Windows 10 で正規の IE8, IE9, IE10 を使う方法

更新日: 公開日:2018/04/05
Internet Explorer

現在、Microsoft の公式サイトからダウンロードできる Internet Explorer のバージョンは 11 のみです。その他のバージョンは既にサポートが終了しているため、セキュリティーアップデートも提供されなくなっています。

ただ企業で使っているパソコンなど、利用しているシステムとの兼ね合いによって、古いバージョンの Internet Explorer が利用されていることがあります。

現在の最新 OS である Windows 10 から、最新のブラウザ Edge が標準ブラウザとなったものの、Internet Explorer 11 は利用できる状態になっています。ただしサポート切れである IE8, IE9, IE10 といった古いバージョンの IE は利用できません。

そもそも Internet Explorer は、複数のバージョンを共存させることができません。裏技的なやり方で導入できなくもないのですが、Microsoft が提供しているものではないため、セキュリティ的なリスクが伴います。

そこで今回は Microsoft が公式に提供している、仮想環境を介した旧バージョンの Internet Explorer を利用する方法をご紹介します。

Micorosoft 公式の仮想環境を利用する方法

仮想環境とは?

簡単に言ってしまえば Windows 上で動く、別の Windows です。アプリのような感覚で、Windows 内に別の Windows 環境を構築したものが仮想環境になります。

Windows 上で動く仮想環境

メインで動かしている方の Windows を ホスト OS と呼び、仮想環境上で利用される Windows を ゲスト OS と呼びます。仮想環境を語る上で、ホスト・ゲストは頻出する用語なので、覚えておくと良いです。

なお通常であれば、ゲスト側の OS もライセンスが必要になります。ただ今回紹介するのは、Microsoft 側でライセンス込みの Windows の仮想環境を提供してくれるサービスであるため、ライセンス料金が発生することはありません。

仮想環境を動かすために必要なもの

仮想環境を動かすためには、そのデータを処理するためのソフトウェアが必要になります。代表的なものは次の通りです。

  • VMWare (Windows, Mac)
  • Hyper-V (Windows Pro)
  • Virtual PC (Windows 7 のみ)
  • VirtualBox (Windows, Mac, Linux)
  • Boot Camp (Mac)
  • Parallels Desktop (Mac)

Virtual PC と Hyper-V は Microsoft が提供しているソフトですが、利用できる環境が限られています。今回は、データベースで有名な Oracle 社が無償提供している VirtualBox を用いて、仮想環境上の IE を利用する手順を紹介していきます。

仮想環境の構築手順

1. VirtualBox をインストールする

まずは仮想環境を動かすためのソフトをインストールします。詳しい手順は、次のページを参考にしてください。

なお、インストールの途中で「ファイルの関連付け」を設定する項目があるので、そちらにチェックを入れておくようにしましょう。

それでは、ここから先は VirtualBox をインストールした前提で説明を進めていきます。

2. 仮想環境をダウンロードする

仮想環境のダウンロードサイトはこちらです。日本語版ではないのでご注意ください。

Free Virtual Machines from IE8 to MS Edge – Microsoft

この仮想環境は、旧バージョンの Internet Explorer を動かすためだけの環境になります。バージョンは IE8 から IE11 まで、そして最新の Edge までが提供されます。それに加えて OS が Windows 7 から Windows 10 まで選択でき、それぞれを組み合わせた環境が利用できます。

利用できる組み合わせ
  • Windows 7 と Internet Exploprer 8
  • Windows 7 と Internet Exploprer 9
  • Windows 7 と Internet Exploprer 10
  • Windows 7 と Internet Exploprer 11
  • Windows 8.1 と Internet Exploprer 11
  • Windows 10 と Edge 現行版
  • Windows 10 と Edge 最新プレビュー版

これらの組み合わせを決めたら、利用するプラットフォーム、つまり仮想環境を構築するためのソフトウェアを選択します。前述の通り、ここでは VirtualBox を利用したケースで説明していきます。

利用できる仮想環境は、他にも次のようなソフトに対応したものが提供されています。

利用できる仮想環境プラットフォーム
  • VirtualBox
  • Vagrant
  • VMware (Windows, Mac)
  • HyperV (Windows Pro)
  • Parallels (Mac)

Windows と IE のバージョンの組み合わせ、そして利用するプラットフォームを選択して、下部の DOWNLAOD.ZIP ボタンをクリックすれば、ダウンロードが開始されます。OS のデータを含むため、ファイルサイズは 4GB を超えます。

バージョンとプラットフォームの選択

仮想環境の Windows OS は全て Enterprise エディションになります。最上位クラスの OS であるため、設定項目の内容が Home や Pro のエディションと異なる箇所があります。

