金沢・和倉温泉・輪島へ二泊三日の車の旅【2日目】酒蔵見学そして能登の海と郷土料理を満喫
東京から車で6時間半、たどり着いた先は石川県金沢市。初日は主に市内の定番スポットを巡り、金沢を満喫する一日を過ごしました。
2日目の目的地は、能登半島のど真ん中に位置する和倉温泉です!
【2日目】酒蔵見学から能登半島へ
初日の夜間移動の疲れが溜まっていたせいか、朝まで熟睡でした。最初の予定は 10:30 に予約していた酒蔵見学のため、宿を出たのは 9:30 過ぎ。朝からのんびりモードでのスタートです。
やちや酒造 酒蔵見学
歴史は江戸時代までさかのぼります。石川県の加賀藩と言えば、前田利家です。その加賀藩御用達の酒蔵が、この「やちや酒造」となります。
建物は200年もの歴史を持ち、文化庁登録有形文化財に指定されているほど。金沢の地で400年近くもの間、日本酒を作り続ける歴史ある酒蔵です。日本酒が好きな人は「加賀鶴」と聞いてピンとくる方もいらっしゃるでしょう。
ここでの目的は酒蔵見学です。
事前に電話予約すれば蔵を見学できます。勿論、日本酒の試飲もあります。予約方法は「やちや酒造」のホームページを確認ください。
朝一発目の 10:30 から見学予定で、15分前に到着。見学料は1人500円です。
500円分の日本酒割引券が付いているので、日本酒を買えば見学料は実質0円です。
見学者は僕ら4人と、他2人の6人のみ。全員揃ったので予定より前倒しで見学がスタートしました。靴からサンダルへ履き替えて見学開始です。酒蔵の中へ入るや否や、日本酒の香りが漂ってきます。この空間に長時間いたら酔っ払ってしまいそうな勢いです。説明してくれるおばちゃんに付いて、蔵の奥まで案内されます。
立ち並ぶ大量の酒樽に、瓶詰めされるのを待機している日本酒たち。樽と言ってもウィスキーやワインとは異なり木製樽ではありません。何千リットルもの量を蓄えられる、鉄製のホーロー加工されたタンクに貯蔵されています。
30分ほどの見学が終わり、いよいよ試飲タイムです。試飲できるのは次の4本でした。一番右にある梅酒は、日本酒ベースの梅酒です。ドライバーを除く3人で、美味しくいただきました。
- 純米吟醸「利家とまつ」
- 特別純米酒「前田利家公」
- 本醸造「加賀鶴(辛旨)」
- 日本酒で作った「加賀鶴梅酒」
どれも四合瓶で大体1,700円から2,000円の金額帯です。また、これらとは別に超特選大吟醸「加賀鶴」も試飲させていただきました。超特選なだけあって飲み口もまろやかで、これは贅沢な日本酒でしたね。
これは試飲だけじゃ物足りないと、夜飲むためのお酒として、加賀鶴の「超特選大吟醸」の限定品と「純米生貯蔵酒」を購入して酒造を後にしました。
SAKE SHOP 福光屋 金沢店
続いては、金沢で最も古い1625年創業の酒造「福光屋」の直営店です。ちなみに「やちや酒造」の創業は1628年と3年しか違いがありません。どちらも長い歴史を持つ老舗です。
この直営店の裏に福光屋の酒蔵があります。最初はこちらの蔵元を見学するつもりだったのですが、酒蔵に入れる時期が10月から4月までと限られていたので、今回は諦めました。酒蔵を見学できない期間は、映像を見て試飲できるイベントが行われているようなので、興味のある方は公式サイトをご覧ください。
福光屋の直営店に来た目的は、ドラゴンクエスト誕生30周年記念で作られた日本酒、純米大吟醸「そして伝説へ…」を買うためでした。ロトの紋章、ロトの剣があしらわれた化粧箱に、ブルーボトルに詰められた大吟醸。そしてスライムの焼印が施されたマス。
しかし残念なことに早々に品切れとなってしまったようで、入手できませんでした。ちょうど良いタイミングだったので買えるだろうと思っていましたが、考えが甘かったようです。
せっかく日本酒を買いに来たのに手ぶらで買えるのも何なので、季節限定酒である純米吟醸「福正宗 金沢涼風」を自宅用のお土産として購入しました。名前の通り爽やかで飲み口も軽く、普段好んで飲む菊水の吟醸生酒「無冠帝」に近い味わいの日本酒です。
一升瓶での販売が無かったので、四合瓶を二本お買い上げです!
