月にはインボイス制度が始まり、消費税の管理も追加されます。8%?10%?軽減税率?間違いなく、これまで以上に集計が大変になります。
確定申告をする上で、決算書のベースになるのが「総勘定元帳」です。全ての取引を時系列で記している「仕訳帳」とは別の帳簿です。仕訳帳の内容を、勘定科目ごとに明細をまとめたものが「総勘定元帳」で、青色申告で管理が求められる帳簿の1つです。
勘定科目とは、例えば「消耗品費」のように帳簿に金額を記録するときに分類するカテゴリのようなもの。このカテゴリ単位で情報をまとめた書類が総勘定元帳です。
1年間記録が終わったら、総勘定元帳の勘定科目ごとに積み上がった残高(金額)を各決算書へ転記して、最終的に確定申告書の書類を作成する流れです。
もう手作業で行えるレベルの作業量ではありません。年間の仕訳明細数が多くても少なくても、作成すべき帳簿の数は同じ。最終的には、決算書へ集計結果をまとめる作業も待っています。
会計ソフトのメリットは時間の削減
会計ソフトを使っていれば、日々の明細情報(仕訳)を登録するだけ。必要な帳簿・合計表など集計データは自動生成されます。全てにおいて会計処理の時間が短縮できるのが、会計ソフトを利用する一番のメリットです。

得意なExcelで管理できると思って試してみたけど、まったくダメでした。
Excel での管理を含め、手作業で行う時間が増えるとミスする可能性も増えます。また開業したばかりで帳簿付けが不慣れだと、作成すべき書類を作り忘れることも考えられます。それらをリカバリーするために時間を費やすのは、個人事業主としての経営センスが疑われます。
会計ソフトを利用すれば、日常的な作業は仕訳データの入力のみ。あとは確定申告書を作成するために、帳簿へ記録していないデータを入力すれば、自動的に必要な書類が完成します。
税理士を雇わない個人事業主の必須アイテム
事業主にとって会計管理は必要不可欠である一方、帳簿付けを一生懸命がんばっても1円も利益は生まれません。会計処理の時間を短くして、売上アップのために時間を費やす。それが経営者としての正しい方向です。
税理士に丸投げするならその限りではありませんが、多くの個人事業主にとって使わない理由がありません。
会計ソフトは何を使えばいいのか?
今はネットワーク環境があればどこからでも会計処理ができる、クラウド会計ソフトが主流です。年間契約のサブスクリプション方式で、パソコンが壊れもデータを紛失するリスクがないのが最大のメリット。
僕が使っているのは、前述の通り マネーフォワードクラウド確定申告(無料トライアルは1ヶ月)です。以下の3社を無料体験で同時に使って、直感的に使いやすいと感じて選びました。
各社プラン別の比較表
一般的な会計業務で行うことがどこまで対応しているのか。プランによって様々です。ポイントはインボイス制度に伴う消費税申告書の対応と、2024年から本格始動する改正電子帳簿保存法への対応、そして一般請求業務における対応の有無です。
会計ソフト | マネーフォワード | やよいの青色申告 | freee | ||||
---|---|---|---|---|---|---|---|
料金 (税込) | 無料 年間50仕訳 | パーソナル ミニ | パーソナル 【おすすめ】 | 1年無料 セルフ | ベーシック | スターター | スタンダード |
0円 | 10,560円 | 12,936円 | 9,680円 | 15,180円 | 12,936円 | 26,136円 | |
確定申告書作成 | – | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ |
消費税申告書作成 | – | – | ⭕ | ⭕ | ⭕ | – | ⭕ |
電子帳簿保存法 | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ |
口座情報取り込み | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ | ⭕ |
操作サポート | – | ⭕ | ⭕ | – | ⭕ | – | ⭕ |
請求書作成 | – | ⭕ | ⭕ | 別料金 | 別料金 | ⭕ | ⭕ |
見積書作成 | – | ⭕ | ⭕ | 別料金 | 別料金 | ⭕ | ⭕ |
