Windows 11 がOSで使う容量は25GB ~ 40GB!メモリ容量に応じて消費される容量が変わる
あまり知られていないと思うのですが、Windows 11 が OS で使う容量はパソコンのメモリサイズによって異なります。利用するメモリ容量が大くなると、消費されるストレージ使用量も増えます。
ここでは Windows 11 Home および Windows 11 Pro をクリーンインストールして、初期状態でどれくらいストレージ容量を消費するのか調査した結果をまとめておきます。メモリ容量との組み合わせでどのくらいストレージが必要か、パソコン構成を選ぶ際の目安として参考にしてください。
ここでの初期容量は、最新の Windows 11 をインストールし、更に Windows アップデートを実施した後の容量で測定した結果です。
なおここから先で示した容量は、パソコンの端末やユーザー設定などに依存して、2 ~ 3 GB くらい容量が前後する可能性があります。それを踏まえた上で、ご覧ください。
Windows 11 Home の OS 使用容量
メモリ 8 GB の場合
容量の情報は、Windows 11 の設定を開いて [ストレージ] の項目から確認できます。初期状態のデータ使用量は 25.8 GB でした。
ここで [表示するカテゴリを増やす] を選択すると、データ容量の内訳が表示されます。データ使用量 25.8 GB のうち [システムと予約済み] で 22.2 GB を利用しているとわかります。
[システムと予約済み] のを選択すると更に詳細な情報がわかります。この 22.2 GB のうち [システムファイル] は 10.6 GB を利用。システム更新用に 6.56 GB 確保され、残りの 1.89 + 3.17 = 5.06 GB がメモリ容量に依存して確保された領域になります。
データの種類別でまとめると、次の通り。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 10.6 GB | 17.16 GB | 25.8 GB |
予約済み記録域 | 6.56 GB | |||
仮想メモリ | する | 1.89 GB | 5.06 GB | |
休止ファイル | 3.17 GB | |||
その他 | しない | 3.58 GB | 3.58 GB |
メモリ 16 GB の場合
メモリ 8GB の場合と同様に、設定の [ストレージ] から確認します。メモリ 16GB の場合、初期状態のデータ使用量は 30.1 GB でした。
先程と同様に、データの種類別で容量をまとめます。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 10.6 GB | 17.16 GB | 30.1 GB |
予約済み記録域 | 6.56 GB | |||
仮想メモリ | する | 2.89 GB | 9.26 GB | |
休止ファイル | 6.37 GB | |||
その他 | しない | 3.68 GB | 3.68 GB |
メモリ依存しないシステムファイルと予約済み記録域の容量は、メモリ 8GB の場合と同じです。メモリ依存する仮想メモリと休止ファイルは、容量が 4 GB ほど増えています。
メモリ 32GB の場合
初期状態のデータ使用量は 38.6 GB でした。
データの種類別でまとめると次の通り。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 10.7 GB | 17.26 GB | 38.6 GB |
予約済み記録域 | 6.56 GB | |||
仮想メモリ | する | 5.01 GB | 17.61 GB | |
休止ファイル | 12.6 GB | |||
その他 | しない | 3.73 GB | 3.73 GB |
メモリ依存しないシステムファイルと予約済み記録域の容量は、メモリ 8GB や 16GB の場合とほぼ同じです。しかしメモリ依存する仮想メモリと休止ファイルは、メモリ 8 GB より 12.8 GB 増え、16 GB の時より 8.5 GB 増えました。
Windows 11 Home メモリ別 OS データ使用量まとめ
メモリ容量 | メモリ依存 しないOS容量 | メモリ依存 するOS容量 | OSのストレージ 使用容量【合計】 |
---|---|---|---|
8 GB | 20.74 GB | 5.06 GB | 25.8 GB |
16 GB | 20.84 GB | 9.26 GB | 30.1 GB |
32 GB | 20.99 GB | 17.61 GB | 38.6 GB |
Windows 11 Pro の OS 使用容量
メモリ 8 GB の場合
初期状態のデータ使用量は 27.4 GB です。
27.4 GB のうち [システムと予約済み] で 23.6 GB を利用。その中で [システムファイル] は 9.98 GB を利用。システム更新用に 7.46 GB 確保され、残りはメモリ容量に依存して確保された領域です。
