リオデジャネイロオリンピック 2016 陸上競技の結果まとめ
リオオリンピックが閉会式を迎えた。まだオリンピック熱が冷めやらぬ昨今だが、今大会も選手の活躍にたくさんの感動を与えられた。
陸上競技はオリンピックの中でも花型種目が多い競技だ。しかしダイジェストを見ても日本選手に偏った内容で、全競技の結果を知る機会が無いかと思う。そこで、リオオリンピックで行われた陸上競技全ての結果を、以下にまとめておくことにする。
短距離
100m 男子
世界記録 (WR) | 9.58 (2009) |
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オリンピック記録 (OR) | 9.63 (2012) |
ウサイン・ボルト (ジャマイカ) | 9.81 | |
ジャスティン・ガトリン (アメリカ) | 9.89 | |
アンドレ・ドグラス (カナダ) | 9.91 |
桐生 祥秀 | 予選 | 10.23 |
ケンブリッジ 飛鳥 | 予選 | 10.13 |
山縣 亮太 | 予選 | 10.20 |
ケンブリッジ 飛鳥 | 準決勝 | 10.17 |
山縣 亮太 | 準決勝 | 10.05 |
ウサイン・ボルト、見事に3連覇達成!
決勝ではスタート飛び出してきたガトリンがそのまま逃げ切るかと思いきや、後半のボルトの追い上げが尋常ではない。あっという間に各選手を抜いて、1位に踊りでた姿は圧巻だった。当時のボルトのシーズンベストは 9.88 だったので、きちんとオリンピックに合わせて調整してきたところが、世界記録保持者としての威厳とも言えるだろう。
日本人3選手は9秒の期待もあったが、日本記録更新は持ち越しに。山縣、ケンブリッジ共に準決勝に進出し、山縣亮太は自己ベストを更新。日本人選手が9秒台を出すのもすぐそこまで近付いているのを感じられる結果だ。
100m 女子
世界記録 (WR) | 10.49 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 10.62 (1988) |
エレイン・トンプソン (ジャマイカ) | 10.71 | |
トーリ・ボウイ (アメリカ) | 10.83 | |
シェリーアン・フレーザープライス (ジャマイカ) | 10.86 |
2015年から一気に記録を伸ばし、頭角を現したエレイン・トンプソンが女王に輝く。
200m 男子
世界記録 (WR) | 19.19 (2009) |
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オリンピック記録 (OR) | 19.30 (2008) |
ウサイン・ボルト (ジャマイカ) | 19.78 | |
アンドレ・ドグラス (カナダ) | 20.02 | |
クリストフ・ルメートル (フランス) | 20.12 |
飯塚 翔太 | 予選 | 20.49 |
髙瀬 慧 | 予選 | 20.71 |
藤光 謙司 | 予選 | 20.86 |
100m に続き3連覇を達成したウサイン・ボルト。リオ五輪では記録更新を目指していた様子。チャンピオンになったにも関わらず、記録更新できなかった結果に悔しがっていた姿が印象的だった。それでも彼の世界記録が破られることは、しばらく無いのではないだろうか。
日本人3選手は、記録を伸ばすことができず予選敗退。
200m 女子
世界記録 (WR) | 21.34 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 21.34 (1988) |
エレイン・トンプソン (ジャマイカ) | 21.78 | |
ダフネ・シパーズ (オランダ) | 21.88 | |
トーリ・ボウイ (アメリカ) | 22.15 |
福島 千里 | 予選 | 23.21 |
100m に続き、こちらも2冠を達成したエレイン・トンプソン。100m と 200m の2冠を達成したのは 1988 年のソウル五輪のジョイナー以来の快挙。
福島千里は太ももの違和感により、100m を欠場して 200m 一本に専念。カーブを抜けるところまで良かったが、後半の直線は外国勢が強い。日本陸上 2016 で日本記録を更新していたので、今ひとつ伸びきらなかったのが残念だった。
400m 男子
世界記録 (WR) | 43.18 (1999) |
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オリンピック記録 (OR) | 43.49 (1996) |
ウェイド・バンニーキルク (南アフリカ) | 43.03 【WR】 | |
キラニー・ジェームス (グレナダ) | 43.76 | |
ラショーン・メリット (アメリカ) | 43.85 |
ウォルシュ・ジュリアン | 予選 | 46.37 |
金丸 祐三 | 予選 | 48.38 |
