伏見稲荷大社にたくさんある小さな神社「お塚」を巡る旅
伏見稲荷大社の千本鳥居が立ち並ぶ稲荷山の参道には、数多くの「お塚」が建てられています。初めて行く人が見たら、どうして伏見稲荷には小さな神社がたくさんあるのだろうと驚かれると思います。
Q. お塚ってなあに?
A. 稲荷大神様に別名をつけて信仰する人々が石にそのお名前を刻んで、お山に奉納したもの。
お塚とはお稲荷さんを信仰する方が、プライベートな守護神として各々名前を付けて奉納したものです。「お塚信仰」とも言われ、その数は一万近いそうです。伏見稲荷はたくさんの鳥居の数に圧倒されてしまいますが、それとほぼ同数のお塚があるとは驚きです。
初詣で伏見稲荷大社を参拝したついでに、お塚巡りもしてきました。
様々な神様が祀られた「お塚」
せっかく伏見稲荷大社へ出向くなら、数多くあるお塚を巡るのも面白いと思います。流石に全てを回るのは不可能なので、千本鳥居を見たあと三ツ辻からぐるっと回って帰ると、程良い時間(60分 ~ 90分)で戻って来れます。
どんな神様を祀っているのか分かるように "のぼり" が立っているお塚もたくさんあります。もしかしたらあなたにぴったりの神様が祀られているかもしれません。
眼力社 – 眼力大神
風が吹いていてのぼりがひっくり返ってしまいましたが、まず最初に見えるのがこの「眼力大神」です。名前の通り眼の神様です。
眼に関する病が良くなる、先見の明/眼力が授かるご利益があると伝えられています。僕は幼稚園の頃からメガネを掛けるほど乱視が酷いので、これ以上悪くならないようにこちらでお参りさせていただいてます。
さすがに目が良くなることはないので、先見の明が授かってくれると嬉しいですね。
身代わり地蔵尊
災難が起こっても身代わりになっていただけるよう、こちらでもきちんとお参りしておきます。
玉姫大神
良縁の神様だそうです。仕事にプライベート、人との縁で支えられてきたような人生を歩んでいる僕にとっては、この恵まれた状況が維持できるよう拝んでおきます。
白狐大神
白狐様が祀られています。こちらには数多くの鳥居が奉納されていました。
脳天大神
首から上の守り神だそうです。困った時に良いひらめきが浮かんでくれると良いのですね。
運動大神
こちら、スポーツの神様です。ここまでくると本当に神様なのかと思ってしまうところもありますが……信じるところから始まりますので、この運動不足の体を鍛えるべく、怪我をしないようにお参りしておくことにします。
足腰守護龍神
運動不足ついでに足腰が悪くならないように参拝しておきます。こちらお不動様が祀られています。よく見ると横に縁結びの神様も祀られていますね。
口入稲荷本宮
伏見稲荷大社の縁結びの神様と言えばこちらです。口入とは中に立って両者の間を取ることを指します。いわゆる仲人のようなもの。こちらの神様に仲介していただき、恋愛だけに限らず人と人の良縁が結ばれるのを祈願しておきましょう。
写真はありませんが、縁結びの人形(口入人形)も販売されています。この人形は三体セットになっており、夫婦である2体の狐と中央に両者の縁を仲介する神様の遣いの狐で構成されています。この三体の人形を持って、口入稲荷神社にて祈願した上で自宅に祀ってください。願い事が叶ったら人形をこちらの神社に返却します。
こちらの神社には、数多くの口入人形が置かれていました。それだけ願いが叶った人が多いのでしょう。
末廣大神
こちら、一の峰にある末広大神ではございません。中には自動販売機や喫煙所があり、休憩所として利用させていただいています。名前の通り末広がりで縁起が良いため、商売繁盛や招福などのご利益があります。
カエルの像が祀られ、中央のカエルが口元からお賽銭が入れられます。
「福かえる」だそうで、何倍にもなって幸せが返ってくると良いですね。
こちらには雀士の阿佐田哲也が祀られた「阿佐田哲也大神」のお塚もありました。引きが強くなりますようにとお願いをしておきます。
上があいた間あき鳥居 – 出世門
最後に現れるのは、この2つに別れている不思議な鳥居です。伏見稲荷にはたくさんの鳥居が奉納されていますが、こちらの鳥居は唯一くぐれない鳥居です。なんでも、鳥居の上部を開くことで運が開ける意味合いがあるそうです。
上に邪魔するものがいないことから出世門とも呼ばれています。
他にも写真では紹介できないほどの沢山の「お塚」があります。どんな神様が祀られているのか探しながら参拝するのも楽しいです。こんなにたくさん神様が居て、ご利益でパンクしてしまいそうな勢いですが、それだけ伏見稲荷大社はパワーの集まった場所だということなんですね。
いなり寿司のお店が多い
伏見でいなり寿司はいかがですか?
伏見稲荷を出るとすぐ横に数多くの商店が並ぶ通りがあります。お店だけでなく屋台も多く建ち並び、こちらで食事をすることもできます。よく見ると、いなり寿司を売っているお店が多くあることに気が付きます。
お稲荷さんへのお供え物と言えば油揚げですよね。伏見はいなり寿司の街としても有名で、正月は三ヶ日だけで25,000個ものいなり寿司が売れるそうですよ。
いなり寿司を祢ざめ家で購入
丁度お腹が空いていたので、いなり寿司を買うならここがおすすめ!と紹介されていた祢ざめ家さんで、持ち帰り用を購入しました。1592年創業で、あの豊臣秀吉にゆかりのあるお店だそうで、秀吉の正室である祢々(ねね)から一文字とってお店の名前を付けたとも言われています。
酢飯に胡麻と麻の実が入っているのが特徴で、関西の繊細な味付けがとても美味かったです。関東のいなり寿司は五穀豊穣を願った俵型をしているのですが、関西のいなり寿司は三角の形をしているんですよね。これはキツネの耳を表して、まさにお稲荷さんそのものです。
伏見稲荷大社、数々のお塚を参拝したくさんのご利益をもらい、いなり寿司を食べてお腹も満たされ大満足です。伏見稲荷全体を回るには、稲荷山を含めると本当に時間が掛かります。ただ時間を掛けるだけの価値はありますので、伏見稲荷を参拝される方は時間に余裕を持って行かれると良いでしょう。
以上、伏見稲荷大社にたくさんある小さな神社「お塚」の紹介でした。