動作の遅いブラウザをやめよう。Internet Explorer の時代は完全に終わりました
パソコンでのインターネット利用において、以下の症状に心当たりがある人は必見です。
- Web ページの表示が遅い
- ページのレイアウトが、たまに崩れている
- 画面が全て表示されないとスクロールできない(最新のブラウザは全部表示しなくてもスクロールできる)
これらの主な原因は、実はネット回線だけが影響しているわけではありません。上記の症状のうち回線速度が原因になりうるものは、一番上の「表示が遅い」のみです。他の2つについては、別の要因が隠れている可能性があります。
まず、あなたが使っているブラウザを確認します。このページへのアクセス情報から、Web ページを描画するのに判断するデータを参照して自動的に判定します。
あなたの使ってるブラウザは IE 以外のブラウザ です
もしここで Internet Explorer を使っているなら、このまま先に進んでください。それ以外の方は、パソコンの性能不足である可能性が高いため、おそらくこの先の情報は参考になりません。
Internet Explorer は古すぎるアプリ
重要なことなので、最初に伝えておきます。
サポートが終了している
Internet Explorer は2022年6月15日をもってサポートが切れていて、2023年2月14日以降は Windows 10 にて、強制的に Edge が起動するようになります。そして順次 Internet Explorer 11 は、使用できなくなります。
2023年6月の Windows セキュリティ更新プログラムでは、スタートメニューの表示やデスクトップのショートカットが削除される予定です。
この先 Internet Explorer を IE と略していますのでご承知を。
パソコンの性能がもったいない
Internet Explorer は古い時代のブラウザです。そして Windows 10 / 11 で快適に動く構造をしていません。つまりいくらパソコンが新しくても、IE を使っている限り動作は重いです。
むしろ古いパソコンでも、Internet Explorer 以外のブラウザを使えば、もっと快適な動作環境を手に入れられます。
Internet Explorer は新しい技術に未対応
レイアウトが崩れる原因
少しだけ技術的な話をすると、ウェブサイトのデザインを表現するために CSS と呼ばれるプログラムが利用されます。この CSS は時代とともに新しい機能が追加され、ブラウザで表現できる幅がどんどん広がっています。
しかし IE は最新の CSS 技術が取り込まれていないため、閲覧するサイトによっては IE が CSS の内容を理解できません。そうなると画面のレイアウトが崩れたり、必要な情報が非表示になったりして、IE を使ったユーザーが不利益な状態になってしまうのです。
例えば iPhone で有名な Apple の公式サイトを見てみましょう。
Internet Explorer で閲覧すると、公式サイトとは思えないほど残念な表示になってしまいます。
これを他のブラウザで閲覧すると一気にレイアウト崩れは改善し、IE 閲覧時には見えなかった画像データも表示されるようになりました。
このように、ブラウザが古いだけで得られる情報量が減ってしまうのは驚いたかもしれません。しかしこれは氷山の一角であり、実は気付かないうちに閲覧できていない情報がある可能性は否めません。
2023年2月14日以降は、強制的に Edge が開くようになります。
バグが多い
難しい話になるので簡単に説明すると、IE には直っていないバグが大量に残っています。通常 IE が抱えているバグは、次期バージョンで修正してきました。しかし IE の開発が終了した今、次のバージョン 12 の存在は幻となりました。
つまり IE が抱えるバグはそのまま。問題があっても開発が終わっているため、修正される見込みはありません。そんな動作が不安定なブラウザを使い続けるのはハイリスクです。
ただしセキュリティーのバグに関しては、サポート期間に限り修正されます。
【対処法】どのブラウザを使えば良いのか?
Internet Explorer が使い慣れていて、そのまま継続して使いたいのであれば否定はしません。ただし IE は他のブラウザより動作が遅く、抱えている問題も多くあることを承知した上で使うようにしてください。
IE の代わりに使えるブラウザ
ここまで読んで Internet Explorer を使うのをやめようと思ったら、次のブラウザを試しに使ってみてください。
Edge は Internet Explore の代わりに開発された最新のブラウザです。Windows 10 / 11 の標準ブラウザであるため、パソコンを買い換えるタイミングで IE から Edge に変更される方が多い印象を受けます。Chrome は Google が開発したブラウザで、Android ユーザーであればスマホの標準ブラウザとして使ってると思います。
実はこれら2つのブラウザは、ほぼ中身が同じです。Edge のバージョンアップにより、搭載しているエンジンが Chrome に載っているものと同じになり、処理性能が一気に向上しました。
Edge と Chrome どっちがいい?
中身はほぼ一緒。もし Internet Explorer の機能を使う場合があるなら、IE モードのある Edge が適しています。ではそれぞれのブラウザを選ぶ上でのヒントをお伝えしておきます。
Edge を選ぶポイント
- 迷うなら Microsoft 純正の Edge がおすすめ
- Internet Explorer モードが用意されている
- パソコンが古いなら Chrome より Edge
- アドオンをダウンロードして機能拡張できる
- 拡張ツールは Chrome のほうが多い
- タッチ式モニターとの相性が良い
- Edge 利用者は IE 利用者の約 2.5 倍
パソコンに詳しくなければ、Microsoft 提供の Edge を使ったほうが無難です。まずは Windows 標準機能の Edge に切り替えるほうが敷居が低いと思います。
なお「お気に入り」の移行方法は Microsoft のサイトをご確認ください。
また日本マイクロソフトのサポートブログにて、Edge への移行ガイドラインを掲載しています。
Chrome を選ぶポイント
- Android スマホ利用者におすすめ
- スマホで登録したブックマークが共有できる
- プラグインをダウンロードして機能拡張できる
- Chrome 利用者は Edge 利用者の約 2.5 倍
Edge よりも歴史が長く、利用者が多いです。頻繁にアップデートが行われ、もうバージョン 110 を超えています (2023年2月現在)。中身は Edge と同じなので、Edge にも同じバージョン 110 のエンジンが搭載しています。
Windows 以外のマシンとブックマークなどの情報を共有できる点においては、Chrome のほうが使いやすいです。
まとめ
- ブラウザの動作が遅いのは IE が原因
- Windows 10 / 11 と IE は相性が悪い
- IE11 は最新バージョンでも古いブラウザ
- IE の技術が古くて表示が崩れる場合がある
- IE は今後バージョンアップされない
- IE の大きなバグは今後直る見込みがない
- ブラウザを変えれば動作が快適になる可能性が高い
- 乗り換えるなら Edge か Chrome がおすすめ
- Edge は IE モードが用意されている
普段から Internet Explorer を使っていると、その動作の遅さに気付かないことがあります。人によっては、動作が遅い原因がパソコン本体にあると思っていて、実は IE の利用をやめたら動作がサクサクになったケースもあります。
これまで使い慣れたブラウザを変更するのは、少し抵抗があるかもしれません。始めのうちは使いづらいかもしれませんが、新しいブラウザの快適な動作のおかげですぐに慣れると思います。
快適なインターネット生活のために、ぜひ乗り換えを検討してみてはいかがでしょうか。