ついにマイケル・ジョンソンが持つ世界記録が更新!しかも一番大外の8レーンからの記録更新。このオリンピックの大舞台で達成した歴史的な記録更新は、もっと大きく取り上げられてもおかしくないレベル。日本ではあまりビッグニュースになっていないので残念で仕方ない。
400m 女子
世界記録 (WR) | 47.60 (1985) |
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オリンピック記録 (OR) | 48.25 (1996) |
シャウナ・ミラー (バハマ) | 49.44 | |
アリソン・フェリックス (アメリカ) | 49.51 | |
シェリカ・ジャクソン (ジャマイカ) | 49.85 |
2位のアリソン・フェリックスはロンドン五輪 200m の金メダリスト。今回は 400m に絞って出場したが、新鋭のシャウナ・ミラーに敗れてしまう。ミラーは国際大会で初の金メダル。22歳と若い選手で、これから更に飛躍するだろう。
ハードル
110m ハードル 男子
世界記録 (WR) | 12.80 (2012) |
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オリンピック記録 (OR) | 12.91 (2004) |
オマー・マクロード (ジャマイカ) | 13.05 | |
オーランド・オルテガ (スペイン) | 13.17 | |
ディミトリ・バスク (フランス) | 13.24 |
矢澤 航 | 予選 | 13.88 |
雨天により、矢澤航の予選が再レースとなる。結果を伸ばせず予選敗退。
決勝ではオマー・マクロードが一台目のハードルからトップに立つ。そこから更に速度を増して、そのままゴール。圧倒的な強さが印象的だった。
100m ハードル 女子
世界記録 (WR) | 12.21 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 12.35 (2012) |
ブリアナ・ローリンズ (アメリカ) | 12.48 | |
ニア・アリ (アメリカ) | 12.59 | |
クリスティ・キャスリン (アメリカ) | 12.61 |
同種目では、アメリカ勢が表彰台を独占。ブリアナ・ローリンズは、予選、準決勝と全て1位のタイムで通過、決勝でも見事に金メダルに輝いた。
400m ハードル 男子
世界記録 (WR) | 46.78 (1992) |
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オリンピック記録 (OR) | 46.78 (1992) |
カーロン・クレメント (アメリカ) | 47.73 | |
ボニフェイス・ツムティ (アメリカ) | 47.78 | |
ヤズマニ・コペロ (トルコ) | 47.92 |
野澤 啓佑 | 予選 | 48.62 |
松下 祐樹 | 予選 | 49.60 |
野澤 啓佑 | 準決勝 | 49.20 |
決勝はタイムを見ても分かる通り、最後の直線まで接戦が繰り広げられた。だれが最後に勝つか分からない状況で、勝利を掴んだカーロン・クレメントは北京五輪の銀メダリスト。再び表彰台に返り咲く。
400m ハードル 女子
世界記録 (WR) | 53.34 (2003) |
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オリンピック記録 (OR) | 52.64 (2008) |
ダリラ・ムハマンド (アメリカ) | 53.13 | |
サラ・スロット・ペーターセン (デンマーク) | 53.55 | |
アシュリー・スペンサー (アメリカ) | 53.72 |
久保倉 里美 | 予選 | 57.34 |
金メダルを取ったダリラ・ムハマンドは、イスラム教徒であるためアメリカでも話題になっていた。また同種目において、アメリカ初の金メダル獲得となった。
中距離
800m 男子
世界記録 (WR) | 1:40.91 (2012) |
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オリンピック記録 (OR) | 1:40.91 (2012) |
デイヴィッド・レクタ・ルディシャ (ケニア) | 1:42.15 | |
タウフィク・マフルーフィ (アルジェリア) | 1:42.61 | |
クレイトン・マーフィー (アメリカ) | 1:42.93 |
川元 奨 | 予選 | 1:49.41 |
川元奨の記録は惜しくも 0.01 秒足りず、準決勝に進めず。中距離はまだまだ世界との隔たりがあるのが現状だ。
金メダルのデイヴィッド・レクタ・ルディシャは、世界記録保持者でロンドンに次いで2連覇を達成。
800m 女子
世界記録 (WR) | 1:53.28 (1983) |
