Windows 10 で正規の IE8, IE9, IE10 を使う方法

更新日: 公開日:2018/04/05
Internet Explorer

現在、Microsoft の公式サイトからダウンロードできる Internet Explorer のバージョンは 11 のみです。その他のバージョンは既にサポートが終了しているため、セキュリティーアップデートも提供されなくなっています。

Internet Explorer
Windows ユーザーは要注意!IE11 以外の旧バージョンのサポートは2016年1月12日で終了
Microsoft Internet Explorer (以下、IE)は、青い「e」のロゴでお馴染みの Windows に標準搭載されるブラウザです。 最新バー...

ただ企業で使っているパソコンなど、利用しているシステムとの兼ね合いによって、古いバージョンの Internet Explorer が利用されていることがあります。

現在の最新 OS である Windows 10 から、最新のブラウザ Edge が標準ブラウザとなったものの、Internet Explorer 11 は利用できる状態になっています。ただしサポート切れである IE8, IE9, IE10 といった古いバージョンの IE は利用できません。

そもそも Internet Explorer は、複数のバージョンを共存させることができません。裏技的なやり方で導入できなくもないのですが、Microsoft が提供しているものではないため、セキュリティ的なリスクが伴います。

そこで今回は Microsoft が公式に提供している、仮想環境を介した旧バージョンの Internet Explorer を利用する方法をご紹介します。

Micorosoft 公式の仮想環境を利用する方法

仮想環境とは?

簡単に言ってしまえば Windows 上で動く、別の Windows です。アプリのような感覚で、Windows 内に別の Windows 環境を構築したものが仮想環境になります。

Windows 上で動く仮想環境

メインで動かしている方の Windows を ホスト OS と呼び、仮想環境上で利用される Windows を ゲスト OS と呼びます。仮想環境を語る上で、ホスト・ゲストは頻出する用語なので、覚えておくと良いです。

なお通常であれば、ゲスト側の OS もライセンスが必要になります。ただ今回紹介するのは、Microsoft 側でライセンス込みの Windows の仮想環境を提供してくれるサービスであるため、ライセンス料金が発生することはありません。

仮想環境を動かすために必要なもの

仮想環境を動かすためには、そのデータを処理するためのソフトウェアが必要になります。代表的なものは次の通りです。

  • VMWare (Windows, Mac)
  • Hyper-V (Windows Pro)
  • Virtual PC (Windows 7 のみ)
  • VirtualBox (Windows, Mac, Linux)
  • Boot Camp (Mac)
  • Parallels Desktop (Mac)

Virtual PC と Hyper-V は Microsoft が提供しているソフトですが、利用できる環境が限られています。今回は、データベースで有名な Oracle 社が無償提供している VirtualBox を用いて、仮想環境上の IE を利用する手順を紹介していきます。

仮想環境の構築手順

1. VirtualBox をインストールする

まずは仮想環境を動かすためのソフトをインストールします。詳しい手順は、次のページを参考にしてください。

VirtualBOX install
仮想環境 Oracle VM VirtualBox インストール手順
仮想環境とは、パソコン上で別の OS を擬似的に動かすことができる環境を指します。例えば Windows 上で Linux を動かしたり、Mac 上で Windows...

なお、インストールの途中で「ファイルの関連付け」を設定する項目があるので、そちらにチェックを入れておくようにしましょう。

それでは、ここから先は VirtualBox をインストールした前提で説明を進めていきます。

2. 仮想環境をダウンロードする

仮想環境のダウンロードサイトはこちらです。日本語版ではないのでご注意ください。

Free Virtual Machines from IE8 to MS Edge – Microsoft

この仮想環境は、旧バージョンの Internet Explorer を動かすためだけの環境になります。バージョンは IE8 から IE11 まで、そして最新の Edge までが提供されます。それに加えて OS が Windows 7 から Windows 10 まで選択でき、それぞれを組み合わせた環境が利用できます。

利用できる組み合わせ
  • Windows 7 と Internet Exploprer 8
  • Windows 7 と Internet Exploprer 9
  • Windows 7 と Internet Exploprer 10
  • Windows 7 と Internet Exploprer 11
  • Windows 8.1 と Internet Exploprer 11
  • Windows 10 と Edge 現行版
  • Windows 10 と Edge 最新プレビュー版

これらの組み合わせを決めたら、利用するプラットフォーム、つまり仮想環境を構築するためのソフトウェアを選択します。前述の通り、ここでは VirtualBox を利用したケースで説明していきます。

利用できる仮想環境は、他にも次のようなソフトに対応したものが提供されています。

利用できる仮想環境プラットフォーム
  • VirtualBox
  • Vagrant
  • VMware (Windows, Mac)
  • HyperV (Windows Pro)
  • Parallels (Mac)

Windows と IE のバージョンの組み合わせ、そして利用するプラットフォームを選択して、下部の DOWNLAOD.ZIP ボタンをクリックすれば、ダウンロードが開始されます。OS のデータを含むため、ファイルサイズは 4GB を超えます。

バージョンとプラットフォームの選択

仮想環境の Windows OS は全て Enterprise エディションになります。最上位クラスの OS であるため、設定項目の内容が Home や Pro のエディションと異なる箇所があります。

3. ダウンロードファイルの解凍

今回の例では、ゲスト OS に Windows 7 を選び IE9 を動かす仮想環境を構築します。ダウンロードした zip ファイルを解凍してください。

  • 解凍前のファイル: IE9.Win7.VirtualBox.zip
  • 解凍後のファイル: IE9 – Win7.ova

ちなみに Lhaplus など、一部の解凍ソフトにおいて zip ファイルが解凍できない事象が確認されています。その場合は、他のソフトをご利用ください。

Lhaplus の ZIP 解凍時に「場所が利用できません」とエラーが出る原因とその対処法
ダウンロードした zip ファイルを Lhaplus で解凍しようとすると、次のようなエラーが発生してしまいました。 「場所が利用できません」と、エラー...