道の駅「高松」
金沢での用事は済んだので、いよいよ能登半島入りです。能登へと続く無料の自動車専用道路「のと里山海道」を進んでいきます。
この道路は能登半島西側の海岸に沿って道路が作られているため、半分近くは海岸沿いを走ります。快晴に恵まれたこともあり、とても気持ち良いドライブでした。そしてちょうど昼時に寄ったのが、のと里山海道高松 SA に併設された道の駅「高松」です。
建物の裏に出ると、目の前に海岸が広がります。道の駅より、もはや海の駅です。平日の昼間だったので、海岸を歩いている人はほとんど居ません。最高の空間で贅沢なひとときを過ごしました。
ランチは地元かほく市の豚肉を使った定食をいただきました。能登の肉と言ったら「能登牛」が有名ですが、豚肉も侮れません。地方へ行くとブランド牛ばかり目立ってしまうものの、豚肉にも注目すると結構美味しいものにありつけたりします。
肉厚なのに非常に柔らかく、豚肉の甘みを存分に楽しめる味でした。美味しい豚肉を食べてしまうと、東京に帰って安いスーパーの豚肉で我慢できるのか心配になってしまいます(笑)
千里浜(ちりはま)なぎさドライブウェイ
海岸の砂浜を車で爆走できる「千里浜なぎさドライブウェイ」をご存知ですか?砂浜と言えども、波打ち際ギリギリを車で走れる日本随一のスポットです。
全長 8km の長さを誇り、波が高い日など、安全に走行できないと判断された日は進入規制が行われます。なお車やバス、バイク等の車種は問わず、自転車でも走行可能です。管理元である羽咋市のサイトには、一輪車でも走れると記述があります。
舗装された道路を走るのとは違い、ガードレールはありません。海と隣りあわせで走るような状況です。夏は海水浴客も居るようなので、車で走るにはベストな時期だったと思います。
天気は良いし車も少ないし、窓全開で走ると潮風をダイレクトに感じて気持ちが良い!のですが……あまりにも風が強すぎて、全開で走り続けるのはちょっと厳しいです。
車の CM みたいな光景で、愛車を撮影するには最高のロケーションでした。
これだけ気持ちの良い場所ですから、夕焼け空もたいそう綺麗なんだと思います。通行規制が行われていない限り24時間走行可能なので、機会があればまた別の時間帯に走りに行きたいです。
ゆけむりの宿「美湾荘」へチェックイン
2日目の最終目的地は和倉温泉の「美湾荘」です。
和倉温泉の宿と言えば、日本国内指折りのレビュー評価の高い温泉宿「加賀屋」がハイクラスの旅館として有名です。今回はコスパ重視の旅行だったので、同じ和倉温泉内のリーズナブルなプランが用意されていた美湾荘に決めました。
この宿を選んだ一番の決め手は、海に面した部屋が確約されているプランがあったことです。せっかく海沿いの旅館に泊まるのに部屋から海が見えないのは寂しいので、眺望の良いお手頃価格な宿として、こちらを選びました。料金は1泊2食つきで、1人あたり10,000円です。
部屋に入るとすぐ目の前に広がる七尾湾と能登島。想像以上に眺めの良い部屋でした。美湾荘は全室オーシャンビューが売りなので、どの部屋からも同じような景色を眺められます。
予約したのは4人で10畳の部屋です。タイミング良く大きな部屋が空いているとのことで、12.5畳と6畳の2部屋ある部屋に変更してくれました。4人では逆にスペースを持て余してしまう程の大きさです。
宿に着いたのは 15:00 過ぎ。夕飯までは時間がたっぷりあります。すぐに温泉に入っても良かったのですが、少し休憩してから和倉温泉街を散策してみることにしました。
弁天崎源泉公園へ散歩
宿から少し歩いた「加賀屋」の手前にある公園で、その名の通り温泉が沸いている公園です。こちらは足湯ならぬ「手湯」です。
湯加減はちょうど良い感じ。でも手しか浸けられないので、若干物足りなさはあります。この公園の一番のお気に入りスポットは、こちらの「あったかベンチ」です。
座面が温泉で暖められているので、座った瞬間に床暖房のような温もりを感じます。横になったら気持ち良すぎて、思わず寝てしまいそうになりました。
他にも、温泉たまごを作れる熱々のお湯が出ている場所があります。作り方は簡単。たまごをカゴに入れて15分ほど浸けるだけで、半熟状態の温泉たまごができあがります。
公園から少し離れた場所に、生たまごを売っているお店があります。
夜はライトアップされるようなので、時間帯をずらして散策するのも楽しそうです。
公園を抜けた先は七尾湾です。
まだ時刻は16時台と中途半端な時間だったので、温泉街といえども人はまばらです。商店がたくさん立ち並んでいるわけでもないので、どちらかと言うと和倉温泉はのんびりと過ごす場所なのかもしれませんね。
辻口博啓美術館へ寄り道