納品書作成 | – | ⭕ | ⭕ | 別料金 | 別料金 | ⭕ | ⭕ |
会計ソフトおすすめランキング
- マネーフォワードクラウド確定申告
インボイス制度の消費税申告書の作成まで必要ならパーソナルプラン年額12,936円 (税込)。不要なら年額10,560円 (税込) のプランあり。どちらもメール・チャットのサポートつき。 - やよいの青色申告オンライン
サポート不要なら、セルフプラン年額9,680円(税込) で1年無料。インボイス制度の消費税申告書の作成にも対応。サポート付きで年額15,180円 (税込)。 - freee 会計
一番下のスタータープラン年額12,936円 (税込) は消費税申告書が作れません。最上位プランに税務調査サポート補償がある唯一のサービス。
使いやすさは人によって感じ方が変わるので、マネーフォワードが絶対ではありません。業界大手で1年間無料で使える "やよい" や、手軽に入力できる freee の使い勝手を好むユーザーもいるので、とにかく体験してみるのが重要です。
最初は練習として、存在しないデータを登録しても大丈夫です。確定申告までに削除して、正しいデータにすれば良いだけ。会計ソフトのデータ自体を監視されるわけではないので、安心してください。
なお会計ソフトについて、もっと詳しく知りたい人へ向けて、このあと各社サービスの特徴など細かく紹介していきます。
会計ソフトの選び方を詳しく解説
まず会計ソフトの形態は、大きく2種類あります。
- パソコンにインストールするソフトウェア型
- インターネット経由で利用できるクラウド型
例えば前者は、代表的なソフトに「やよい会計」が挙げられます。ソフトウェア版の会計ソフトとして、長年トップシェアを誇っています。(他に有名なソフトが無い、という現状はあるにせよ。)
もう1つのクラウド型は、インターネット上にデータを保持するシステムです。ネットワーク環境が必要ですが、インストール作業は不要ですぐに使えます。スマホからも利用可能です。
個人事業主向けのクラウド会計ソフトとして、冒頭から紹介している次の3社でシェアを競っています。
- マネーフォワードクラウド確定申告 【僕が使用しているソフト】
- やよいの青色申告 オンライン
- freee
※ この3社で業界シェア率 95%
クラウド型とソフトウェア型の違い
クラウド型 | ソフトウェア型 | |
---|---|---|
インストール | 不要 利用するパソコン問わず、ブラウザでどこからでも利用可能。 | 必要 ソフトを利用するパソコンごとにインストールが必要。 |
ネット環境 | 必要 常にネット上で入力するため、オフラインでは作業できない。 | 必要な場合あり オフライン環境だけでは完結できなが、常に必要としない。 |
税制改正対応 | 自動更新 自動的に更新される。常に最新の法律に対応。 | バージョンアップ必須 ソフトウェア更新が必要。新バージョン購入が必須になる場合もある。 |
利用料金 | 高い? 月額での利用料金が発生する。年額まとめ払いも可能。 | 安い? ライセンスは買い切り費用のみ。ただし税制改正で、買い直しが不可欠。 |
確定申告書作成 | 可能 年初に最新フォーマットへ自動更新される。 | 可能 フォーマットの変更があるとアプリ更新(もしくは買い直し)が必要。 |
データ紛失 リスク | なし データはサーバー上に保存。仮にサーバーが壊れてもバックアップサーバーがあるから安心。 | あり パソコンが壊れたらバックアップがない限り復旧できない。会社によってバックアップサービスあり。 |
データ漏えい リスク | SSL 通信により通信中のリスクは無い。ID とパスワードの漏洩は要注意。 | ウイルス感染による漏洩リスクあり。データ丸ごと抜かれるリスクはソフトウェア型のほうが高い。 |
データ移行 | 不要 ブラウザからログインすれば、どの端末からもアクセスできる。 | 必要 パソコンの変更に伴い会計データの移行作業が必要。 |
費用面でソフトウェア版にメリットがあるように思えますが、バージョンアップに伴う購入や再インストール作業が生じます。前述で紹介したソフトウェア型の「やよいの青色申告」は、なんだかんだで毎年バージョンアップしています。2020年版では消費税改正対応、2023年版はインボイス制度対応のように、数年に1回大きな改修もあります。
