Surface Pro 9 の SSD を交換する方法!正しい手順で行えば初心者でも簡単にできる
僕が購入した Surface Pro 9 のストレージ容量は 256GB モデルです。1TB モデルを選んだ場合の価格差は 94,000 円。
そして Surface Pro 9 には、SSD が簡単に交換できる仕組みが用意されています。つまり自分で SSD を交換すれば、予算2万円くらいで SSD を 1TB に拡張できてしまいます。
純正なら9万円オーバー。それが2万円で済むなら、自分で交換するしかありません!ということで、実際に Surface Pro 9 の SSD を交換して容量を 1TB に拡張したので、その手順を初心者にもわかりやすく紹介します。
旧 Surface Pro 8 も同じ手順でSSDが交換できます
- Surface Pro 9のSSDを交換する手順
- インストーラではなく回復ドライブを利用する理由
- Surface Pro 9 SSD 交換時の注意点
- Surface の SSD 交換で用意するもの
- M.2 2230 SSD の選び方【ポイント】
- サーマルパッド【1.0mm】
- トルクスドライバー【T3】
- USBメモリまたはSDカードとリーダー
- Surface Pro 9のSSDを交換する手順
- 回復ドライブを作成する
- 移行したいデータを外部メモリにコピーする
- M.2 2230 SSD を交換する
- Windows をインストールする
- Windows を設定する
- SSDの交換前後でベンチマーク比較
- CrystalDiskMark のスコアを比較
- まとめ
Surface Pro 9のSSDを交換する手順
- 交換する M.2 2230 SSD を用意する【選び方が重要】
- 回復ドライブを作成する
- 移行したいデータを外部メモリにコピーする
- トルクスドライバーで SSD を交換する
- 回復ドライブから Windows をインストール
- 完成
インストーラではなく回復ドライブを利用する理由
新しい SSD に Windows 11 をインストールするために回復ドライブを用いるのは、元々 Surface Pro 9 に初期インストールされていた機能を引き継ぐため。普通の Windows インストーラーを用いた場合、付属してアプリがインストールされなくなります。
Surface Pro 9 SSD 交換時の注意点
大前提として自身で SSD を交換した場合、それが起因となる損害は保証対象外になるということ。その点を踏まえた上で実施してください。
そしてここで紹介する手順は、既存の SSD の内容を丸ごとコピーせず、新しい SSD に Windows 11 を入れ直す方法です。クリーンインストール(工場出荷)の状態にすることで、簡単に C ドライブの容量を拡張できます。
なおデータ内容を丸ごとコピーする方法は、パーティション操作など上級者向けの操作が必要だったり、トラブルを起こしやすいのでおすすめしません。
パソコン内に保存しているデータを移行したい場合は、128GBのUSBメモリ 等を用意して移動します。
Surface の SSD 交換で用意するもの
- M.2 2230 SSD
- サーマルパッド 1.0mm
- トルクスドライバー (T4)
- USBメモリ or SDカードとリーダー
M.2 2230 SSD の選び方【ポイント】
Surface Pro 9 に採用している M.2 SSD は、Type 2230 と定義されている短い形状の M.2 SSD です。あまり入手性は良くないため、M.2 2230 SSD を Amazon などで調べると、どのメーカーかわからない怪しい製品がたくさん出てきます。
SSD 選びのポイントとして、まともな製品がどれか判断できない場合は、ビックカメラやジョーシンなど大型家電量販店でも販売している製品であることを基準に選ぶと、保証がしっかりした製品が見つかるのでおすすめです。
僕が購入時に候補として挙げたのが CORSAIR の MP600 MINI シリーズの M.2 SSD と Micron 2400 シリーズの M.2 SSD です。どちらも2023年に発売された新モデルです。
最大読込速度4,800MB/秒
最大書込速度4,800MB/秒
TBW600TBW
保証期間5年
最大読込速度4,500MB/秒
最大書込速度3,600MB/秒
TBW300TBW
保証期間3年
Micron のほうが少し安く入手できますが、最終的に選んだのは CORSAIR の MP600 MINI です。