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オリンピック記録 (OR) | 1:53.43 (1980) |
キャスター・セメンヤ (南アフリカ) | 1:55.28 | |
フランシーヌ・ニヨンサバ (ブルンジ) | 1:56.49 | |
マーガレット・ワンブイ (ケニア) | 1:56.89 |
金メダルを取ったキャスター・セメンヤは、性別疑惑で話題になった選手。男性ホルモンの一種であるテストステロンが、通常の女性の3倍以上分泌しているため、一時は陸上競技会への出場の自粛を求められるまでになった。しかし今では国際陸連も正式にセメンヤが女性として競技に参加することを認めている。
1500m 男子
世界記録 (WR) | 3:26.00 (1998) |
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オリンピック記録 (OR) | 3:32.07 (2000) |
マシュー・セントロウィッツ Jr. (アメリカ) | 3:50.00 | |
タウフィク・マフルーフィ (アルジェリア) | 3:50.11 | |
ニック・ウィリス (ニュージーランド) | 3:50.24 |
類まれなるスローペースでの決勝。準決勝では3分40秒を切る選手が多数いたのに、決勝でこのタイム。ラストの 400m で、スプリンター並の力強さとスピードで押し切ったら勝ちといった状況で、かなりリスクの高い駆け引き勝負が見ていて面白い試合だった。
1500m 女子
世界記録 (WR) | 3:50.07 (2015) |
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オリンピック記録 (OR) | 3:52.96 (1988) |
フェイス・キプイエゴン (ケニア) | 4:08.92 | |
ゲンゼベ・ディババ (エチオピア) | 4:10.27 | |
ジェニファー・シンプソン (アメリカ) | 4:10.53 |
3000m 障害 男子
世界記録 (WR) | 7:53.63 (2004) |
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オリンピック記録 (OR) | 8:05.51 (1988) |
コンセスラス・キプルト (ケニア) | 8:03.28 【OR】 | |
エヴァン・イェーガー (アメリカ) | 8:04.28 | |
マイディーヌ・メキシベナバ (フランス) | 8:11.52 |
塩尻 和也 | 予選 | 8:40.98 |
コンセスラス・キプルトがソウル五輪のオリンピックレコードを塗り替え優勝。予選から20秒近く上回る記録に、大差を付けてのゴールとなった。
3000m 障害 女子
世界記録 (WR) | 8:58.81 (2008) |
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オリンピック記録 (OR) | 8:58.81 (2008) |
ルース・ジェベト (バーレーン) | 8:59.75 | |
ヒュビン・キエン・ジェブケモイ (ケニア) | 9:07.12 | |
エマ・コバーン (アメリカ) | 9:07.63 |
高見澤 安珠 | 予選 | 9:58.56 |
世界記録まであと1秒に迫るタイム。ルース・ジェベトは予選から決勝まで、ぶっちぎりの1位で金メダルを獲得。
長距離
5000m 男子
世界記録 (WR) | 12:47.35 (2004) |
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オリンピック記録 (OR) | 12:57.82 (2008) |
モハメド・ファラー (イギリス) | 13:03.30 | |
ポール・キプケモイ・チェリモ (アメリカ) | 13:03.90 | |
ハゴス・ゲブリウェト (エチオピア) | 13:04.35 |
大迫 傑 | 予選 | 13:31.45 |
村山 紘太 | 予選 | 14:26.72 |
勝負はラスト2周までもつれる試合展開。駆け引きに勝ったモハメド・ファラーが、ロンドン五輪に続いて2連覇を達成。
5000m 女子
世界記録 (WR) | 14:11.15 (2008) |
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オリンピック記録 (OR) | 14:40.79 (2000) |
ビビアン・チェルイヨット (ケニア) | 14:26.17 【OR】 | |
ヘレン・オンサド・オビリ (ケニア) | 14:29.77 | |
アルマズ・アヤナ (エチオピア) | 14:33.59 | |
15位 | 上原 美幸 (日本) | 15:34.97 |
尾西 美咲 | 予選 | 15:29.17 |
鈴木 亜由子 | 予選 | 15:41.81 |