4. VirtualBox の環境を構築する

既に VirtualBox がインストールされ、正しく関連付けが行われていれば、解凍した ova ファイルを起動すれば自動的に設定画面が立ち上がります。

仮想アプライアンスの設定

設定画面の項目は、ダブルクリックで内容を変更できます。初期設定のままだと動作が重くなってしまうので、メモリの割り当てを初期設定の 1024MB から増やしてあげることをおすすめします。

ゲスト OS のタイプ の項目を確認すると 32-bit と記されているので、メモリの認識は最大で 3GB までになります。ホスト側のマシンのメモリが 8GB 以上ある場合に限り、RAM の項目に最大の 3GB (3072B) を割り当てましょう。もし 4GB しかないのであれば、初期設定の 1024MB で我慢してください。

仮想アプライアンスの設定 - メモリ

また仮想環境のデータを保存するフォルダが、C ドライブのユーザーフォルダ内に勝手に作られてしまうので、下記画像のように「仮想ディスクイメージ」の保存先を任意のフォルダに変更しておいた方が良いです。ちなみに環境構築後はファイルサイズが 15GB まで膨れ上がります。

仮想アプライアンスの設定 - データフォルダ

あとの細かい設定は、内容が理解できる人のみ必要に応じて変更してください。よく分からなければ、そのままにしておいた方が無難です。設定項目を変更したら [インポート] ボタンをクリックすれば、仮想環境の作成処理が開始されます。

仮想アプライアンスのインポート

上記の設定内容に合わせて、仮想環境の構築が実施されます。ホスト OS の環境にも依りますが、このインポート作業は5分ほどで完了します。

インポート処理

インポート処理が完了すると、ご覧のような VirtualBox マネージャーの画面に遷移します。左側のリストには、作成した仮想環境が表示されています。

VIrticalBox 起動画面

5. 仮想環境を起動する

左側のリストから起動する仮想環境を選択し、上部の [起動] ボタンをクリックします。

VirtualBox 上で仮想環境を起動

マウスやキーボードのキャプチャーに関する注意書きが表示されます。ここは [キャプチャー] をクリックして先に進みます。

マウスキャプチャに関する機能について

マウスやキーボードのキャプチャーをしている状態だと、マウス操作がゲスト OS 側に限定して有効になります。つまりゲスト OS を起動した、仮想環境のウィンドウから外に出られなくなります。この機能を切るにはキーボードの右 Ctrl キーを押すことで設定が OFF になります。言葉では分かりづらいと思うので、実際に操作してみてください。

起動すると、ご覧のように Windows 7 の環境が立ち上がりました。画面は全画面表示ではなく VirtualBox のウィンドウ内に表示されます。

VirticalBox で Windows 7 起動

6. Internet Explorer を起動する

画面左下のクイックランチャーに Internet Explorer 9 のアイコンがあるので、そちらから起動してみましょう。

ネットワーク接続は、ホスト側の設定をそのまま引き継いているため、インターネットにも自動的に接続しています。

IE9 を起動してWebページを確認

今回は Windows 7 + IE9 の組み合わせで試しましたが、Microsoft のサイトから他の仮想環境をダウンロードすることも可能です。この VirtualBox 上には複数の仮想環境を構築することができるので、必要に応じてご利用いただければと思います。

仮想環境の利用における注意点

Windows のライセンスは90日

Microsoft が提供している仮想環境の Windows ライセンスは 90 日 しかありません。つまり、環境を構築してから3カ月でライセンス切れになって、機能が制限されます。

最初から改めて環境を構築すれば、再び90日間のライセンスとして利用できますが、せっかく構築した環境を作り直す手間は大変です。そこで、仮想環境を構築し終えたら VirtualBox のスナップショット機能を利用して、その段階の仮想環境を保存しておくことをおすすめします。

90日経ってライセンスが切れたタイミングで、保存したスナップショットを復元すれば、残りのライセンス期間もその時点のものに復元されます。

VirtualBox スナップショットの作成と復元
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壁紙の注意書きをよく読みましょう

仮想環境のバックアップについて、ゲスト OS 側の壁紙にもきちんと記されています。スナップショットの作成もしくはバックアップを取っていれば、簡単にリセットできると書かれています。

仮想環境のバックアップについて

仮想環境の起動時にログインが必要になった場合

設定の変更により、仮想環境起動時にログインを求められるケースがあります。その場合は、次のユーザー名とパスワードをご利用ください。

  • ユーザー名: IEUser
  • パスワード: Passw0rd!

Windows は英語版のみ

提供される Windows は、残念ながら英語版になります。キーボード入力は日本語入力に対応できますが、メニュー表示は全て英語になります。

そもそも旧バージョンの IE を使うために提供された仮想環境なので、ブラウザの表示確認するための環境と割り切って利用できれば、特に困ることはないでしょう。もし確認する上で日本語入力が必要であれば、こちらの記事を参考に設定を変更してください。

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以上 Windows 10 で旧バージョンの Internet Explorer を利用する方法の紹介でした。

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このブログの運営者

NJ

元システムエンジニアから、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。このブログでは、困ってたどり着いた人に、分かりやすく答えを提供できるように心掛けています。

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