撮影した写真など大量のデータを読み書きすることから、TBW (SSDに書き込める総データ容量) が大きいほうが僕の用途には合っていて、かつ保証期間が5年あるのも選択したポイントです。
サーマルパッド【1.0mm】
サーマルパッドは SSD の温度を冷やすためのアイテム。Surface 用の内蔵の M.2 SSD は特別なヒートシンクに覆われていますが、一般的に売られている SSD は丸裸です。
SSD の温度が上昇したままだとパフォーマンスや寿命にも影響するため、サーマルパッドを利用します。どれも性能は同じなので Amazon の安いやつで OK です。
実際に使うのは 1.0mm のみ。このセットが一番安く買えました。
トルクスドライバー【T3】
Surface Pro 9 の SSD は、星型の特殊な形をしたネジで止まっています。換装するには、T3 サイズのトルクスドライバーが必要です。このような複数のビットを交換できるものが、Amazon で購入できます。価格は1,000円くらい。
このセットがあれば、もう精密ドライバーには一生困らないと思います。ちなみに、HDD も分解できるようになります。
USBメモリまたはSDカードとリーダー
「回復ドライブの作成」と、新しい SSD にデータを移行するために利用します。
要するにパソコンのデータを新しい SSD に移すために、どの媒体を介して行うのかという話。外部に保存できるものを何も持っていないなら USB Type-C に対応したUSBメモリ を用意すれば、Surface Pro 9 につないで利用できます。
必要な容量は次の通り。
回復ドライブ | 10GB くらい(OSのデータのみ) |
---|---|
移行用データ | 個々の利用環境による |
データも移行を想定する場合は、容量は 128GB くらい欲しいところ。回復ドライブのみであれば、最低 16GB あれば OK です。できれば回復ドライブ用と移行データ用に、別の保存媒体を用意しておくと便利です。
また USB ハブを持っているなら、USB-A タイプの USB メモリや SD カードが利用できます。僕は【USBハブ + SDカード】の組み合わせで、回復ドライブを作成しました。この Anker のハブは使い勝手がよく外観も好みなので、個人的にかなりお気に入り。
映像HDMI 4K (60Hz) 出力対応
SDUHS-II 対応 312MB/s
重さ160g
映像HDMI 4K (60Hz) 出力対応
SDUHS-II 対応 312MB/s
重さ160g
では実際にSSDを交換していきます。
Surface Pro 9のSSDを交換する手順
回復ドライブを作成する
Surface Pro 9 に USB メモリを接続。僕のように、USB ハブに SD カードを刺しても OK です。接続した外部メモリは、回復ドライブ作成時にデータを空にするため重要なファイルが入っていないか予め確認してください。
Windows のタスクバーにある検索ボックスから『回復ドライブ』と検索して、[回復ドライブの作成] を開きます。
[システムファイルを回復ドライブにバックアップします。] にチェックを入れたまま、次へ。
保存するドライブを選択して、次へ。
回復ドライブを作成するために、ドライブ上のデータが削除されます。重要なデータが保存されていないか、改めて確認してください。問題なければ、次へ。
あとは自動的に回復ドライブが作成されるのを待ちます。システムファイルの容量によって処理時間が異なりますが、30分~1時間くらいが目安です。
移行したいデータを外部メモリにコピーする
交換前の SSD に保存されたデータで、新しい SSD に移行させたいものを外部メモリへ保存します。このとき、回復ドライブの作成で利用した外部メモリではなく、別のものを用意するのがポイント。(Windows インストール時にエラーになる可能性があるため)
もし USB メモリなど外部メモリが1つしかなければ、先に新しい SSD に交換して Windows 11 をインストールしてから、もう一度 SSD を交換して移動したいデータを取り出せば OK です。少し手間が掛かりますが確実にデータを移行できる方法です。
ちなみに僕は、必要なデータを全て OneDrive に保存しています。Microsoft 365 を利用すれば、クラウド保存できる容量は 1TB まで。SSD を入れ替えても、OneDrive に接続すれば自動的にデータを同期してくれます。クラウドのデータは必ずしも本体に保存する必要がなく、使うときだけダウンロードできるからストレージ容量を圧迫しないのもポイント。