世界的に有名なパティシエ辻口博啓は、和倉温泉のある石川県七尾市の出身で、この温泉街に自身の美術館があります。水飴など実際に食べられる食材で作られた美術品がいくつか飾られています。美術館の奥にはスイーツを食べられるスペースもあります。
入場料は無料。営業時間は 9:00 ~ 17:00 です。どの作品も、本当に食材なのか分からないほど精巧に作られています。
こちらは水飴でできたものです。写真の画角から伝わりにくいですが、とても大きな作品です。温度が高いと飴が溶けてしまうので、作品が置いてある部屋は冷えています。
美術館と言っても作品数は数えられる程度。ちょっとした寄り道にちょうど良い感じです。
足湯に浸かって温泉たまごを作る
せっかくなので温泉たまごを作ることにしました。先ほどの弁天崎源泉公園ではなく、共同入浴施設の「総湯」の前にも同じように無料で利用できる場所があります。
近くの酒屋(販売終了したレアなお酒が並ぶ不思議なお店)で赤玉を購入し、温泉に浸けて15分放置です。夜の日本酒のアテになる予定です。
外の足湯エリアに浸かって、温泉たまごが完成するのを待ちます。温かくてめちゃめちゃ気持ち良いです。
また飲料用の温泉が出ているところがあったので興味本位で飲んでみたら、あまりに塩っ辛くて思わず吐き出しそうになりました。この時は、和倉温泉の成分が海水と同じだと知りませんでした。
宿に戻り温泉からの夕飯
さあ、宿に戻ったらいよいよ温泉の時間です。
和倉温泉は海の中から発見された珍しい温泉で、江戸時代から湯治の湯として有名です。塩分が非常に強く、殺菌効果や保温効果、塩分で毛穴を引き締め肌をなめらかにする美肌効果があるとされています。
和倉温泉の源泉は全部で4つあり、どの旅館も同じ源泉を利用しています。そのため宿によって泉質が変わることはありません。美湾荘のお風呂は内湯と露天風呂があります。部屋の風景と同様に、露天風呂からは七尾湾が一望できます。
初日はビジネスホテルのシャワーだったので、待ちに待った手足が伸ばせる大浴場です。海が一面に広がる開放感は最高な気分でした。
そしてお風呂を出たら夕食タイム。部屋食ではないので食事処へ移動します。
地元の食材をふんだんに使った郷土料理がメインです。いかで作った魚醤「いしる」で味付けされた能登いしる鍋や磯のりにワサビを混ぜた「磯のりわさび」そして、席に着いてから調理が始まる天ぷらと、なかなかのボリューム感です。
エビにしし唐、そして加賀野菜の五郎島金時。天ぷらは抹茶塩につけていただきます。何度食べても五郎島金時は美味しいです。おかずはこれだけに留まらず、選べるメニューもありました。僕が選んだのは金沢の定番である「のどぐろ焼き」と「治部煮(じぶに)」です。
他にもサラダバーがあり、デザートは一口大のアイスとプリン、そして果物と最後までボリューム満点です。魚醤の「いしる」は僕の口にはあまり合いませんでしたが、郷土料理を十二分に堪能することができました。
続いて、地方へ行った時の楽しみの1つである日本酒の飲み比べです。お猪口サイズで提供してくれるので、味を知るのはちょうど良いです。
白菊、竹葉、宗玄とどれも奥能登の地酒です。地元のお米、地元の伏流水を使って作られる奥能登の日本酒は、どれも口当たりがよくスッキリとした味わいでした。
購入した日本酒を飲む
食事の後は部屋に戻って「やちや酒造」で購入した日本酒の時間です。
超特選大吟醸「加賀鶴」は、四合瓶で4,000円もする高級な日本酒。喉に引っ掛かる嫌味は全く無く、いくらでもクイッと飲めてしまう美味しいお酒でした。
21:30 頃から飲み始めて、気が付いたら2本とも空っぽ。なんだかんだ盛り上がってしまい、就寝したのは午前3時です(笑)翌朝、朝食も用意されているのに無事起きられるか心配です。
2日目まとめ
早々に和倉温泉入りしたので、観光は控えめに。晴天に恵まれた能登の海と食事を堪能した1日でした。
時刻 | イベント |
---|---|
9:30 | チェックアウト |
10:15 | 「やちや酒造」蔵元見学 |
11:30 | 福光屋金沢店で買い物 |
13:00 | 道の駅「高松」にてランチタイム&海岸散歩 |
14:00 | 千里浜なぎさドライブウェイ |
15:30 | ゆけむりの宿「美湾荘」へチェックイン |
16:15 | 弁天崎源泉公園へ散歩 |
16:30 | 辻口博啓美術館へ寄り道 |
16:40 | 和倉温泉街を散策からの温泉たまご作り |
17:30 | 宿に戻って温泉タイム |
19:30 | 食事処「えん」にて夕飯 |
20:30 | 部屋に戻って日本酒タイム |
27:00 | 就寝 |
さあ、残すはあと1日。3日目に続きます。