上原 美幸 | 予選 | 15:23.41 |
予選・決勝と上原美幸が1人で先頭に飛び出していく展開。決勝では、10000m の世界記録を更新したアルマズ・アナヤが途中で飛び出しそのまま逃げ切るかと思いきや、ケニアの両選手も飛び出して、アナヤ含むメダリスト3名がオリンピック記録を塗り替える好レースとなった。
中間の粘りと後半までもつ体力があれば、上原美幸の戦略でも十分入賞圏内にいけるのではないかと思う。とても気持ち良い前半の走りだったので、東京オリンピックでも期待したい。
また、予選2組目で選手同士の接触による転倒があった。このまま棄権するかと思いきや、当事者のニッキ・ハンブリンとアビー・ダゴスティーノが2人で助け合い、最後まで走ってゴール。その後、大会主催者からの救済措置として、両者および接触の影響を受けたジェニファー・ウェンスの決勝進出を認める決断をした。
10000m 男子
世界記録 (WR) | 26:17.53 (2005) |
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オリンピック記録 (OR) | 27:01.17 (2008) |
モハメド・ファラー (イギリス) | 27:05.17 | |
ポール・タヌイ (ケニア) | 27:05.64 | |
タミラト・トラ (エチオピア) | 27:06.26 | |
17位 | 大迫 傑 (日本) | 27:51.94 |
29位 | 設楽 悠太 (日本) | 28:55.23 |
30位 | 村山 紘太 (日本) | 29:02.51 |
長距離トラックの王者モハメド・ファラーは強かった。5000m と共に2冠&2連覇を達成。
とにかくラストスパートが速い。こんなに長い距離を走りながらも、ラスト 400m で更なるスピードアップができる実力を持っている彼は、長距離界の真の帝王と言っても過言ではない。
10000m 女子
世界記録 (WR) | 29:31.78 (1993) |
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オリンピック記録 (OR) | 29:54.66 (2008) |
アルマズ・アナヤ (エチオピア) | 29:17.45 【WR】 | |
ビビアン・チェルイヨット (ケニア) | 29:32.53 | |
ティルネシュ・ディババ (エチオピア) | 29:42.56 | |
18位 | 高島 由香 (日本) | 31:36.44 |
20位 | 関根 花観 (日本) | 31:44.44 |
トラック競技唯一の世界記録更新したアルマズ・アナヤ。中盤から一気にペースを上げ、そこからゴールまで独走態勢。独走を保って世界記録を 14 秒も縮めてしまうアナヤは、一言「すごい」としか言いようがない。
マラソン 男子
世界記録 (WR) | 2:02:57 (2014) |
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オリンピック記録 (OR) | 2:06:32 (2008) |
エリウド・キプチョゲ (ケニア) | 2:08:44 | |
フェイサ・リレサ (エチオピア) | 2:09:54 | |
ゲーレン・ラップ (アメリカ) | 2:10:05 | |
16位 | 佐々木 悟 (日本) | 2:13:57 |
36位 | 石川 末廣 (日本) | 2:17:08 |
94位 | 北島 寿典 (日本) | 2:25:11 |
139位 | 猫 ひろし (カンボジア) | 2:45:55 |
結果だけ見ると、日本勢は完敗だ。世界と争える時期を知っているので、もう少し粘りを見せて欲しかったのが正直なところ。
長距離種目はケニア、エチオピア勢が強く、世界記録も2時間2分台ととんでもなくスピードレースとなっている今、オリンピック本番で2時間10分を切れる実力がないと入賞が難しくなっている。
マラソン 女子
世界記録 (WR) | 2:15:25 (2003) |
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オリンピック記録 (OR) | 2:23:07 (2012) |
ジェミマ・スムゴング (ケニア) | 2:24:04 | |
ユニス・ジェプキルイ・キルワ (バーレーン) | 2:24:13 | |
マレ・ディババ (エチオピア) | 2:24:30 | |
14位 | 福士 加代子 (日本) | 2:29:53 |
19位 | 田中 智美 (日本) | 2:31:12 |
46位 | 伊藤 舞 (日本) | 2:37:37 |
世界で戦うためには、35km を超えるまでいかに離されずに付いて行けるかが勝負のポイント。オリンピックはただ記録を狙う大会と違って、駆け引きが重要になる。そのため相手のパターンに飲まれないようにするのも、大事な戦略だったりする
