Surface Laptop 3 実機レビュー【15インチ】13.5 インチモデルとの違いを比較
Surface シリーズ初の CPU に Ryzen が搭載され、世間でも注目を集めた Surface Laptop の 15 インチモデル。他の端末と比較した時に、対象候補に挙がるのは次の2機種。
どちらもレビューを実施しています。ここでは主に 13.5 インチモデルとの違いを比較しつつ、機能を紹介していきます。なお Surface Pro 7 との違いは、13.5 インチモデルのレビュー記事を参考にしてください。
【追記】2022年11月発売、新型 Surface Laptop 5 の実機レビューはこちら!CPU 性能が格段に向上して、長期間使える端末として仕上がってる1台になっています。
もし、自分に最適な Surface 端末がどれが迷っているならば、次の記事が参考になります。全機種レビューした情報をまとめた記事で、用途別に Surface のおすすめ端末を紹介しています。
では詳しく見ていきましょう。
Surface Laptop 3 15 インチ構成
全機種共通の仕様
OS | Windows 10 Home |
---|---|
Office | Office Home & Business 2019 |
本体サイズ | 339.5 mm x 244 mm x 14.69 mm |
ディスプレイ | サイズ: 15 インチ 解像度: 2496 x 1664 (201 PPI) 縦横比: 3:2 タッチディスプレイ対応 |
グラフィック | Ryzen 5 AMD Radeon Vega 9 グラフィックス Ryzen 7 AMD Radeon RX Vega 11 グラフィックス |
セキュリティ | Windows Hello による顔認証が可能 |
ワイヤレス | Wi-Fi 5 (802.11ac) 互換 Bluetooth 5.0 |
外部端子 | USB Type-C x 1 USB Type-A x 1 3.5 mm ヘッドホンジャック 充電用端子 |
センサー | 光センサー |
AC アダプタ | 65W |
バッテリー駆動時間 | 最大11.5時間 |
端子類は 13.5 インチモデル、Surface Pro 7 と同じです。USB-C は外部モニターに出力機能を兼ね備えています。
選択できるスペック
CPU | AMD Ryzen 5 3580U 4 コア 8 スレッド AMD Ryzen 7 3780U 4 コア 8 スレッド |
---|---|
メモリ | Ryzen 5 モデル: 8GB, 16GB Ryzen 7 モデル: 16GB |
ストレージ | Ryzen 5 モデル: 128GB, 256GB Ryzen 7 モデル: 512GB |
キーボード面 | メタル |
本体重量 | 1,542 g |
カラー | ラチナ、マットブラック |
価格 (税込) | 150,480円 ~ 269,280円 |
15 インチモデルは Alcantara 素材を用いたパームレストが付いたモデルを選択できません。またストレージ容量は最大 512GB で、1TB モデルが無いのも他の機種と異なります。
13.5 インチモデルとの違い
異なるのは画面サイズだけではありません。ざっとまとめた一覧をご覧ください。
15インチ | 13.5インチ | |
---|---|---|
CPU | AMD Ryzen 5 3580U AMD Ryzen 7 3780U | Core i5-1035G4 Core i7-1065G7 |
メモリ | 8GB, 16GB | 8GB, 16GB |
ストレージ | 128GB, 256GB, 512GB | 128GB, 256GB, 512GB, 1TB |
解像度 | 2496 x 1664 (201 PPI) | 2256 x 1504 (201 PPI) |
本体重量 | メタル 1,542g | メタル 1,288g Alcantara 1,265g |
Wi-Fi | Wi-Fi 5 (802.11ac) 互換 | Wi-Fi 6 (802.11ax) 互換 |
カラー | メタル プラチナ、マットブラック | メタル サンドストーン、マットブラック Alcantara プラチナ、コバルトブルー |
価格 (税込) | 150,480円 ~ 269,280円 | 139,480円 ~ 308,880円 |
一番の違いは CPU です。13.5 インチ版に Intel Core i シリーズ、15 インチ版に AMD の Ryzen シリーズが搭載されています。性能面での優位性はなく、Core i5 と Ryzen 5、Core i7 と Ryzen 7 が同等の能力を持つと考えてください。
15 インチモデルの Wi-Fi 性能は新規格の Wi-Fi 6 に未対応です。詳細は後述します。
レビュー対象モデル
今回レビューする端末は次のモデルです。
CPU | AMD Ryzen 5 3580U |
---|---|
メモリ | 8GB |
ストレージ | 256GB |
カラー | プラチナ |
キーボード面 | メタルパームレスト |
Surface Laptop 3 15インチの良かった点
13.5 インチモデルと共通して評価できるポイント
以前レビューした 13.5 インチモデルと内容が重複するので箇条書きでまとめておきます。
- 洗練されたデザイン
- タッチパッドが大きい
- 電源コネクターがマグネット式
- USB-C コネクターから充電できる
