リオオリンピック柔道で「効果」の判定がなくなった?各判定の基準と「効果」判定がなくなった理由

2016/08/08

リオデジャネイロオリンピックがついに始まりました。リオデジャネイロと日本の時差が、ちょうど12時間のため、真夜中から朝方にかけた試合が多くなるため、毎日寝不足に悩まされている人もいるのではないでしょうか。

さて、初日から柔道の試合が連日行われ、日本人選手も男女共にメダルラッシュが続いています。男子60kg級・66kg級、女子48kg級・52kg級と、残念ながら金メダルに届かずとも、3位決定戦で確実にメダルを手にしています。金メダルの期待が高い種目である分、各選手も悔しい思いを言葉にしていますが、オリンピックの舞台で世界3位の記録を残すのは素晴らしいことです。

結果は世界一でないかもしれませんが、日本の代表として戦った勇姿は、応援している我々にとっても誇らしく思います。

さて、そんな柔道の試合を連日見ていてふと思ったのですが、柔道の判定には一本技あり有効の三種類があり、そして4度受けると反則負けになる指導のポイントで試合判定となりますが、昔はこの他に「効果(こうか)」の判定が存在していました。

有効ほど技がきちんと決まっていないけれど、相手に尻もちをつかせたり、大腿(だいたい)部や片方の肩がついた場合に「効果」としてポイントが入りましたが、2009年よりルールが変更され効果の判定が無くなりました。

年々、柔道のルールは改正が行われ、リオオリンピックにおける国際ルールは次のような判定基準となります。

柔道の判定とその基準

判定基準
一本
  • 相手を制しながら強さ速さをもって背を大きく畳につくように投げた場合
  • 寝技で20秒抑えこんだ場合
  • 寝技、関節技、絞め技などで相手が降参(参った)した場合
  • 「技あり」の判定2回で、合わせ技一本として一本と同等の扱いとなる
技あり
  • 相手を制しながら投げ、「一本」の要件「背を大きく畳につく」「強さ」「速さ」のどれか一つが部分的に欠けた場合
  • 寝技で15秒抑えこんだ場合
有効
  • 相手を制しながら投げ、「一本」の要件「背を大きく畳につく」「強さ」「速さ」のどれか二つが部分的に欠けた場合
  • 寝技で10秒抑えこんだ場合

抑えこみの時間においても、それぞれの判定において5秒ずつ短くなっています。

試合判定の決め方

一本の判定が出た時点で試合終了。もし試合時間5分の間に一本が出なければ、技あり・有効のポイントが多い方が勝ちとなります。また同点の場合は指導(いわゆる警告)の数が少ない方が勝ちとなり、指導数に差異がない場合は、ゴールデンスコア方式となり、どちらかが(指導含む)ポイントを取るまで時間無制限での延長戦となります。

なお「有効」は何本とっても「技あり」に値しないため、相手が有効で10ポイント得ていても、技あり1ポイント取れば、判定で「技あり」を得た方が優勢勝ちとなります。

なぜ「効果」判定が無くなったのか?

柔道の醍醐味は「一本」を決めるような大技で勝負することです。効果狙いの小手先での先方では、格闘技としての柔道が何も面白くありません。一応、効果を無くす理由としては、柔道の持ち味である大技で試合を決するためとなっています。

小さな技で「効果」の判定を得て、残りの時間を上手く逃げ続けるような試合展開を無くすためのルールだと思ってください。とは言え、きちんと意思を持って攻撃を仕掛けないと「指導」の対象となります。”意思を持って” というのは、攻撃をかけたフリも指導の対象となるからです。

そもそも「効果」と「有効」の判定の差が国際的に分かりづらいものであったので、武道としてではなくスポーツとしてルールが分かりやすくなったと解釈するのが一番納得がいくのではないでしょうか。

ルールが変わったからと言って、そう簡単に大技を仕掛けられるわけではありません。技をかけるタイミングを見誤ると、逆に隙ができてしまい相手に攻撃されてしまいます。ただ、その駆け引きが試合を制するきっかけになるので、スポーツとしての面白さが増したのではないかと思います。