30km の時点でトップ集団から離されていた日本人選手団。さすがに上位の成績を収めるのは難しい状況だった。
リレー
4x100m リレー男子
世界記録 (WR) | 36.84 (2012) |
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オリンピック記録 (OR) | 36.84 (2012) |
ジャマイカ (パウエル、ブレーク、アシュミード、ボルト) | 37.27 | |
日本 (山縣、飯塚、桐生、ケンブリッジ) | 37.60 | |
カナダ (ヘインズ、ブラウン、ロドニー、デグラッセ) | 37.64 |
過去に北京五輪で銅メダルを収めた同種目。リオでは正真正銘の銀メダルを獲得。予選、決勝と日本記録・アジア記録を塗り替えて、堂々の2位。誰一人として 100m 9秒台の居ない日本チームがメダルを獲得できた理由として、バトンワークの良さが挙げられる。
スプリント競技での銀メダル獲得に、日本だけでなく世界が驚いた。アメリカは1走のロジャースからガトリンへのバトン受け渡しの際に、ゾーン手前でバトンに触れたことにより、3位着でゴールしたが失格となる。もしアメリカが失格でなかったとしても、2位であることに変わりはなく、4人の完璧なランで結果が残せたのは素晴らしい。
4x100m リレー女子
世界記録 (WR) | 40.82 (2012) |
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オリンピック記録 (OR) | 40.82 (2012) |
アメリカ (バートレッタ、フェリックス、ガードナー、ボウイ) | 41.01 | |
ジャマイカ (ウィリアムズ、トンプソン、キャンベルブラウン、フレーザープライス) | 41.36 | |
イギリス (フィリップ、ヘンリー、アーシャースミス、ニータ) | 41.77 |
世界記録を持っているアメリカは選手層が厚く、リレー競技では圧倒的な力がある。100m から 400m までこなすアリソン・フェリックスは、女王の名に恥じない2連覇を達成。
4x400m リレー男子
世界記録 (WR) | 2:54.29 (1993) |
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オリンピック記録 (OR) | 2:55.39 (2008) |
アメリカ (ホール、マクウェイ、ロバーツ、メリット) | 2:57.30 | |
ジャマイカ (マシューズ、アレン、ダンクリー、フランシス) | 2:58.16 | |
バハマ (ラッセル、マシュー、ガーディナー、ブラウン) | 2:58.49 |
ウォルシュ、田村、北川、加藤 | 予選 | 3:02.95 |
1600m リレーは途中からオープンレーンになる。そのため良い位置につけていないと、バトンワークで時間をロスしてしまう競技だ。
北京からメダル獲得が続いているバハマは、リオでも銅メダルを獲得。前回のロンドンでバハマに敗れたアメリカは、リオでリベンジすることに成功。
4x400m リレー女子
世界記録 (WR) | 2:54.29 (1993) |
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オリンピック記録 (OR) | 3:15.27 (1988) |
アメリカ () | 3:19.06 | |
ジャマイカ () | 3:20.34 | |
イギリス () | 3:25.88 |
アリソン・フェリックスは 400m リレーと共にリレー2冠を達成。更にはロンドン五輪に次いで、両種目で金メダルを獲得。リレー種目で2冠&2連覇は女王たる所以の成績だ。
跳躍
走高跳 男子
世界記録 (WR) | 2m45 (1993) |
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オリンピック記録 (OR) | 2m39 (1996) |
デレック・ドルイン (カナダ) | 2m38 | |
ムタズ・エサ・バルシム (カタール) | 2m36 | |
ボーダン・ボンダレンコ (ウクライナ) | 2m33 |
衛藤 昂 | 予選 | 2m17 |
世界記録に次ぐ歴代2位の記録を持つムタズ・エサ・バルシム、そして 2015 年の世界陸上を制したデレック・ドルイン。どちらが勝ってもおかしくない試合だった。
いつの日か、ソトマイヨルの世界記録を超えるハイジャンプを見てみたい。
走高跳 女子
世界記録 (WR) | 2m09 (1987) |
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オリンピック記録 (OR) | 2m06 (2004) |
ルート・ベイティア (スペイン) | 1m97 | |
ミレラ・デミレワ (ブルガリア) | 1m97 | |
