おすすめモバイルバッテリーの選び方!自分のスマートフォンに適したバッテリーを購入しよう

アラームで1日が始まり、LINE や Facebook、Twitter といった SNS から、電卓、メール、ナビや乗換案内のような便利ツール、そして電子マネーにカメラにゲーム。1日中スマホを操作していると、バッテリー残量との戦いになる日がよくあります。
容量が 30% を切ると、帰宅するまでバッテリーが持つか不安になることもしばしば。そんな不安を解消してくれるアイテムの1つがモバイルバッテリー。
荷物として増えるのは好ましくないものの、バッテリー残量に悩まされなくて済むメリットはあります。今回はモバイルバッテリー初心者に向けて、どのように選んだらいいのか、そして自分のスマホに適したモバイルバッテリーがどれなのかを紹介していきます。
自分のスマホのバッテリー容量を認識しておこう
モバイルバッテリーを購入する前に、まずは自分の持っているスマートフォンのバッテリーの容量を確認しておきましょう。その容量に応じて、購入するバッテリーで何回分の充電ができるのかが分かります。
なおモバイルバッテリーは容量が大きいほど重くなるので、一概に大容量が望ましいわけではありません。そして軽さを求めるあまりバッテリー容量が少なすぎると、満足できる充電量にならないケースもあります。
実際に使える容量は表示値の70%くらい
モバイルバッテリーの容量が 10,000mAh の場合、実際に充電として使える容量は7割くらいです。これは電圧の変換によりロスするもので、全てのモバイルバッテリーに対して言えることです。
つまり 3,000mAh のバッテリー容量を持つスマートフォンを充電するために、3,000mAh のモバイルバッテリーを用意してもフル充電できません。このあたりの細かい説明は次の記事に掲載しているので、参考にしてください。
主要機種のバッテリー容量一覧
電圧の変換ロスを考慮すると、各種スマートフォンのバッテリー容量に対して、フル充電するために必要なモバイルバッテリーの容量は次の通りになります。
機種 | バッテリー容量 | フル充電に必要な容量 |
---|---|---|
iPhone 11 | 3,110 mAh | 4,443 mAh |
iPhone 11 Pro | 3,046 mAh | 4,352 mAh |
iPhone 11 Pro Max | 3,969 mAh | 5,670 mAh |
iPhone XS | 2,659mAh | 3,798mAh |
iPhone XS Max | 3,179mAh | 4,542mAh |
iPhone XR | 2,942mAh | 4,203mAh |
iPhone X | 2,716mAh | 3,880mAh |
iPhone 8 | 1,821mAh | 2,602mAh |
iPhone 8 Plus | 2,691mAh | 3,844mAh |
Xperia 1 | 3,330 mAh | 4,758 mAh |
Xperia 5 | 3,000 mAh | 4,286 mAh |
XPERIA XZ3 | 3,200mAh | 4,572mAh |
XPERIA XZ2 premium | 3,400mAh | 4,857mAh |
XPERIA XZ2 | 3,060mAh | 4,372mAh |
XPERIA XZ2 compact | 2,760mAh | 3,943mAh |
Pixel 3 | 2,915mAh | 4,164mAh |
Pixel 3 XL | 3,430mAh | 4,900mAh |
概算で1.5倍くらいすれば、必要な容量が求められます。
自分のスマホの容量が分からない方は、概ね 3,000mAh 程度と考えて、フル充電に必要な容量を 4,200mAh として考えておけば大半の機種がカバーできます。
急速充電について理解しておこう
一般的な充電用アダプターは出力が 5.0V / 1.0A です。このアンペア数やボルト数が大きくなると充電速度が向上します。日常においてバッテリーがなくなった時には、出来る限り短い時間で充電を済ませたいですよね。外出先で電源がとれるのであれば、急速充電に対応したアダプターを利用するれば、より高速に充電が行えます。
高速充電可能なアダプター
このアダプターは各ポート 5.0V / 2.4A なので、一般的なアダプターより2倍近く速く充電できます。他にも急速充電に対応している機器は、概ね 2.0A ~ 3.0A 出力できる性能を持っています。
時代は USB-C になりつつある
昨今は USB-C の形状を持つ機器も増えてきました。充電速度を重視するなら両端が USB-C のケーブルを使い、アダプターも USB-C に対応しているものが最も高速で充電できます。スマホやタブレットを充電する程度なら、RAVPower の GaN 素材を採用した最新の 30W アダプターがコンパクトで持ち運びも簡単なのでおすすめです。
詳しくレビューもしているので、細かい情報が知りたい方は参考にしてください。
モバイルバッテリーの入出力の値に注目する
モバイルバッテリーの仕様には、入力・出力がそれぞれ記述されています。
- 入力: バッテリー自身を充電するときの電力量
- 出力: スマホへ充電する時の電力量
入力の値が小さい (1.0A) と、バッテリー本体の充電に時間が掛かってしまいます。最近のバッテリーは 2.0A の製品が中心になっていますが、格安で売られているモバイルバッテリーは本体の充電性能が弱いことがあるので注意してください。
入力値が大きいと、モバイルバッテリー自体の充電速度が速くなる!
