ゆうちょ銀行で個人事業主が屋号のみの口座を開設する方法

2017/02/27

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帳簿管理の都合や一般的な個人口座を事業に使えない関係上、事業用に銀行口座を作ることにしました。しかし、大手銀行を含め個人事業主が屋号のみで口座開設することが難しいのが現状です。どうしても屋号で作らなくてはいけない理由はありませんが、仕事に対するモチベーション向上のために、最初の口座は屋号で作りたい想いがありました。

そこでいろいろ調べたところ、ゆうちょ銀行であれば屋号のみで口座開設できることが判明しました。

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ただ昨今は安易に銀行口座が作れないよう、各行チェックが厳しくなっているようで、口座開設まで若干の時間を要します。僕の場合は口座開設の手続きとは別に、もう一度ゆうちょ銀行へ資料を提出するために出向く必要がありました。

今回は僕の経験を元に、ゆうちょ銀行で屋号のみの振替口座を開設する方法について説明していきます。

ゆうちょ銀行で屋号のみの口座を開設する

屋号での振替口座開設は、ゆうちょ銀行の中でも特殊な手続きなようで、行員もあまり慣れていない印象を受けました。書類への記載事項についても1つ1つ確認しながら行ったため、書類の提出完了まで30分の時間を要しました。

ゆうちょ銀行の振替口座とは?

振替口座は科目が「普通」ではなく「当座」の扱いになります。他にも通常の口座と取扱いが異なるため、あとになって「想定していたものと違う!」とならないよう、ゆうちょ銀行の振替口座の特性について事前に把握しておきましょう。

  • 通帳やキャッシュカードが無い
  • 口座預金に対して利子が付かない
  • 保証の上限額がない
  • 取引が発生する都度「振替受払通知票」が郵送で届く(Webサービスあり)
  • ゆうちょダイレクト(ネットバンキング)が利用できる
  • ゆうちょダイレクト経由で自身の総合口座へ月5回まで無料で振替可能

通帳・キャッシュカードが無いのに、どうやってお金の入出金をするのか?その答えは基本的に窓口にて取引となります。これはとんでもなく面倒ですよね。ATMを使えないデメリットは大きいです。ただし、ネットバンキングが利用できるので、そちらを介して自身の口座へ振替(屋号の口座から個人名の口座へ振込むこと)すれば、窓口へ出向く必要はありません。

インターネットが使えないとかなり不便になるので、自身の環境に合わせて開設を検討ください。

なお、利子が付かないのは当座預金ならではの特徴です。その代わりに、総合口座では銀行倒産時に預金残高に対して最大1,300万円の保証しか受けられないのに対し、振替口座では上限なしの保証が受けられます。また小切手が発行できるのは当座のみと、事業に特化した口座になりますので、その特徴も抑えておきましょう。

口座開設に必要なもの(持ち物)

口座開設にあたり、最初に銀行へ持っていたものは次の通りです。

  • 印鑑(個人名のもの)
  • 開業届の控え
  • 名刺(屋号の入ったもの)
  • 身分証明書(運転免許証)

名刺は念のため持っていったものなので、持っていなくても口座は開設できます。また事業内容にもよりますが、以下のものが用意できるのであれば、持参したほうがスムーズに手続きが進みます。

口座開設時に持っていったほうが良いもの

  • 屋号の入ったチラシやパンフレット等の書類
  • Web サイトを印刷したもの(屋号・個人名が入っているページ)

詳しくは後述しますが、ネットを介するビジネスの場合、これらの資料が無いと審査に通すのが難しいようなので、事前に用意できるのであれば持参しましょう。

振替口座加入申込書の入力

まず銀行の窓口で、個人事業主として屋号で振替口座を開設したい旨を伝えます。ここで「屋号での開設」であることをきちんと伝えないと、個人名の普通口座の手続きと勘違いされるので気を付けてください。

振替口座加入申込書を渡されるので、そちらに必要事項を明記します。入力項目と記載事項は次の通りです。

項目内容
おところ事業所の所在地として登録している住所を記入
おなまえ屋号ではなく個人名を記入
日中ご連絡先
電話番号
連絡が付く電話番号を記入(携帯電話の番号で良いです)
設立年月日生年月日を記入
代表者上記の記載事項と同じなので記入は不要
別名(フリガナ)屋号を記入します(アルファベットが含まれていても問題ありません)
別名のみ表示この項目にチェックを入れることで、口座名義が上記の別名に記載した名前になります
口座を開設する
貯金ジムセンター
店舗によって管轄が異なるので、窓口で確認しましょう
加入者払込店
加入者払出店
払込店・払出店は入出金をするための店舗です。特に理由がない限りは手続きした店舗、つまり事業所から最も近い店舗となります。こちらも窓口で確認することをおすすめします。

「生年月日/設立年月日」について、屋号で開設するからと開業届に記載した開業日を書いたところ、個人事業主の場合は個人の生年月日を入力しなくてはいけないとのことで書き直すことになりました。間違いやすい項目なので気を付けてください。

口座名義を屋号のみとした場合、ゆうちょ銀行の書類の宛先も屋号となってしまいます。そのため、集合住宅の場合に届かないケースがあるようです。屋号で郵便物が受領できるか確認されましたが、実際にどうなのか分かりません。

そこで提案してもらったのが、住所の末尾に「○○方」(○○は名字)と付ける方法です。郵便物のプロがそう言うのですから、提案通りに追記することにしました。

屋号は次の「別名」の欄へ記載します。右の「別名のみ表示」にチェックを入れることで口座名義に個人名が入らなくなります。黒塗りて潰している口座記号番号は、手続きが終了すると番号が発行されて控えにも打ち込まれます。

