Surface Pro X 第2世代はここが変わった!Microsoft SQ2 にパワーアップ& 64bit 版アプリについに対応する?!
Surface シリーズ 2020 年冬の発売モデルとして発表された2機種。
- Surface Laptop Go
- Surface Pro X (2Gen)
新機種として発売された Surface Laptop Go と、CPU 性能のアップデートが実施された Surface Pro X の 2nd Gen モデル。それぞれの機種における細かい仕様や使い勝手の感想は、実機レビューを行っているのでそちらを参考にしてください。
そして自分に最適な Surface 端末がどれが知りたい人向けに、全ての機種をレビューした結果に基づき、次の記事で用途別おすすめ端末を紹介しています。端末選びで迷っていたら、こちらの情報も参考にしてください。
なお、この記事では第2世代の Surface Pro X の変更点や、購入する際の注意点などをまとめていきます。
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Suface Pro X 第2世代の変更点
新色プラチナが追加
筐体で唯一変わった点が新色の追加。これまではブラック1色で、指紋の目立ちやすさが難点でした。新色のプラチナは歴代の Surface Pro シリーズでも採用されているカラーで、光の加減で指紋が目立つようなこともありません。
歴代の Surface 利用者には慣れ親しんだカラーです。ただ残念な点として、プラチナを選択できるのはメモリ 16GB を搭載した端末のみ。メモリ 8GB モデルはこれまで通り、ブラックのみになります。
キーボードに新色が追加
本体カラーに合わせて、キーボードのラインナップも増えました。Surface Pro タイプカバーで採用されていた Alcantara (アルカンターラ) と呼ばれるポリエステルとポリウレタンの合成繊維が、キーボード表面の素材に用いられています。
外観・感触ともに天然スエードにそっくりなのに耐久性があるのが特徴で、ランボルギーニのような高級スポーツカーの内装にも用いられています。
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こちらのレビューは Surface Pro 7 用のタイプカバーのものですが、素材や使用感はほぼ同じです。アルカンターラがどのようなものなのか、長期使った上でのレビューなので気になる点がある方は参考になると思います。
CPU が Microsoft SQ2 にバージョンアップ
性能面での変化は搭載された CPU 性能の向上です。ARM ベースの Microsoft 独自の CPU である SQ1 から SQ2 に変更されました。とは言え SQ1 チップも2020年初頭に登場したものなので、SQ2 になったところで性能が大きく上がったとは言えないのが現状です。
ただしバージョンアップした CPU である Microsoft SQ2 が搭載しているのは、メモリ容量が 16GB のモデルに限定されます。Surface Pro X としての全体的なアップデートではなく限定的な変更です。
SQ1 から SQ2 の変更において大幅な進化でないことは、ベンチマークツール Geekbench 5 のスコアを見ても明らかです。
仕様上の数字を比較しても、性能差を体感できるような違いはありません。2つの CPU を比べると向上したと言えますが、他の Intel Core i シリーズの CPU も加えて比較すると、どちらもさほど変わらないのが正直なところです。
CPU | Microsoft SQ1 | Microsoft SQ2 |
---|---|---|
最大クロック周波数 | 3.00GHz | 3.15GHz |
コア数 | 8コア | 8コア |
スレッド数 | 8スレッド | 8スレッド |
グラフィックス | Adreno 685 | Adreno 690 |
つまりメモリ 8GB モデルが SQ1 であっても悲観的になる必要はありません。差がないからこそ、SQ1 が選択できるモデルが残っていると考えたほうがスッキリします。
64bit アプリケーションに対応予定
Surface Pro X の CPU は ARM アーキテクチャを採用した特殊なチップであるため、利用できるアプリケーションに制限が掛かってしまうのが大きなデメリットの1つでした。例えば Microsoft Store から提供されているアプリであっても、64bit 版のアプリは利用できません。
他の端末に導入している入手済みアプリでも、Surface Pro X 上ではインストールできないようにボタンが非活性になっています。
この時点で初心者にはかなりハードルの高い端末として認識されていた Surface Pro X でしたが、64bit 版アプリ(x64 アプリ)の実行をサポートする x64 エミュレーション機能 が2020年末に向けてリリース準備をしているそうです。
これで Surface Pro X に導入できるアプリの幅が一気に広がるため、モバイル端末としての利用価値も格段とアップします!
