Windows10でスリープ後すぐに起動する原因と対処法

Windows10 をスリープした後、一度パソコンがスリープ状態になったと思いきや、数秒足らずで再起動してしまう。またスリープしていたつもりなのに、いつの間にか勝手に再起動していた。
そのような状況になってしまう原因を見つける方法と、どのように対処すれば良いのか対応策を解説していきます。
スリープから復帰する要因
通常操作におけるスリープ解除方法
通常 Windows10 では、次のような動作を検知してスリープから復帰します。
- キーボードが操作される(いずれかのキーが押される)
- マウスが操作される(クリックやマウスの移動)
- パソコンの電源ボタンが押される
正しくスリープ状態になったのに、気が付いたらスリープが解除されていた場合、うっかりこれらの操作をしてしまった可能性があります。
しかし何も操作していないのに勝手にスリープから復帰してしまうのは、他に要因があると考えられます。まずは原因を特定する方法からご覧ください。
勝手にスリープ解除される原因を特定する
イベントビューアーを開く
何がきっかけでスリープから復帰したのかは、Windows ログから解析できます。そこで利用するのがイベントビューアーです。Windows 内で行われた処理の履歴を閲覧できるものです。
左下の Windows アイコン を右クリックして [イベントビューアー] を開きます。
左側のメニューから [Windows ログ] → [システム] と選択。右側にイベントのリストが表示されるまでしばらく待ちます。
ログの詳細を確認
イベントビューアー右側にある [現在のログをフィルター] を選択します。そしてイベントソースで [Power-Troubleshooter] を選択して OK をクリックしてください。
フィルタを掛けたログの一覧が表示されます。ここで勝手にフリーズが解除された時刻のログをダブルクリックしてください。
ログから要因を特定
ログの詳細を確認します。ここにある [スリープ状態の解除元] の項目が、スリープから復帰するきっかけとなった要因になります。
上記の例では Intel(R) Ethernet Connection (2) I219-V のデバイスからの処理がきっかけで、スリープから解除されたことを示しています。イーサネットと書かれているので、これは LAN ケーブルからの信号に依るものと判断できます。
LAN がスリープ解除の原因になるのはピンと来ませんが、ひとまずスリープ解除がどこから行われたのが分かりました。
キーボードやマウスのような USB 接続機器が起因となってスリープが解除された場合は、USB デバイスが解除元としてログに表示されています。
それでは原因となった LAN デバイスから、スリープ解除されないように対応していきます。
特定のデバイスからスリープ解除しないように設定
デバイスマネージャーを開く
左下の Windows アイコン を右クリックして [デバイスマネージャー] を開きます。
スリープ解除元のデバイスを選択
ツリー状になっているデバイスの一覧から、先程の [スリープ状態の解除元] にあった該当のデバイスを探して、ダブルクリックして開きます。
名前だけでどこのデバイスなのか判断できない場合、ツリーを1つずつ開いて確認するしか方法がありません。なお上記画面で誤操作をしても、設定が変更されることはないので安心してください。
Wake On Magic Packet を無効にする
デバイスのプロパティが開かれます。上部の [詳細設定] タブを開きます。
プロパティから [Wake On Magic Packet] を選び、右の値を [無効] に変更します。
この設定だけで、勝手にスリープが解除されなくなることがあります。一度スリープして動作を確認してみてください。
変化がなければ他の Wake on 設定も無効化する
Magic Packet の無効化だけで効果がなければ、次の Wake On で始まるプロパティーも同じように [無効] に変更します。
- Wake On Link 設定 ▶ [無効]
- Wake on Pattern Match ▶ [無効]
これらの設定を行うと、リモートデスクトップ利用時など外部からの操作でスリープが解除できなくなるので注意してください。
マジックパケットとは?
パソコンには Wake up LAN といって、離れた場所からパソコンを起動できる仕組みがあります。そしてその起動を指示する信号が Magic Packet (マジックパケット) と呼ばれています。
リモートで自宅のパソコンを操作する場合など、本来は外部からスリープ状態のパソコンが使えるようにするために用意されている機能です。
原因はルーターかモデム
僕のケースでは Wake up LAN に対応した Buffalo のルーター WSR-2533DHPL に買い替えたタイミングで事象が起こるようになりました。これまで使っていたルーターに戻したら発生しなかったので、ルーターに問題があるのか、もしくはモデムや自宅のネットワーク回線に要因があると考えられます。
そもそも外部から LAN 経由でパソコンを起動する必要がなければ、ここで紹介した対応で完了として問題ありません。ただルーター側から何か送られているのは確かなので、根本的な要因を排除できていないのは心残りではあります。
もし同様の内容で困っていたら、まずはマジックパケットの無効化からお試しください。