- USB-C から外部ディスプレイ出力可能
- キーボードがタイピングしやすい
- 急速充電に対応したアダプター
- 慣れると便利な画面比率3:2
- 顔認証 Windows Hello でログインが簡単
詳細は次のページに記しています。詳しく知りたい方は参考にしてください。
では 15 インチモデルならではの良いところを挙げていきます。
画面が大きいパソコンは使いやすい
そもそもこの 15 インチモデルは、持ち運びの用途よりも据え置き用として大きな画面のノートパソコンを必要としている需要から生まれたモデルだそうです。確かにパソコンを携帯する機会が無いのであれば、画面が大きいほうが作業しやすいのは間違いありません。
僕が普段使っている Surface Pro と比較しても、明らかに作業領域が大きくて見やすいです。ここまで大きければ、わざわざセカンドモニターを用意しなくても Surface Laptop だけで快適な作業環境が得られると思いました。
見た目よりも重さを感じない
本体重量は 1,542g で 15 インチモデルとしては軽量です。持った感じは大きい印象を受けるものの、これくらいならギリギリ持ち運べる重さです。
バッテリー駆動時間は、実測値で8時間ほど使えました。電源のない場所を、頻繁に移動しながら使うケースにおいても問題ありません。
メタルパームレストの仕上がりが良い
Surface Laptop 3 から加えられたメタルパームレスト。これはでは繊維素材の Alcantara (アルカンターラ) が使われていました。全体がメタル調で仕上げられた Surface Laptop を望む声が、ようやく届いた感じですね。
シンプルなデザインを好む人にとっては、選びやすくなった端末ではないでしょうか。
15 インチモデルはメタルのみ。Alcantara のパームレストは用意されていません。
Surface Laptop 3 15インチの悪かった点・微妙な点
13.5 インチモデルと共通して微妙だと感じる点
こちらも 13.5 インチレビューと内容が重複する部分は、まとめて記載しておきます。
- Office なしが選べない
- サイドの USB-A 端子が挿しづらい
- Surface Pen の使い道がほとんどない
- SD カードリーダーがない
詳細はこちらをご覧ください。
では 15 インチモデルに絞った内容を記していきます。
メモリが 2GB 減る?
CPU に Ryzen を搭載したことによる一番の弱点がここです。グラフィックの GPU に専用のメモリ領域が割り当てられてしまうため、8GB のメモリを搭載していても実質使えるのは 6GB に制限されてしまいます。
上記画像のように GPU メモリ使用率が低くても、必ず 2GB の領域が確保されます。アプリをたくさん開いて使うような場合、個人的には残された 6GB では物足りなく思います。
Intel CPU を使った場合の GPU は共有メモリです。通常のメモリ領域と共有するため、GPU 性能を使っていない場合は 8GB 近いメモリ領域が使えます。
コネクタの数が少ない
外部端子の数は 13.5 インチと全く同じです。筐体が大きくなったのだから、せめてもう1つ USB 端子を追加して欲しかったのが正直なところ。理想を言えば、外部出力用のフルサイズ HDMI 端子があると便利。
フルパワー稼働時は思ったよりも発熱する
ノートパソコンは本体が薄いため、どのマシンも手で熱を感じるくらい発熱します。この機種の場合 w キー付近が熱くなりやすいです。
とは言え CPU 使用率 100% に張り付くようなフルパワー状態で動かしても、体感的に 40℃ より少し熱いくらいの感じです。手の平付近は熱を持たないので、作業する上ではそれほど気になりません。
背面の排気口は大きく取られているので、発熱してもすぐに冷えてくれます。
発熱量は Ryzen 5 よりも Ryzen 7 のほうが大きくなります。処理能力が高くなると CPU 温度が上がりやすいため、ここは性能と引き換えで仕方のないものと考えてください。
Wi-Fi 6 に対応していない
これから浸透し始める Wi-Fi の新規格 Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) には残念ながら未対応です。13.5 インチモデルや Surface Pro 7 は対応しているので、コストを抑えるために現行規格を採用したのかもしれません。
ざっと各バージョンの最大通信速度をご覧ください。
Wi-Fi 規格 | 最大通信速度 | 対応周波数 |
---|---|---|
Wi-Fi 4 (IEEE 802.11n) | 600Mbps | 2.4GHz・5GHz 帯 |
Wi-Fi 5 (IEEE 802.11ac) | 6.9Gbps | 5GHz 帯 |
Wi-Fi 6 (IEEE 802.11ax) | 9.6Gbps | 2.4GHz・5GHz 帯 |
利用する Wi-Fi が 5GHz に対応していれば、Wi-Fi 5 でも全く問題ない高速通信が可能です。それでもまだ 2.4GHz 帯が使われるケースも多く、そうなると互換性のある Wi-Fi 4 の速度までしか対応しておらず、最大 600Mbps になってしまいます。
ただ Wi-Fi 6 は始まったばかりで対応したルーターも高額なものばかり。現実的には Wi-Fi 5 対応機種を 5GHz 帯で使えれば十分だったりします。
Surface Laptop 3 の気になるところ
CPU 性能はどう?