ブランカ・ブラシッチ (クロアチア) | 1m97 |
女子は決勝進出者が 1m93 以上をクリアする混戦。そして4人が 1m97 をクリアしたため、試技回数により順位が決定。確実に1回目からクリアを目指さなくてはいけない、シビアな面が浮き彫りとなった決勝だった。
棒高跳 男子
世界記録 (WR) | 6m16 (2014) |
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オリンピック記録 (OR) | 5m97 (2012) |
チアゴ・ブラス・ダ・シウヴァ (ブラジル) | 6m03 【OR】 | |
ルノー・ラビレニ (ふらんす) | 5m98 | |
サム・ケンドリックス (アメリカ) | 5m85 | |
7位 | 澤野 大地 (日本) | 5m50 |
澤野 大地 | 予選 | 5m60 |
荻田 大樹 | 予選 | 5m45 |
山本 聖途 | 予選 | 記録なし |
ブブカの世界記録を破ったルノー・ラビレニは、残念ながら 6m を超えることが出来ず銀メダルに。最後の跳躍では 6m08 に挑んでいるため、もし飛べていたら逆転の金メダルだったがそれは叶わず。
チアゴ・ブラス・ダ・シウヴァは地元の声援もあり、自己記録を更新してオリンピック記録で金メダルを獲得。
棒高跳 女子
世界記録 (WR) | 5m06 (2009) |
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オリンピック記録 (OR) | 5m05 (2008) |
エカテリーニ・ステファニディ (ギリシャ) | 4m85 | |
サンディ・モリス (アメリカ) | 4m85 | |
エリザ・マッカートニー (ニュージーランド) | 4m80 |
世界記録保持者であるエレーナ・イシンバエワ、出産のため18ヶ月休養しリオに向けて復活する予定をしていたが、ロシアのドーピング問題により出場を断念。そのまま引退表明となった。
最後の女王の勇姿を見たかったが、今後は IOC の選手委員となったので、これからはドーピング問題が起こらないクリーンな環境作りを目指して活躍してほしい。
走幅跳 男子
世界記録 (WR) | 8m95 (1991) |
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オリンピック記録 (OR) | 8m90 (1968) |
ジェフ・ヘンダーソン (アメリカ) | 8m38 | |
ルヴォ・マンヨンガ (南アフリカ) | 8m37 | |
グレッグ・ラザフォード (イギリス) | 8m29 |
男子走幅跳の決勝は大接戦。わずか 10cm の間に3人がひしめき合う結果となり、1cm の差でジェフ・ヘンダーソンが優勝。
いかにラインぎりぎりに合わせてロングジャンプできるかが勝負の鍵となる同競技。結果を見る限り、ちょっとした踏切位置の差での勝負だったことが伺える。
走幅跳 女子
世界記録 (WR) | 7m52 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 7m40 (1988) |
ディアナ・バートレッタ (アメリア) | 7m17 | |
ブリトニー・リース (アメリカ) | 7m15 | |
イヴァーナ・スパノヴィッチ (セルビア) | 7m08 |
甲斐 好美 | 予選 | 5m87 |
女子も男子同様に接戦だった。ロンドン五輪の金メダリストであるブリトニー・リースは、わずか 2cm の差で銀メダルを獲得。
三段跳 男子
世界記録 (WR) | 18m29 (1995) |
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オリンピック記録 (OR) | 18m09 (1996) |
クリスチャン・テイラー (アメリカ) | 17m86 | |
ウィル・クレイ (アメリカ) | 17m76 | |
董斌 (中国) | 17m58 |
山下 航平 | 予選 | 15m71 |
長谷川 大悟 | 予選 | 16m17 |
決勝を見ていたら 18m を超えてくるのではないかと思わせるジャンプが多く、オリンピック記録更新の期待もあった。しかし結果は 18m に届かず。
それでも三段跳で 18m を飛ぶには、6m + 5m + 7m と、最後のジャンプは失速している状況下で 7m 近くも飛ぶ必要があるため、この結果でも十分にすごい記録だとわかる。
銅メダル、そして4位入賞が中国の選手。アメリカ、ヨーロッパ圏で強い選手が多いにもかかわらず、アジアの選手が活躍した結果となった。
三段跳 女子
世界記録 (WR) | 15m50 (1995) |
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オリンピック記録 (OR) | 15m39 (2008) |