3. ダウンロードファイルの解凍

今回の例では、ゲスト OS に Windows 7 を選び IE9 を動かす仮想環境を構築します。ダウンロードした zip ファイルを解凍してください。

  • 解凍前のファイル: IE9.Win7.VirtualBox.zip
  • 解凍後のファイル: IE9 – Win7.ova

ちなみに Lhaplus など、一部の解凍ソフトにおいて zip ファイルが解凍できない事象が確認されています。その場合は、他のソフトをご利用ください。

4. VirtualBox の環境を構築する

既に VirtualBox がインストールされ、正しく関連付けが行われていれば、解凍した ova ファイルを起動すれば自動的に設定画面が立ち上がります。

仮想アプライアンスの設定

設定画面の項目は、ダブルクリックで内容を変更できます。初期設定のままだと動作が重くなってしまうので、メモリの割り当てを初期設定の 1024MB から増やしてあげることをおすすめします。

ゲスト OS のタイプ の項目を確認すると 32-bit と記されているので、メモリの認識は最大で 3GB までになります。ホスト側のマシンのメモリが 8GB 以上ある場合に限り、RAM の項目に最大の 3GB (3072B) を割り当てましょう。もし 4GB しかないのであれば、初期設定の 1024MB で我慢してください。

仮想アプライアンスの設定 - メモリ

また仮想環境のデータを保存するフォルダが、C ドライブのユーザーフォルダ内に勝手に作られてしまうので、下記画像のように「仮想ディスクイメージ」の保存先を任意のフォルダに変更しておいた方が良いです。ちなみに環境構築後はファイルサイズが 15GB まで膨れ上がります。

仮想アプライアンスの設定 - データフォルダ

あとの細かい設定は、内容が理解できる人のみ必要に応じて変更してください。よく分からなければ、そのままにしておいた方が無難です。設定項目を変更したら [インポート] ボタンをクリックすれば、仮想環境の作成処理が開始されます。

仮想アプライアンスのインポート

上記の設定内容に合わせて、仮想環境の構築が実施されます。ホスト OS の環境にも依りますが、このインポート作業は5分ほどで完了します。

インポート処理

インポート処理が完了すると、ご覧のような VirtualBox マネージャーの画面に遷移します。左側のリストには、作成した仮想環境が表示されています。

VIrticalBox 起動画面

5. 仮想環境を起動する

左側のリストから起動する仮想環境を選択し、上部の [起動] ボタンをクリックします。

VirtualBox 上で仮想環境を起動

マウスやキーボードのキャプチャーに関する注意書きが表示されます。ここは [キャプチャー] をクリックして先に進みます。

マウスキャプチャに関する機能について

マウスやキーボードのキャプチャーをしている状態だと、マウス操作がゲスト OS 側に限定して有効になります。つまりゲスト OS を起動した、仮想環境のウィンドウから外に出られなくなります。この機能を切るにはキーボードの右 Ctrl キーを押すことで設定が OFF になります。言葉では分かりづらいと思うので、実際に操作してみてください。

起動すると、ご覧のように Windows 7 の環境が立ち上がりました。画面は全画面表示ではなく VirtualBox のウィンドウ内に表示されます。

VirticalBox で Windows 7 起動

6. Internet Explorer を起動する

画面左下のクイックランチャーに Internet Explorer 9 のアイコンがあるので、そちらから起動してみましょう。

ネットワーク接続は、ホスト側の設定をそのまま引き継いているため、インターネットにも自動的に接続しています。

IE9 を起動してWebページを確認

今回は Windows 7 + IE9 の組み合わせで試しましたが、Microsoft のサイトから他の仮想環境をダウンロードすることも可能です。この VirtualBox 上には複数の仮想環境を構築することができるので、必要に応じてご利用いただければと思います。

仮想環境の利用における注意点

Windows のライセンスは90日

Microsoft が提供している仮想環境の Windows ライセンスは 90 日 しかありません。つまり、環境を構築してから3カ月でライセンス切れになって、機能が制限されます。

最初から改めて環境を構築すれば、再び90日間のライセンスとして利用できますが、せっかく構築した環境を作り直す手間は大変です。そこで、仮想環境を構築し終えたら VirtualBox のスナップショット機能を利用して、その段階の仮想環境を保存しておくことをおすすめします。

90日経ってライセンスが切れたタイミングで、保存したスナップショットを復元すれば、残りのライセンス期間もその時点のものに復元されます。

壁紙の注意書きをよく読みましょう

仮想環境のバックアップについて、ゲスト OS 側の壁紙にもきちんと記されています。スナップショットの作成もしくはバックアップを取っていれば、簡単にリセットできると書かれています。

仮想環境のバックアップについて

仮想環境の起動時にログインが必要になった場合

設定の変更により、仮想環境起動時にログインを求められるケースがあります。その場合は、次のユーザー名とパスワードをご利用ください。

  • ユーザー名: IEUser
  • パスワード: Passw0rd!

Windows は英語版のみ

提供される Windows は、残念ながら英語版になります。キーボード入力は日本語入力に対応できますが、メニュー表示は全て英語になります。

そもそも旧バージョンの IE を使うために提供された仮想環境なので、ブラウザの表示確認するための環境と割り切って利用できれば、特に困ることはないでしょう。もし確認する上で日本語入力が必要であれば、こちらの記事を参考に設定を変更してください。

以上 Windows 10 で旧バージョンの Internet Explorer を利用する方法の紹介でした。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニアから、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。このブログでは、困ってたどり着いた人に、分かりやすく答えを提供できるように心掛けています。

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