個人事業主が屋号で事業性の銀行口座を作る場合、どこの銀行で開設すればいいのか?

2017/01/28

個人事業主として働く上で、準備しておいた方が良いものの1つに、事業で利用するための銀行口座があります。

帳簿を管理できるのであれば、個人口座でも構わないと記されているサイトもあります。しかし、事業用に使用するのを NG としている銀行も中にはあるようなので、これまで持っていた口座を事業専用に使おうと考えている人は、一度確認したほうが良いと思われます。

生活用の口座を利用すると帳簿を付けるのが大変になる

実際のところは、生活用の口座と事業用の口座を分けないと、帳簿をつけるのが面倒になります。つまり、生活費の出金分の明細を帳簿に記さないと残高が一致しなくなるため、帳簿上に事業と関係ない仕訳が大量に増えてしまうことになるのです。

僕は2016年末に開業届と青色申告の申請書を税務署へ提出し、個人事業主としての活動がスタートしました。会計ソフトは「MFクラウド確定申告」を使っています。他にも「freee」や「やよいの青色申告 オンライン」が有名ですが、3社とも銀行口座を連携させて自動的に仕訳を作ってくれる機能があります。

無料の範囲で会計ソフトを使うなら仕訳を減らそう

MF クラウドは、無料で利用できる期間の制限がある他の2社とは異なり、月の仕訳件数が15件以内であれば、有料会員にならずとも無料会員のまま青色申告用の書類を作ることができるのです。

つまり無料のまま使い倒したいのであれば、仕訳件数を少なくするように調整するのが必須になります。個人口座だと頻繁に ATM から出金することもあり、15件で収めるのが難しくなります。

そこで僕が検討したのが、事業で使うための専用口座の開設です。そして、せっかく屋号を付けたのだから、どうせなら屋号で口座を作ってしまおうと考えたのです。

事業性口座はビジネスのための口座

個人で使う普通口座の開設と異なり、事業性のあるビジネス口座を開設するには次のような特徴があります。

ビジネス口座開設の基本

  • 受付は窓口のみ(ネット口座を除く)
  • 自宅・事業所から最も近い支店の口座しか開設できない
  • 事業を行っている証拠(資料)の提示が必要

最後の項目は開業届が条件になったり、ホームページやチラシ等の広告を印刷したものが必要になったり、銀行によって条件が異なります。

事業性の口座とは?

簡単に言ってしまうと、顧客との取引を目的とした口座です。職種によっては、短期間で多額なお金が何度も出入りします。個人口座との大きな違いはお金の動きです。

冒頭で会計管理の話に触れましたが、この口座内で取引があったものが個人事業におけるお金の出入りになるため、会計の動きが分かりやすくなり、管理も楽になります。と言っても、生活費はその口座から捻出することになります。

ただ、事業用に作ったビジネス口座から何度も出金を繰り返すと、手数料が無駄に掛かってしまうので、月に1度くらいのペースで生活用の口座へお金を移動(振替)させて運用している人が多いようです。そうすれば、仕訳も毎月1件に留めることができます。

屋号のみの口座を開設するのは難しい?

メガバンクと呼ばれる大手銀行で個人事業主が口座開設した場合、通常は口座名義が「屋号+代表者名」になります。昔と違って、振込詐欺が増えた影響により、個人名の掲載がない口座を開設することが難しくなりました。

名義に自身の名前が載ることに対し、特に問題はないと思っていたものの、調べてみると、大手銀行で口座を作るのは敷居が高い印象を受けました。既に個人口座を保有していたら追加できないケースや、屋号のホームページが必要であったり、近所に支店が無かったり。

自分でブログを構築して運営している身なので、屋号を載せたサイトであれば数日で作ることができます。しかし他の作業が忙しいため、現状は後回しになっています。

結論を述べると、屋号のみで口座開設できるのは「ゆうちょ銀行」だけです。

しかし屋号のみにこだわらないのであれば、ネット上の口座を作ってしまうのも手段の1つです。なお、事業性の口座を作るのであれば、事業確認資料を提出しなくてはいけないため、予め開業届を提出しておいた方がスムーズに開設できます。

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インターネット口座は簡単に作れる

個人事業主が銀行口座を開設するには、一般的には窓口で手続きを行わなくてはいけません。しかしインターネット口座を開設するのであれば、わざわざ窓口まで足を運ぶ手間もなくなります。

事業性口座を開設できる代表的な銀行が次の二行です。

  • 楽天銀行
  • ジャパンネット銀行

個人事業主向けとして、こちらに「住信SBIネット銀行」を加えて紹介しているケースがありますが、それは正しい情報ではありません。住信SBIネット銀行は営業性・事業性の個人口座を開設することができません。

今回の場合は、明らかに事業で使うための口座開設です。開設が簡単なインターネット口座とはいえ、住信SBIネット銀行で開設するのは目的が不適切であると僕は考えます。

各銀行の口座の特性については別途まとめる予定ですが、それぞれの銀行で口座開設する場合の流れを簡単にまとめておきます。

楽天銀行でビジネス口座を開設する手順

  1. 楽天銀行の個人口座を持っていない場合、予め開設する必要がある。スマホの楽天銀行アプリを使って運転免許証などの身分証明書を撮影して送れば、ネット上で全て申し込みが完結する。
  2. 個人口座を作成後、楽天銀行へログインして、トップ画面下部のメニューから個人ビジネス口座の開設を申込む。
  3. 事業内容を確認する資料を送付するための返信用封筒が自宅に届く。
  4. 受付印のある開業届の控えをコピーしたものを送付。
  5. 問題がなければ開設完了の連絡が届く。