カテリーン・イバルグエン (コロンビア) | 15m17 | |
ジュリマール・ロハス (ベネズエラ) | 14m98 | |
オルガ・リパコワ (カザフスタン) | 14m74 |
ロンドン五輪の銀メダリストであるカテリーン・イバルグエンが 15m を超える跳躍を見せ、金メダルを獲得。
投てき
砲丸投 男子
世界記録 (WR) | 23m12 (1990) |
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オリンピック記録 (OR) | 22m47 (1988) |
ライアン・クラウザー (アメリカ) | 22m52 【OR】 | |
ジョー・コバックス (アメリカ) | 21m78 | |
トーマス・ウォルシュ (ニュージーランド) | 21m36 |
20年以上更新されていないオリンピック記録に風穴を開けたライアン・クラウザー。2位と 80cm 近い差をつけ圧勝。
砲丸投 女子
世界記録 (WR) | 22m63 (1987) |
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オリンピック記録 (OR) | 22m41 (1980) |
ミシェル・カーター (アメリカ) | 20m63 | |
バレリー・アダムス (ニュージーランド) | 20m42 | |
アニタ・マールトン (ハンガリー) | 19m87 |
ミシェル・カーターの父であるマイケル・カーターは、1984年のロサンゼルス五輪における砲丸投の銀メダリスト。これで親子揃って、オリンピックメダリストへ。
円盤投 男子
世界記録 (WR) | 74m08 (1986) |
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オリンピック記録 (OR) | 69m89 (2004) |
クリストフ・ハルティング (ドイツ) | 68m37 | |
ピオトル・マラチョフスキ (ポーランド) | 67m55 | |
ダニエル・ヤシンスキ (ドイツ) | 67m05 |
ロンドン五輪の金メダリストであるロバート・ハルティングの弟が、同種目の金メダルを獲得し、兄弟そろって金メダリストへ。今大会、兄のロバートは予選落ち。
円盤投 女子
世界記録 (WR) | 76m80 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 72m30 (1988) |
サンドラ・ペルコビッチ (クロアチア) | 69m21 | |
メリーナ・ロベルミション (フランス) | 66m73 | |
デニア・カバレロ (キューバ) | 65m34 |
大投てきで圧勝したサンドラ・ペルコビッチは、ロンドン五輪に次いで2連覇を達成。
ハンマー投 男子
世界記録 (WR) | 86m74 (1986) |
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オリンピック記録 (OR) | 84m80 (1988) |
ディルショド・ナザロフ (タジキスタン) | 78m68 | |
イワン・チホン (ベラルーシ) | 77m79 | |
ヴォイチェフ・ノビキ (ポーランド) | 77m73 |
ハンマー投げと言えば室伏広治のイメージが強いが、リオデジャネイロ五輪には出場していない。最後に出場したロンドン五輪では 78m71 の成績を残し銅メダル。
リオでの成績と照らし合わせると金メダル級の成績ではあるが、リオデジャネイロ五輪の選考会で 64m74 と年齢的な面での体力の限界を感じ、オリンピック参加記録に届かない結果を受けて引退を表明している。
ハンマー投 女子
世界記録 (WR) | 79m42 (2011) |
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オリンピック記録 (OR) | 78m18 (2012) |
アニタ・ヴォダルチク (ポーランド) | 82m29 【WR】 | |
張文秀 (中国) | 76m75 | |
ソフィー・ヒチョン (イギリス) | 74m54 |
アニタ・ヴォダルチクが女子で初の 80m 超えの世界記録を出して優勝。女子なのに男子並の飛距離が出ているのは、ハンマー自体の重さの違いによるもの。男子の 7.260kg(16ポンド)に対し、女子は 4.0kg(8.82ポンド)と軽い。
やり投 男子
世界記録 (WR) | 98m48 (2006) |
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オリンピック記録 (OR) | 90m57 (2004) |
トマス・レーラー (ドイツ) | 90m30 | |
ジュリアス・イェゴ (ケニア) | 88m24 | |
ケショーン・ウォルコット (トリニダード・トバゴ) | 85m38 | |