Quick Charge 2.0 / 3.0 とは?
Quick Charge とは 急速充電の規格 です。接続機器にも依りますが、電圧を最大 20V まで増やせるため、もっと高速に充電できるようになります。ただしスマホには Quick Charge に対応していない機種もあるので、そこまで大きな期待はしないほうが無難です。
もしスマホが Quick Charge に対応していない場合は、通常モードで充電されます。
iPhone は残念ながら Quick Charge に対応していません。Android のみが恩恵を受けられる機能です。なお XPERIA は XZ 以降、Galaxy は S9 以降が Quick Charge 3.0 に対応しています。
昨今は Quick Chage よりも一般的な規格である USB-C の Power Delivery (USB PD) に注目されています。そもそも標準仕様で USB-C のほうが高出力に対応していて、Apple 製品を含め USB PD に対応している機器が多いのも特徴の1つです。
難しく考える前に、両方の端子が USB-C のケーブルで充電すると充電が速いと覚えておけば OK です。ちなみに先ほどの RAVPower のアダプターも USB PD に対応しています。
急速充電に対応したケーブルを選ぶ
急速充電を行うには、相応のアンペア数に耐えられるケーブルが必要になります。僕が実際に使っているおすすめのケーブルを次の記事にまとめているので、参考にしてください。
こちらはマイクロ USB ケーブル。
充電用としておすすめしているケーブルがこちら。
そしてこちらが USB-C に対応したケーブル。
データ転送用には適していませんが、充電用におすすめのケーブルがこれです。
そしてようやく、モバイルバッテリーの紹介です。
複数回充電可能な大容量バッテリー
以下紹介するのは、品質の高い製品を中心としています。安物の大容量バッテリーは変換ロス値が高いものがあり、故障しやすいデメリットもあります。金額で選んで粗悪品をつかまないよう、信頼度の高い製品を選ぶのが大切です。
【おすすめ】Anker PowerCore 10000 Redux
- バッテリー容量 ……… 10,000mAh
- 重量 …………………… 約 184g
- サイズ ………………… 約 104 x 52 x 25 mm
- 入力 …………………… 5V / 2A
- 最大出力 ……………… 5V / 2.4A
- USB ポート数 ………… 1つ
コンパクトで軽いのに容量がある。あれこれ考えるなら、これを買っておけば間違いない製品です。小ささ、軽さは正義です。手軽に持ち運べるのがとても気に入ってる製品です。
- 出力 2.4A で急速充電対応
- 10,000mAh を超える容量で 184g の軽さ
- 独自規格 PowerIQ 2.0 に対応
- 18 ヶ月の製品保証
Anker の製品には PowerIQ とは別に、独自技術 VoltageBoost の機能がついています。これはケーブルの抵抗値を検知して、電圧の調整を行ってくれます。普通に使っていても、あまり有り難みを実感することのない機能ですが、細部まで気が利いた良い機能です。
また、18 ヶ月の製品保証があるため、万が一何かあっても1年半の長期保証がついているので安心です。もし期間中に不具合が生じた場合は、Anker のカスタマーサポートへ連絡すれば、きちんと対処してくれます。
保証がしっかりしているのは、メーカー選びの重要なポイント。ちなみに Amazon で購入する場合は、公式ショップである AnkerDirect から購入した場合に限るので、その点はお気をつけください。
Anker PowerCore 20000 Redux
- バッテリー容量 ……… 20,000 mAh
- 重量 …………………… 約 362g
- サイズ ………………… 約 166 x 65 x 25 mm
- 入力 …………………… 5V / 2A
- 最大出力 ……………… 5V / 4.8A 各ポート最大 2.4A
- USB ポート数 ………… 2つ
こちらは容量 20,000mAh 版です。長時間使えるパワーを持っている反面、重量が大きく持ち運びには適していません。それでも普段から2台以上の充電が必要な機器を持つ人には、人気があるようです。
そしてここまで容量があると、災対用としても使えます。
- 出力 2.4A で急速充電対応
- 2台同時充電に対応
- 20,000mAh を超える容量で 5,000円程度の低価格