OneDrive を経由すればデータを移行することなく、クラウド上のデータと同期するだけ。パソコンを変えるたびに、データ移行しなくて済むのがとても楽になりました。
ここからSSDを交換するので、Surface Pro 9 をシャットダウンしておきます。
M.2 2230 SSD を交換する
Surface Pro 9 は簡単に SSD へアクセスできるメリットがあります。スタンドの内側にあるカバーはマグネットでくっついているだけなので、ポチッと凹んでいる箇所を指で押せば簡単に外せます。
冬場の作業時は静電気に注意。(作業前の手洗いがおすすめ)
内蔵SSDはネジ1本で止まっているだけ。T3 のトルクスドライバーを使ってネジを外します。とても小さいネジなので紛失しないように気をつけてください。
ネジが外れたら SSD のお尻側を持ち上げるようにして、SSD を引き抜きます。あまり力は要りません。少しだけ後ろを持ち上げるのがポイント。
交換用の SSD とサーマルパッドを用意。厚さは 1.0mm がピッタリです。
事前に SSD のチップの大きさに合わせてカットしておきます。透明なフィルムを剥がして SSD に直接張り合わせます。表裏はなく、両方ともフィルムが貼られています。(フィルムをつけっぱなしだと、カバーが浮くので剥がすのを忘れずに)
SSD を外したときと同じように、斜めから SSD を差し込みます。M.2 スロットは斜めに挿せる構造をしているので大丈夫です。あとは先程外したネジを、トルクスドライバーで固定。
カバーを付ける前に、サーマルパッドの透明フィルムを剥がします。両面剥がすとカバーの中にピッタリ収まります。
これで M.2 2230 SSD の交換完了です。
Windows をインストールする
交換が終わったら、作成した回復ドライブを Surface Pro 9 に接続してパソコンを起動します。自動的に回復ドライブが読み込まれます。まずは言語を指定。
オプションは [ドライブから回復する] を選択。ドライブからの回復は、新しい SSD に対して実施するため [ファイルの削除のみ行う] を選択すれば OK です。
[回復] ボタンを押して Windows をインストール。
完了するまでしばらく待ちます。
Windows を設定する
回復ドライブの作業が終わり Windows がインストールされると、Surface Pro 9 購入直後の状態になります。あとは Windows を初期設定すれば完了です。
途中で入れ替え前の SSD で利用していた設定を復元する画面になるので、そのまま進みます。これで OneDrive や各設定を、SSD 交換前の状態に戻せます。
Windows のインストールが終わって C ドライブを確認してみると、きちんと容量が増えています。1TB のうち、回復パーティションなどシステムで利用される領域があるため、実際に利用できる領域は 1TB よりも少なくなります。
あとは必要なアプリを再インストールしなおして、交換前の SSD に保存されていたデータを、こちらの SSD に移動すれば完了です。
なお僕の環境では、M.2 SSD 交換後に Android アプリ (kindle) がエラーでインストールできない事象が起こりました。簡単に修正できますので、Android アプリを使う方はご確認ください。
SSDの交換前後でベンチマーク比較
CrystalDiskMark のスコアを比較
最後に M.2 SSD を交換したことで、転送速度がどうなったか CrystalDiskMark のスコアで比較します。Read のほうはあまり変わらず、Write のほうは 20% ~ 30% ほど性能アップした結果になりました。
どちらも同じ PCIe Gen 4.0 の SSD なので、同じくらいのスコアを期待していたものの、標準の SSD よりも書き込み性能が上がったのは嬉しい結果でした。
まとめ
Surface Pro 9 の SSD を交換する大まかな流れは次の通り。
- 既存の SSD から回復ドライブを作成する
- トルクスドライバーで SSD を交換する
- 回復ドライブから Windows をインストール
購入したのは CORSAIR の M.2 2230 SSD と、サーマルパッド。T3 のトルクスドライバーがなければ用意すること。Amazon なら1,000円で複数ビットがセットになったものが買えます。作成する回復ドライブを保存するのは、USB メモリ、もしくは USB ハブを持っていれば SD カードに保存することも可能です。
最大読込速度4,800MB/秒
最大書込速度4,800MB/秒
TBW600TBW
保証期間5年
以上、Surface Pro 9 の SSD を交換する方法でした。