誤審を防ぐルール改正も行われている

柔道の国際試合における世紀の大誤審と言われているのが、2000年シドニーオリンピックにおける篠原信一の決勝戦で、相手選手から掛けられた内股を “内股すかし” で返し一本に値する技の掛かり方だったにも関わらず、相手の有効ポイントの判定になってしまい、最終的にポイント差で負けてしまったというものです。

最近は篠原信一もバラエティに出て、あごの出たデカくてよく喋るオッサンの地位を確立していますが(笑)、誤審により金メダルを逃した偉大な柔道家の1人なのです。

この誤審がきっかけでビデオ判定が導入され、正しい試合判定が行えるよう環境が整備されました。その後、ジュリー制度と呼ばれる審判員を監督する役割の人(ジュリー)を設けるようになりました。

ジュリー制度は更に進化した

2012年のロンドンオリンピックにおいて、このジュリー制度により試合結果が覆った試合があります。リオオリンピックでも銅メダルを獲得した海老沢選手の試合において、ゴールデンスコア(当時は時間制限あり)で勝負が決まらず、主審・副審による旗判定で、対戦相手が優勢となったものの、ジュリーによる異議により結果が覆りました。

しかし競技者・審判以外の第三者が試合結果を覆す権限を持つのは、競技としては異質ですよね。そこで新たにルールが改正され、リオオリンピックでも適用されている、畳の上に主審が1人、副審はジュリーと共にビデオチェックを行いながら、審判を行う立場となりました。

ジュリーの役割は「審判員の判定に介入して判断を変更させるのは例外的な事情の時だけ」と定義され、判定の訂正を行う場合は、一緒にいる副審による同意が必要になりました。

実際にリオオリンピックでも、試合中に少し前に掛けた技が有効判定となり、途中でポイントを与える場面が多く見受けられます。今のところ誤審も無いようなので、競技としての判定の正確性は向上しているのではないでしょうか。

旗判定が無くなることで試合結果は明確に

延長戦であるゴールデンスコアが、時間制限ありから時間制限なしに変更されたことにより、主審・副審による旗判定が無くなりました。試合後に赤い旗、白い旗を挙げている姿は、もう見られません。

延長戦の時間制限が無くなったことにより、1日で予選から決勝までこなす選手への負荷は大きくなりました。しかし、審判の感覚による優勢度の判断もなくなったので、曖昧な判定が無くなり、選手にとっては平等で納得のいく結果が得られるようになりました。

それまでは審判の選り好みもあったのではないかと噂されたこともあり、旗判定の正確性に疑問を抱く場面もありましたが、これで誰が見ても判定結果に納得できるようなシステムになりました。

日本の柔道から世界の JUDO へ

日本が築き上げた柔道は武道であり、世界の JUDO は格闘技であるような言われ方もしていますが、世界に普及する意義のあるスポーツとして認められたことでオリンピック競技となっているのですから、競技が進化していくことは必然なのです。

今は、日本人が金メダルを取って当たり前の時代ではありません。それは日本古来の武道である柔道が、世界的な競技へと地位が上がった証拠です。ルール改正も、日本標準を世界標準に合わせるための過程にすぎません。

日本人選手団は金メダルを取らないとダメなんだといった空気が漂っていますが、実際に試合で頑張っている姿を見て、負けてしまったことを批判するような気持ちにはなれません。1日で全試合を行うトーナメント方式であるがゆえ、タイミングや運に依るところもありますから、日本人として応援する立場である以上、代表としてオリンピックの舞台で戦った姿を評価してあげたいです。

既に試合が終わってしまった選手も居ますが、柔道に限らず試合が残された選手は自分が出せる力を精一杯出して、自身に納得できる結果を出せるよう頑張っていただきたいですね。

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気力・体力勝負なシステム業界のエンジニアを経て、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。目指すところへの道のりは険しいですが、自分が自分らしくあるために、一歩ずつ進んでいきます!

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