あとは書類に押印(個人名義のもの)し、屋号が記された書類(開業届の控え)と身分証明書(運転免許証など)を提出すれば手続きは完了です。開業届の控えと身分証明書は、銀行側でコピーした上ですぐに返却してくれます。

また屋号の確認について、当初はパンフレットやチラシ等があるか確認されましたが、そのようなものを使う事業ではないため作っていないと伝えました。

最後に提出書類の控えを渡され、この日の手続は終了です。

ネットビジネスに利用する口座は事業内容を確認する追加情報が必要になる

僕の現在のメイン事業が Web サイトの作成・運営を含めたインターネット関連の仕事であり、開業届にもそのように記載していました。すると口座開設手続きから一週間ほどして、ゆうちょ銀行から電話が掛かってきました。内容は次の通りです。

昨今はネットビジネス用に口座開設をされる人が多く、振込詐欺も増えているため、口座開設において開業届のみでは事業内容が確認できないため審査を通すのが難しくなっています。そこで屋号・住所・個人名の載った「特定商取引法に基づく表示」のページを印刷し、持参いただけないでしょうか。

特定商取引法の対象となる取引は、ネット通販や訪問販売、エステや学習塾といった長期・継続的なサービスを提供する事業などが挙げられます。しかし現状は Web サイトを経由して商品を販売したり、サービスを提供する事業は行っていないため、屋号での Web サイト運営を行っていません。

ご覧いただいているブログ NJ-CLUCKER や、その他の Web サイトも事業の一部ではあるものの、屋号とは異なります。ひとまず現状をきちんと伝え、銀行側で確認をしてもらうことになりました。そして数十分後に改めて電話が掛かってきました。

「特定商取引法に基づく表示」のページが無い件につきましては了承しました。別途、運営している Web サイトがあるとお伝えいただきましたが、そちらのサイトに運営者情報として屋号が記載されたページがございましたら、そちらを印刷いただきたく存じますがいかがでしょうか。

何もないと審査を通せないようなので、こちらは譲歩された最低限の条件のようですね。でもこれであれば用意することは可能です。記載ページの URL 情報としての提供ではなく、単純にページを印刷したもので構わないようなので、印刷したものを持って再び郵便局へ出向きました。

僕が運営者情報として載せていた内容は、屋号と氏名のみです。住所や電話番号の掲載はありません。提出時に掲載内容を確認しましたが、これらの内容で問題ないと受理してもらえました。

屋号にハイフンがある場合は確認される

上記の内容とは別件で、屋号とフリガナに関して確認事項がありました。屋号がアルファベットとハイフンで構成されているので、名義上「-」ハイフンと「ー」伸ばし棒のどちらを使っているのかと、フリガナにもこれらを付けるかの2点です。

念のための確認とのことで、屋号はハイフンにしてもらい、フリガナはハイフンなしの扱いにしてもらいました。

追加書類提出後、約10日で書類が届く

追加の書類提出後は特に連絡もなく、口座開設の手続きからのべ2週間ほどで振替口座開設の書類が届きました。ゆうちょ銀行の振替口座は、キャッシュカードや通帳がないため、口座記号番号や名義が記された用紙が1枚と、振替口座ご利用のしおり、そして振替受払通知票 Web 紹介サービスに関する資料が同封されていました。

ゆうちょダイレクトの申込は開設後に行う

口座開設の連絡をもらったら、引き続きゆうちょダイレクトの申請を行いましょう。口座開設時に伝えておけば、事前に郵送用の依頼書をもらえます。記入した書類を直接窓口に持っていくこともできるので、都合の良いほうを選びましょう。

既存の個人口座に対して追加できない

既に個人口座でネットバンキングが使えるようになっている場合、そこから口座追加することができます。しかしここで追加できるのは同一名義の場合に限るため、屋号で開設した口座を追加することができません。

よって、上記の書類による手続きが必要になります。

会計ソフトと連携するなら申込必須

ネットバンキングの契約は ATM で入出金できるように、個人口座への振替を目的として必要になると伝えましたが、残高チェックは入出金明細を確認する上でも役に立ちます。また昨今は、会計ソフトに銀行口座との自動連携があり、この連携を行うためにネットバンキングの情報が必要になります。

ただ、ネットバンキングの情報を連携するのは必ずしもノーリスクとは言えません。僕の場合、メインの会計ソフトは「MFクラウド確定申告」を利用しているのですが、口座との自動連携システムが楽過ぎて、ネットバンキング連携がないと困ってしまうほどです。

取引が発生する度に手入力するのが手間でなければ連携する必要はありませんが、連携したほうが会計事務作業の手間が確実に減るので、個人的には必要としているサービスです。

ネットバンキング申込から利用できるまでは一週間以上

申込用紙を提出後、ネットバンキングが利用できるまでは、時期にもよりますが一週間から10日ほど掛かります。

書留郵便で「ゆうちょダイレクト利用者カード」が郵送されるため、ポストへの投函ではなく直接受け取る必要があります。初回ログイン時にはパスワード変更や、秘密の質問をいくつか設定する必要があり、10分から15分ほどの作業で、ゆうちょダイレクトが利用できるようになります。

個人事業主として屋号の口座開設から、ネットバンキングを利用できるようになるまで、のべ3週間ほどの時間を要します。どちらも申請してすぐに利用できるわけではないので、手続きの際は時間が掛かることを前提の上で申し込むようにしましょう。

以上、個人事業主として「ゆうちょ銀行」で屋号のみの銀行口座を開設する方法でした。

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気力・体力勝負なシステム業界のエンジニアを経て、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。目指すところへの道のりは険しいですが、自分が自分らしくあるために、一歩ずつ進んでいきます!

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