確定申告におけるルール変更が行われなければ、ソフトウェア版は何年も使えます。しかし昨今は、頻繁にバージョンアップ(買い直し)が求められます。一方のクラウド会計ソフトは、利用料金は変わらず必要に応じて新機能が適宜追加されるのがメリットです。
またソフトウェア版はライセンスの扱いも面倒で、1つのライセンスで複数のパソコンにインストールできません。つまり利用するパソコンが限られます。そして別のパソコンにライセンスを移す場合は移行作業が必要。ソフトウェア型は簡単に利用端末を変更できないのが最大のデメリットです。
クラウド会計ソフトの選び方
どのソフトを選んでも、基本的な機能は同じ。会社によって多少の違いがあってもアプリの目的は同じなので、あとは自分が使ってみた感覚で選ぶのをおすすめします。
個人事業主として活動し続ける限りお世話になるソフトです。この会計ソフト選びは少し時間を掛けても良いと思います。僕は各社で提供されている無料トライアルの期間を利用して、自分にとって使いやすいソフトを見つけました。
ではその時の経験を踏まえて、各社の特徴を簡単にまとめておきます。
やよいの青色申告は定番ソフト
弥生はインストール版の時代から会計ソフトの定番であり、クラウド化されてもその傾向は変わりません。ただ利用者が多い割に、インターネット上の情報が少なく感じます。サポートなしのプランを契約した場合、ネットだけの情報で解決できるのか判断が難しいところ。
また弥生会計は、取り扱っている税理士事務所が多いのも特徴です。将来的に会計処理を税理士にお願いすることを検討しているなら、はじめから「やよいの青色申告」を使っておくほうがスムーズに運ぶと思います。
利用料金は、サポートなしのセルフプランが年間9,680円 (税込)。サポート付きのベーシックプランが年間15,180円 (税込)。どちらもインボイス制度の消費税申告書の作成に対応。
ネットで調べて自己解決できる能力があるならセルフプランで大丈夫です。ベーシックプランは、電話やメールでのサポートに対応しています。初年度はベーシックプランを推奨したいですが、1年間無料で使えるのはセルフプランのみなのが悩ましいところ。ベーシックプランは初年度半額での提供です。
感覚で入力できる手軽な freee
青色申告で必要な複式帳簿はデータ入力が面倒なケースも多く、ユーザー側の入力の手間を簡素化するための機能が用意されているのが freee の特徴。簡単な入力で、自動的に仕訳データを作成してくれるため、会計処理の知識に乏しくてもどうにかしてくれるツール。
とにかく会計処理を楽にしたい人にぴったりのサービスです。年間費はスタータープランで年間12,936円(税込) ですが、インボイス制度の消費税申告書の作成に未対応。
【注意点】楽天銀行との口座連携による明細の自動取り込み機能が使えません。(他の2社は自動取り込み可能です)
バランスの良いマネーフォワードクラウド
僕が最終的に選んだサービスです。総合的な使い勝手の良さと、請求業務が同じ料金内で利用できることから、マネーフォワードに決めました。
開業から2年近くは、帳簿付けの勉強をしながらの利用です。少しづつ経験を積み重ねるうちに、勝手に知識が身についていく感覚があります。やよいとどっちが良いか甲乙つけがたいです。無料トライアルで並行利用して同じ仕訳データを入力しながら、直感的に便利だと感じたほうを選ぶと良いです。
メール・チャットのサポートが付いて、インボイス制度の消費税申告書の作成にも対応したパーソナルプランが年額12,936円(税込)。パーソナルミニは消費税申告書の作成に対応しておらず、年額10,560円(税込)。無料トライアルは1ヶ月。
個人的にはマネーフォワードクラウドがお気に入り
なぜ、マネーフォワードクラウド確定申告を選んだのか。
無料トライアルできる1ヶ月間、3社のクラウド会計ソフトを一緒に使い続けて、使い勝手の良さを実感できたのが決め手です。やよいの青色申告は安く利用できるメリットがあるものの、請求書作成が別料金になるため結果的にマネーフォワードが僕の用途での最安値になったことも影響しています。
マネーフォワードクラウドは、雑所得の申告をする一般ユーザー向けに、無料機能も用意されています。プラン一覧に掲載があるので、こちらについても簡単に触れておきます。
年間仕訳件数50件以内であれば無料で使い続けることができる!