バッテリー駆動時間が15時間に伸びた
Surface Pro X を利用する最大のメリットである、バッテリー駆動により長時間利用できる点。これは ARM ベースの独自 CPU を採用することで実現した、消費電力の低さが大きく影響しています。
ほぼ同じ機能を持つ Surface Pro 7 はバッテリー駆動時間が 10.5 時間です。これでもノートパソコンの中では十分に長いのですが、それよりも遥かに長い駆動時間を実現しているのが Surface Pro X のすごいところです。
しかも発売当初はバッテリー駆動時間が13時間だったのが、システム更新によりバッテリーの持ちが2時間長くなったのです。これは Microsoft SQ1 搭載の前モデルにおいても、同様に15時間まで動くようになりました。内蔵バッテリーで長時間動くパソコンを探しているなら、間違いなく Surface Pro X は需要を満たしてくれる端末です。
Surface Pro X を購入する際の注意点
Surface Pro X を購入しようと考えている方へ向けて、事前に把握しておくべき事項をいくつか挙げておきます。
SQ1 と SQ2 の CPU が混在している
全てのモデルが Microsoft SQ2 の CPU を搭載していません。メモリ 16GB モデルのみ SQ2 およびプラチナカラーが選択できるようになっています。
構成 | |||
---|---|---|---|
CPU | メモリ | ストレージ | カラー |
Microsoft SQ2 | 16GB | 256GB | ブラック・プラチナ |
16GB | 512GB | ||
Microsoft SQ1 | 8GB | 128GB | ブラック |
8GB | 256GB | ||
16GB | 256GB | ||
16GB | 512GB |
CPU 性能に関しては前述の通り、絶対的に SQ2 である必要性はありません。もし Surface Pro X の最上位モデルでおすすめするなら、SQ2 の CPU よりも値段が3万円以上安い SQ1 のほうが確実にコスパは高いです。
正直言うと SQ1 と SQ2 は性能差に対する価格差が大きすぎます。肌感的には5千円から1万円程度の価格差が妥当です。現状の SQ2 モデルは少し価格設定が攻めすぎだと感じるのが、僕の感想です。
利用できないアプリがある可能性
前述の通りエミュレーターを使ってようやく x64 アプリが利用できるものの、全てのアプリが確実に使えるわけでもなさそうなのです。アップデートを経て最終的には多くのソフトが使えるようにしたいと、Microsoft 社としての思惑があるようですが、まだリリースされていないエミュレーターを評価するのは難しいです。
現時点で利用できるのは 32bit アプリ、と ARM の 64bit アプリのみ。ARM ベースの CPU を使うことによるデメリットが正しく把握できないのであれば、あなたにとって Surface Pro X は最適なマシンにはなり得ません。
ここで迷ってしまうのであれば Surface Pro 7 を選んだほうが確実に満足度が得られると思います。バッテリー駆動時間は短くなるものの、基本性能は Surface Pro 7 のほうが上です。ぜひ自身の用途に合わせて、最適な端末選びをしてください!
既存のタイプカバーは利用できない
これまでの Surface Pro 3 ~ 7 で共通だったタイプカバーと、Surface Pro X 用のタイプカバーはコネクタの形状が異なります。これまでの Surface Pro シリーズからの買い替えで検討している方は、キーボードの買い替えも必要になるので注意してください。
一方で Surface Pen はそのまま利用できるので、スリムペンなしのキーボードを選択するのも1つの方法です。一応、本体にペンはくっつくのですが、ボタン配置が Surface Pro 7 と異なっているため電源ボタンや Surface コネクタと干渉してしまいます。
本体にくっつけて持ち運ぶ運用には適していないのでご注意ください。
まとめ
2020年冬版 Surface Pro X の変更ポイント
- CPU が Microsoft SQ2 にバージョンアップ
- ボディーカラーにプラチナが追加
- Microsoft SQ1 モデルも継続販売
- 価格差を考慮すると SQ2 よりも SQ1 がおすすめ
- 64bit (x64) アプリのエミュレーターがリリース予定
- バッテリー駆動時間が15時間に延びた
- 専用キーボードのラインナップが3色追加
Surface Pro X 第2世代の総評
Surface Pro X 第2世代は CPU 性能が微増した程度に留まりました。そしてボディーカラーにプラチナが追加されたのまでは良かったのですが、新 CPU およびプラチナを選択できる機種が上位モデルのみと限定されています。
CPU においては SQ1・SQ2 の差が価格に反映されているので、買うなら圧倒的に Microsoft SQ1 モデルがお買い得です。ボディーカラーは、せっかくだから全モデルに対応してくれれば良かったのにと思ってしまいます。
そもそも Surface Pro X は ARM ベースの独自 CPU を採用しているため、これまでの Windows パソコンと比較するとバッテリー駆動時間が長くなるメリットがある一方で、用途が限定的になるデメリットがあります。利用用途がはっきりしているなら圧倒的な活躍を見せる端末である一方、雰囲気でなんとなく購入する端末ではないので気をつけてください。
これまで Windows 端末を使っていて、最新の高性能なパソコンに乗り換えるのが目的であれば、Surface Pro 7 や SUrface Laptop を選択すべきです。現状使っている環境を確実に移行するためには、Intel Core i シリーズもしくは Ryzen シリーズの CPU が搭載しているパソコンが必須です。
Surface シリーズであれば、最新モデルの実機を全機種レビューしています。カタログスペック以外の部分で、具体的なイメージがしやすいようにまとめています。ぜひ参考にしてください。
そして、それぞれのレビュー記事をまとめた情報がこちら。用途別に最適な Surface 端末の紹介も行っています!
以上、2020年10月に販売が開始した Suface Pro X 第2世代 変更点のまとめでした。