ジャパンネット銀行でビジネス口座を開設する手順

  1. 銀行のサイトから営業性個人の口座開設申込む。
  2. 開業から半年以上が経過し、ホームページを持っている場合は申込時に URL を入力すれば事業の確認となる。半年以内であれば URL の入力と別に、開業届等の書類のコピーの郵送が必要になる。ホームページがない場合は、開業届等の書類のコピーと、パンフレット・チラシといった事業内容が分かる資料の郵送が必要になる。
  3. 事業確認のための書類送付の有無を問わず、本人確認のために運転免許証やパスポート等のコピーを郵送する。(各種書類はまとめて送る)
  4. 問題がなければ開設完了の連絡が届く。

外部からの振込は、屋号のみでも受け取ることができます。

ホームページを持っていて、開業から半年以上経っているのであれば、ジャパンネット銀行の方が手間は少なく済みます。

ゆうちょ銀行は屋号で口座が開設できる

どうしても屋号だけの口座にこだわるのであれば、選択肢は「ゆうちょ銀行」に限られます。では具体的に、ゆうちょ銀行で開設できる振替口座について、どのようなものか確認しておきましょう。

振替口座ってなに?

通常、個人が持っている口座は普通口座になります。ゆうちょ銀行の場合は総合口座と記されています。給料の振込や、クレジットカードの引き落としなどに使われる口座です。

一方で、振替口座は同様の使い方をすることも可能ですが、小切手を発行することができる等、事業性に特化した特徴があります。また、振替口座の預金には利子がつかないのですが、普通預金とは異なり預入限度額がなく全額保証になります。つまり、銀行が倒産した場合でも、預入額が全て戻ってくるのです。

ちなみに、普通預金の上限は1,300万円です。この金額を超えた分は自動的に振替口座へ移され、利子の対象外になります。その上、保証される額も1,300万円が上限となるため、振替口座に移された分は、倒産時の銀行の債務状況によって戻って来ない可能性があるのです。

ゆうちょ銀行の振替口座について

口座の特性が分かったところで、ゆうちょで振替口座を開設した場合にどうなるのか把握しておきましょう。

  • 通帳やキャッシュカードは無い
  • 取引が発生する都度「振替受払通知票」が郵送で届く(Webサービスあり)
  • ゆうちょダイレクト(ネットバンキング)が利用できる
  • ゆうちょダイレクト経由で自身の総合口座へ月5回まで無料で振替可能

通帳やキャッシュカードが無ければ ATM で取引することができません。つまり、入出金は基本的に窓口へ出向く必要があるので、非常に手間が掛かります。ただしインターネットバンキングを利用すれば、月5回まで手数料が無料で、同じゆうちょ銀行へ振替(同じ銀行間でお金を移動する場合、振込ではなく振替と言います)することができます。

もし、ゆうちょ銀行に個人口座を持っていないのであれば、今すぐに作りましょう。そして、ゆうちょダイレクトに申し込みましょう。月々の生活費を振替口座から払い出すのは大変です。ネット上で個人の総合口座に振り替えれば、ATM で引き出すことができます。

事業性の振替口座を開設するために必要なもの

  • 屋号が記された書類(開業届の控え等)
  • 印鑑(登録印は本名で可)
  • 運転免許証やパスポート、マイナンバーカード等の身分証明書

僕が口座を作ったときは、屋号が載ったチラシ等の提示を求められたのですが、そんなものは作っていないため、開業届の控えで事なきを得ました。しかし業種や事業説明に、Web 系のビジネスについて記載していたため、後日ホームページを印刷した書類が欲しいと、担当者から電話で連絡がありました。

事業の実態を示す資料が必要な場合もある

前述の通り、屋号でサイトを構築していないため、ホームページはありません。ただ、何も提出しないと審査を通すのが難しそうな雰囲気だったので、担当者から提示された代替案に従うことにしました。

その内容は、別で運営しているサイトの運営者情報ページに屋号とフルネームを掲載し、そのページを印刷したものを提示することでした。

昨今は Web 系のビジネスが増えているため、きちんとしたサイトを運営しているのかが審査のポイントになっていると伝えられました。屋号を掲げたサイトではないものの、きちんとした Web サイトを運営してきたことが功を奏したようで、無事に屋号のみで口座を開設することができました。

ゆうちょ銀行で振替口座を作成した流れは、次のページに詳細を記したので、よろしければこちらもご確認ください。

ゆうちょ銀行で個人事業主が屋号のみの口座を開設する方法
2016年末に個人事業主として開業届を提出しました。帳簿管理の都合や一般的な個人口座を事業に使えない関係上、事業用に銀行口座を作ることにしました。しか...

自身の事業・生活にあった銀行を選ぼう

ゆうちょ銀行以外で紹介した楽天銀行ジャパンネット銀行は、振替口座ではなく普通口座になります。それぞれキャッシュカードが発行されるので、ATM から出金することができます。

利便性や使い勝手は、銀行によって一長一短です。口座を開設してみないと分からないことも、たくさんあります。まずは自分が行う事業、そして生活圏での使いやすさを観点に選んでみてはいかがでしょうか。

どの銀行でも変わらないと感じるのであれば、好きな銀行で開設すれば良いです。とりあえず作れるだけ口座を開設してしまうのも選択肢の1つですが、管理が煩雑になるのでおすすめしません。

ぜひ、自分に合った銀行を見つけてください。

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気力・体力勝負なシステム業界のエンジニアを経て、個人事業主として独立。Web サイト運営、動画制作など活動の場を広げています。目指すところへの道のりは険しいですが、自分が自分らしくあるために、一歩ずつ進んでいきます。

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