事業所得の確定申告書は作成できません。そもそも「無料機能」は個人事業主に向けたサービスではないので要注意。
無料でできること、できないことは次の通り。
- 1年度につき50件まで仕訳登録が可能
- 仕訳帳・総勘定元帳・補助元帳・決算書の閲覧、およびPDF出力が可能
- 補助元帳の「PDF一括出力」は利用できない
- 各種CSV出力は利用できない
- 確定申告書のプレビューとPDF出力は利用できない
- 青色申告決算書のプレビューとPDF出力は利用できない
- 雑所得や控除のみの申告は無料で使える
- 金融機関明細の「手動取得」機能は利用できない
- メンバーの新規追加はできない
価格は「やよいの青色申告」が最安値
やよいの青色申告にも、最大2ヶ月間の無料体験プランも用意されています。ただしこちらも、確定申告書の出力までは提供していません。
最終的に確定申告を行うためには、セルフプランまたはベーシックプランの契約が必要です。サポートが一切ない、初年度無料のセルフプラン、電話サポートのあるベーシックプランは、初年度半額で提供。圧倒的に初年度の費用を安く抑えられるのが、やよいの青色申告です。
サポートがなくても、調べられる力があればセルフプランで問題なし。ダメなら途中で差額を払って、上位のベーシックプランへの変更もできます。ただ請求書作成は別料金なので、請求業務が必須な事業者の方はマネーフォワード推奨。
freee は税務調査サポートプランがある
freee の無料期間は1か月のみ。それ以降も無料のまま使い続けることはできますが、データ保存期間が1ヶ月のみなので、用途は限定的です。
freee の最上位のプレミアムプラン(年間43,780円)は、税務調査サポート補償がついているのが特徴です。月締め、電話サポートなど、他の2社にない特別なプランです。税務署へ丸投げする予算はないけど、それに近い手厚いサービスを受けたいのであれば、freee が一歩進んだサービスを提供してくれています。
使いづらかったら他社へデータ移行できる
基本的に会計ソフトは、一度使ったら同じ会社のソフトを使い続けることになります。それでも有料プランであれば、全データのインポート・エクスポート機能が提供され、他社への乗り換えも簡単にできる仕組みが用意されています。
一度選んだ会計ソフトは一生使い続けない、と心配する必要はありません。
なお、値段の安さで選ぶのはナンセンスです。あくまでも自分にとって使いやすいサービスはどれか、使用感を把握した上で選ぶのがポイント。ここで紹介した3社であれば、信頼度も高くどこを選んでも安心できます。
最初は同時に使って見極める
これは僕が実践した方法です。各社の良し悪しの情報を集めても、それが自分にピッタリなのかは実際に使ってみないと正しい判断はできません。
分かりやすく例えると、iPhone と Android どっちが使いやすい?Windows と Mac どっちが使いやすい?といった疑問に答えるのと同じ感覚です。経験値ゼロで、どっちが良いか判断するのは難しいです。
使いやすさを見極めるときに、次のようなポイントを抑えておくと判断しやすいと思います。
- それぞれ同じデータを入力する
- 口座連携して自動仕訳の使い勝手を確認
- 勘定科目の選びやすさを確認
- 入力したデータの探しやすさを確認
- 各種会計帳簿の見やすさを確認
- 確定申告の作成手順を確認
- クレジットカード連携は必要に応じて
クラウド会計ソフトを使ってみる
自分にどれが最適なのか、使用感は人それぞれ異なります。無料トライアルの期間を利用して、まずは経験するところからスタートです。
仕訳の入力は勉強と慣れ
個人事業主になって自身で会計管理をするのであれば、最低限の仕訳入力方法は身に付けておきたいです。簿記の資格は不要ですが、3級程度の知識があると調べ物をしても理解が進みます。
ゼロからネットの情報で学ぶのは大変なので、このカラー図解の本がおすすめです。素人だった僕が、簿記の知識を得るために参考にしていた本です。
仕訳入力は日々の経験で慣れます。僕もはじめは帳簿付け初心者でした。最初は苦労しましたが、もう7回も1人で確定申告してるので慣れたものです。
基本性能はどのソフトも同じ
例として、代表的なクラウド会計ソフト3つを紹介しました。これらソフトで、利用できる機能に大きな違いはありません。他にも会計ソフトは存在しますが、利用者数が多いほど情報も多く転がっています。初心者・経験者関係なく、この3社から選んでおけば安心です
- マネーフォワードクラウド確定申告
- freee
- やよいの青色申告 オンライン
僕が最終的にマネーフォワードクラウドを選んだ経緯は、次のページでも説明しています。もっと詳しく知りたい方は参考にしてください。
前述の通り、お試し期間を上手く利用して1ヶ月間並行運用すれば、自分にピッタリのソフトはすぐに分かります。直感的に入力しやすいと感じたソフトが、自分の事業に合ったソフトです。
会計ソフトは、一度使いはじめたら長い付き合いになります。確定申告が目前に迫っていない限りは急いで決める必要はないので、自分に合ったものを慎重に判断していきましょう。
以上、個人事業主の会計ソフトの利用に関するお話でした。