11位 | 新井 涼平 (日本) | 79m11 |
新井 涼平 | 予選 | 84m16 |
いつの日か 100m を超える日が来るのではと期待している同種目。新井涼平の予選での投てきは見事だった。決勝では思ったほど記録が伸びず、本人の悔しそうなインタビューが印象に残った。まだ25歳の若さなので、東京五輪でリベンジしてほしい。
やり投 女子
世界記録 (WR) | 72m28 (2008) |
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オリンピック記録 (OR) | 71m53 (2004) |
サラ・コラク (クロアチア) | 66m18 | |
サネッテ・ビルジョエン (南アフリカ) | 64m92 | |
バルボラ・シュポタコバ (チェコ) | 64m80 |
混合種目
十種競技
世界記録 (WR) | 9045点 (2015) |
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オリンピック記録 (OR) | 8893点 (2004) |
アシュトン・イートン (アメリカ) | 8893点 【OR】 | |
ケヴィン・マイヤー (フランス) | 8834点 | |
ダミアン・ワーナー (カナダ) | 8666点 | |
20位 | 中村 明彦 (日本) | 7952点 |
22位 | 右代 啓祐 (日本) | 7612点 |
世界記録保持者のアシュトン・イートンが、オリンピックタイ記録で優勝を収め、キング・オブ・アスリートの称号を手に入れた。メダリストのレベルになると、極端に苦手とする種目が少なく、平均して良い成績を収めている。またイートンは走力に長けているため、そこで大きく点数を稼ぐのが特徴の選手である。
七種競技
世界記録 (WR) | 7291点 (1988) |
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オリンピック記録 (OR) | 7291点 (1988) |
ナフィサトウ・ディアム (ベルギー) | 6810点 | |
ジェシカ・エニスヒル (イギリス) | 6775点 | |
ブリアンヌ・タイゼンイートン (カナダ) | 6653点 |
競歩
20km 競歩 男子
世界記録 (WR) | 1:16:36 (2015) |
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オリンピック記録 (OR) | 1:18:46 (2012) |
王鎮 (中国) | 1:19:14 | |
蔡沢林 (中国) | 1:19:26 | |
デイン・バード・スミス (オーストラリア) | 1:19:37 | |
7位 | 松永 大介 (日本) | 1:20:22 |
21位 | 藤澤 勇 (日本) | 1:22:03 |
42位 | 髙橋 英輝 (日本) | 1:24:59 |
シーズンの記録上では、日本の3選手が上位を独占していた。競歩は駆け引きが重要になる競技で、スパートの勢いに遅れると追い付くのが難しい競技でもある。結果的に、松永大介が同種目初の7位入賞と、好成績を収めてくれた。
20km 競歩 女子
世界記録 (WR) | 1:24:38 (2015) |
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オリンピック記録 (OR) | 1:25:02 (2012) |
劉虹 (中国) | 1:28:35 | |
マリア・グアダルーペ・ゴンサレス (メキシコ) | 1:28:37 | |
呂秀芝 (中国) | 1:28:42 | |
16位 | 岡田 久美子 (日本) | 1:32:53 |
後半途中までは20位辺りだった岡田久美子は、ラストのペースアップで次々と順位を上げて、最終的に16位でゴール。少しずつ世界大会での実績を重ねて、東京五輪では更に上位の成績を目指して頑張ってほしい。
50km 競歩 男子
世界記録 (WR) | 3:32:33 (2014) |
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オリンピック記録 (OR) | 3:36:53 (2012) |
マテイ・トス (スロバキア) | 3:40:58 | |
ジャレド・タレント (オーストラリア) | 3:41:16 | |
荒井広宙 (日本) | 3:41:24 | |
14位 | 谷井 孝行 (日本) | 3:51:00 |
27位 | 森岡 紘一朗 (日本) | 3:58:59 |
一時はカナダ選手との接触により失格扱いとなった荒井広宙。その後日本陸連からの上訴により過失でないことが国際陸連に認められ、競歩における日本で初めてのメダリストになる。4時間近くも歩いて、最後に失格で終わらなくて本当に良かった。