普段 Intel CPU を使っている人であれば、Ryzen に抵抗を持つ人も中にはいます。昨今は低コストでハイパフォーマンスな Ryzen を採用することで、トータルコストを抑えるのに貢献しています。
性能はベンチマークソフト CINEBENCH R20 の結果をご覧ください。
計測時の状況により100ポイント前後は誤差が出るので、あくまで参考値として判断してください。実際に使った感じでは、どちらも性能は同等です。あからさまな違いは出ていないので優劣はつけ難いです。
ストレージ性能はどう?
PCIe SSD を採用しているので、Windows の起動やスリープからの復帰など、初動がとにかく速いです。転送速度を計測するソフト CrystalDiskMark による結果はご覧の通り。
読み込み速度も書き込み速度も高速です。
グラフィックの性能はどう?
飛び抜けて良いとは言えません。ゲームや動画編集といった GPU 性能に依存する用途には不向きです。FPS・TPS を除き、軽いゲームであればプレイできます。ドラゴンクエスト X のベンチマークだと、最高画質のフル HD モードで快適にプレイできる判定が出ています。
性能は 13.5 インチモデルとあまり変わらないので、Radeon の GPU が載っているからといって Ryzen 搭載モデルを選択するのは正しい判断ではありません。
Ryzen 5 と Ryzen 7 どっちを選んだらいい?
悩むなら Ryzen 5 を選んでください。ミドルクラスの CPU で一般的な使い方であれば何も問題ありません。
Ryzen 7 は利用するソフトがその性能を必要としている場合に選ぶべき CPU です。ただ何年も先を見据えて、長く使いたいから性能が高いほうを選ぶといった考え方もあります。
必要性がわからず Ryzen 7 を選ぶのは、予算の余裕がない限りおすすめしません。
ストレージ容量はどれくらい必要?
扱いたいデータ量によって変わるので、一概にどれがいいか判断するのは難しいです。
値段の安さで 128GB を選ぶと容量不足時に困ると思います。大容量の動画ファイル、大量の画像ファイルを入れなければ 256GB が最もコスパのバランスが良いです。大容量ファイルを格納するなら 512GB 以上を推奨します。
もし容量不足になっても外付け HDD やコンパクトな外付け SSD があるので、必要になった時に改めて考えてみてはいかがでしょうか。
15 インチと 13.5 インチどっちのモデルが良い?
処理能力はどちらも同等。ゆえに用途に合わせてどちらのモニターサイズを選択するかがポイントになります。
15 インチモデルがおすすめな人
- 画面作業領域の大きさを重視する人
- 自宅用の固定端末として使いたい人
元々 15 インチモデルが用意された経緯や CPU に Ryzen を選んだ点から、15 インチモデルは家庭用に近い端末だと感じています。もちろんビジネス用途で使っても全く問題ない性能を持っているので、能力面ではそんなに気にすることはありません。
ただパソコンをバリバリ使って仕事をする人にとっては、メモリ 8GB 搭載モデルだと実質 6GB 分しか使えないため、16GB の上位モデルにするか 13.5 インチモデル、もしくは Surface Pro 7 を使ったほうがメリットは大きいと思います。
13.5 インチモデルがおすすめな人
- 持ち運んで使う機会が多い人
- ストレージ容量 1GB が欲しい人
- Wi-Fi 6 が必要な人
- 導入コストを少しでも抑えたい人
携帯性を重視するなら Surface Pro の選択肢もあります。画面はもっと小さくなるので、外出先での作業がメインになる人向けではあるものの、タブレットモードで場所を問わずに使えるメリットがあります。
なお Surface Pro 7 との比較は、13.5 インチモデルレビュー時に実施。
Surface Pro 7 についてもっと詳しく知りたい方は、こちらのほうがわかりやすいと思います。
そして、他の機種にも興味がある。また自分の用途に合った端末がどれか知りたい人は、こちらの記事も参考にしてください。Surface シリーズ全機種のレビュー情報をまとめ、用途別おすすめ端末を紹介しています。
Microsoft 公式ショップで購入するメリット
最後に、マイクロソフトストアでの購入を迷っている方へ。公式のショップならではのサービスについても紹介しておきます。
- 独自の購入キャンペーン を実施
- 全国送料無料。購入額の条件なし。
- 60日間返品無料。
- 60日間の最低価格保証あり。
- 90日間の無償テクニカルサポート
Surface を使ってみてやっぱりイメージと違ったなどあれば、60日以内なら無料で返品ができます。また購入後60日以内に価格が変動した場合、その価格を払い戻してくれます。
またテクニカルサポートに至っては90日間も無償で対応してくれるので、パソコンの設定などにあまり詳しくない方には十分なメリットがあると思います。詳細は下記ページをご覧ください。
以上、Surface Laptop 3 15 インチモデルのレビューでした。