データの種類別でまとめると次の通り。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 9.98 GB | 17.44 GB | 27.4 GB |
予約済み記録域 | 7.46 GB | |||
仮想メモリ | する | 1.89 GB | 5.06 GB | |
休止ファイル | 3.17 GB | |||
システム復元 | しない | 1.16 GB | 4.9 GB | |
その他 | 3.74 GB |
メモリ容量に依存する、仮想メモリと休止ファイルのデータ量は Home も Pro も同じです。
[システム復元] は Windows 11 Pro で初期設定されています。Home エディションでは、初期設定でシステムの保護が無効になっているため、システム復元の領域が確保されていません。ただし設定により、Pro エディション同様にシステム復元の領域が確保できます。
ここでは初期設定の状態で比較するため、Windows 11 Pro の容量はシステム復元の領域を考慮した状態で測定します。
メモリ 16 GB の場合
初期状態のデータ使用量は 31.6 GB でした。メモリ 8 GB よりストレージ使用量が 4.2 GB 増えています。
データの種類別でまとめると次の通り。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 9.98 GB | 17.44 GB | 31.6 GB |
予約済み記録域 | 7.46 GB | |||
仮想メモリ | する | 2.89 GB | 9.26 GB | |
休止ファイル | 6.37 GB | |||
システム復元 | しない | 1.17 GB | 4.9 GB | |
その他 | 3.73 GB |
メモリ 8GB のときと比べて容量が増えたのは、メモリ依存する仮想ファイルと休止システムです。
メモリ 32GB の場合
初期状態のデータ使用量は 40.1 GB です。メモリ 8 GB の場合よりストレージ使用量は 12.7 GB 増え、16 GB より 8.4 GB 増えました。
データの種類別でまとめると次の通り。
OS 内の データ種類 | メモリ依存 | データ容量 | 小計 | ストレージ 使用量 |
---|---|---|---|---|
システムファイル | しない | 9.98 GB | 17.44 GB | 40.1 GB |
予約済み記録域 | 7.46 GB | |||
仮想メモリ | する | 5.01 GB | 17.71 GB | |
休止ファイル | 12.7 GB | |||
システム復元 | しない | 1.19 GB | 4.95 GB | |
その他 | 3.76 GB |
Windows 11 Pro メモリ別 OS データ使用量まとめ
メモリ容量 | メモリ依存 しないOS容量 | メモリ依存 するOS容量 | OSのストレージ 使用容量【合計】 |
---|---|---|---|
8 GB | 22.34 GB | 5.06 GB | 27.4 GB |
16 GB | 22.34 GB | 9.26 GB | 31.6 GB |
32 GB | 22.39 GB | 17.71 GB | 40.1 GB |
なぜOSで使われる容量がメモリ容量に依存するのか?
仮想メモリは、メモリの容量が不足したときにパフォーマンスが低下しないように設定されるものです。通常は自動的に設定される仕組みで、メモリ容量に比例して設定される仮想メモリも大きくなります。(メモリ内のデータが仮想メモリにスワッピングされるため)
そして休止ファイルは、メモリ容量の 40% くらいの容量が目安になっています。これはスリープ時に利用されるデータ領域です。メモリ容量が大きいと、メモリ上に保持されているアプリのデータ容量が必然的に増えるため、スリープ時の退避領域として休止ファイルが大きくなります。
これらのデータは、どちらも Windows 11 を快適に使うために必要な領域です。メモリ容量が多ければ、メモリ内からストレージに移動する容量も大きくなるため、必要な容量が増えるというわけです。
Windows 11 が OS で使うストレージ容量まとめ
メモリ容量 | OSのストレージ使用容量 | |
---|---|---|
Windows 11 Home | Windows 11 Pro | |
8 GB | 25.8 GB | 27.4 GB |
16 GB | 30.1 GB | 31.6 GB |
32 GB | 38.6 GB | 40.1 GB |
前述の通り Windows 11 Pro は、システム復元領域として 1.2 GB ほどの領域を消費しています。もし Home エディション側でも同じようにシステム復元の設定をした場合、ストレージ使用容量はほぼ同じになります。
Windows 11 の OS が必要とするストレージ容量を計算するには、この表にある Windows 11 Pro の初期容量を参考にするのが良いと思います。