FFFTPの設定をWinSCPに移行する方法

FFFTP は、FTP クライアントソフトウェアの定番の1つです。
一方の WinSCP は SSH を利用した暗号化ファイルを転送できる SFTP 接続に対応しているため、状況によっては FFFTP ではなく WinSCP が推奨環境として用意されることがあります。
FFFTP にも FTP 接続による通信を SSL 環境にて暗号化する FTPS 接続が可能です。SSH 接続する場合は FTP サーバーを用意しなくて良いので、サーバー環境によっても利用される FTP ソフトが異なります。
これまで FFFTP で接続していたホストの情報は、ソフトの機能により WinSCP へ簡単に移行できます。今回はその手順を紹介していきます。
事前準備
WinSCP は外部ファイルから接続情報を読み込む場合に、差分での取り込みが出来ない仕様になっています。そのため、もし次に該当する方は、WinSCP 側のバックアップ作業を最初に行ってください。
- WinSCP に接続情報が保存されている
- その接続情報が消えると困る
- FFFTP の接続情報を追加で取り込みたい
WinSCP に何も設定していない場合は、下記の作業は不要です。
WinSCP の設定をバックアップ
WinSCP 側の接続情報をバックアップします。アプリを開いて、画面左下にある [ツール] → [設定のエクスポート/バックアップ] を選択します。
ファイルの保存ダイアログが表示されるので、任意の場所に保存します。ファイル名の初期値は WinSCP.ini です。このファイルは後ほどの手順で参照します。わかりやすい場所に保存しておくと良いです。
これで事前準備は完了です。
FFFTP の接続情報をファイル出力する
FFFTP の接続先情報の保存先
FFFTP の設定情報は、レジストリと呼ばれる Windows 上にシステム設定情報を保持しているデータベース上に保存されています。
そのため FFFTP の外部エクスポート機能を用いて、WinSCP に取り込めるように、テキストファイルの一種である ini 形式で出力します。対象となる接続情報は、FFFTP のホスト一覧に表示される情報です。
WinSCP 用に接続情報をエクスポート
FFFTP を起動して、先程のホスト一覧を閉じます。フォルダ一覧が表示されているウインドウから [接続] → [設定] → [WinSCP INIに設定をエクスポート] を選択してください。
実行すると次のような注意ダイアログが表示されます。
内容を要約すると、出力ファイルをそのまま WinSCP で取り込むと既存の設定が消えるので、消したくない場合は事前に出力した WinSCP.ini ファイルを選択してください!ということです。
事前にバックアップ作業を行っていなければ、そのまま新規にファイルを保存します。バックアップを取得していた場合は、事前に出力した ini ファイルを選択して、ファイル保存を実行します。
ファイルを上書き保存する確認ダイアログが表示されます。
ここで行われるのは、ファイルの上書きではなくファイルへの追記です。つまり WinSCP で出力した内容に、FFFTP の設定情報が追記されます。文言の表記が間違っていますが、このまま [はい] を選択して進んで問題ありません。
あとはこの追記されたファイルを WinSCP 側で取り込めば完了です。
WinSCP に接続情報を取り込む
設定ファイルのインポート
WinSCP を起動し、画面左下の [ツール] → [設定のインポート/復元] を選択します。
設定の上書き確認の警告画面が表示されます。OK をクリックすると、接続情報がこれから読み込む設定ファイルの内容に全て置き換わってしまいます。事前準備を行っていない方は改めてバックアップの必要性を確認した上で、先に進むようにしましょう。
あとは FFFTP から出力(または上書き保存)したファイル WinSCP.ini を選択するだけです。
事前準備をしていれば、このように既存の接続情報を残したまま、FFFTP の接続情報が追加で取り込まれます。
もしここで事前準備のバックアップを行っていない場合、FFFTP 接続情報の出力時に WinSCP.ini ファイルを上書きしなかった場合は、既存の接続情報は消えてしまいます
以上、FFFTP の接続情報を WinSCP に移行する手順でした。