- 超大容量バッテリーで軽量化を実現
- 独自規格 PowerIQ 2.0 に対応
- 18 ヶ月の製品保証
もしノートパソコンの充電用にも使いたくて、大容量バッテリーを探しているのであれば、USB PD に対応した USB-C ポートのついた製品が必要です。
この製品は、バッテリーだけでなく 3,000 円相当の USB-C 端子のついたアダプター、そして USB-C ケーブルも付属しています。19,000mAh の大容量でありながら USB PD 対応の入力端子があるので、バッテリー本体のフル充電が 3.5 時間で終わるのが大きな特徴です。
cheero Power Plus 5 10000mAh
- バッテリー容量 ……… 10,000 mAh
- 重量 …………………… 205g
- サイズ ………………… 46 × 98 × 24 mm
- 入力 …………………… 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A
- 出力 USB-C ………… 5V/3A, 9V/2A, 12V/1.5A
- 出力 USB-A ………… 5V/2.4A
- 最大出力 ………… 18W
- USB ポート数 ………… 2つ
日本のモバイルバッテリーメーカー cheero の製品。AUTO-IC 機能とは cheero 独自機能で、接続した端末に応じて最適な電流で充電する仕組みです。
10,000mAh モデルでありながらポートが2つ付いているので、用途によっては Anker よりも使い勝手が良いです。ただし2ポート合わせて最大 18W なので、2台同時に利用すると充電速度は低下します。
- バッテリー残量が 100% 表記で確認できる
- USB PD による急速充電対応
- 2台同時充電に対応
- 独自規格 AUTO-IC に対応
- 製品保証は1年間
中規模サイズのバッテリー
続いて、10,000mAh も要らない、スマートフォンが1回フル充電できる、軽くてコンパクトなモバイルバッテリーを紹介しましょう。
cheero Slim 5000mAh
- バッテリー容量 ……… 5,000 mAh
- 重量 …………………… 130g
- サイズ ………………… 約 122 × 62 × 10 mm
- 入力 …………………… 5V = 2A
- 最大出力 ……………… 5V = 2.4A
- USB ポート数 ………… 1つ
大抵のスマホを1回フル充電できる容量があり、持ち運びやすい薄型のバッテリーを求めている人にピッタリの同製品。最大出力が 2.4A あり、急速充電に対応。
- 暑さ 1cm のスリムモデル
- 独自規格 AUTO-IC に対応
- 丈夫なアルミボディー
- 製品保証は1年間
一昔前は主流であった 5,000mAh のモバイルバッテリーも全体的に軽量化が図られ、今ではこの容量帯でコンパクトサイズと呼ばれる程になりました。
Anker PowerCore Fusion 5000
最後に紹介するのは、ちょっとイレギュラーな製品です。
- バッテリー容量 ……… 5,000 mAh
- 重量 …………………… 189g
- サイズ ………………… 約 72 x 70 x 31mm
- AC入力 …………………… 100-240V / 0.5A
- AC出力 ……………… 5V / 2.1A
- microUSB入力 …………………… 5V / 2.1A
- USB出力 …………………… 5V / 3A (最大3A)
- USB ポート数 ………… 2つ
電源付きのモバイルバッテリーで、発売開始からずっと人気のある商品です。Amazon のレビューを見ても、その評価の高さが伺えます。最大のポイントは、バッテリーがなくなったらコンセントで充電できる点です。もちろん充電用アダプターとしても機能します。
- バッテリー本体をコンセント直挿しで充電
- 充電用アダプターとして使える
- サイズが小さく持ち運びにちょうど良い
- 18 ヶ月の製品保証
充電アダプターをセットで持ち歩くくらいなら、これ1台で済ませてしまったほうが荷物が少なくなります。用途次第ですが、個人的には一番お気に入りの製品です。
5,000mAh 以下のコンパクトバッテリーは減少傾向
各社、企業努力により本体の軽量化に成功したことで、5,000mAh や 10,000mAh のモバイルバッテリーでも、十分に持ち運びに耐えられる重量となりました。
そのため、小さなサイズのモバイルバッテリーは需要が減り、ほとんど新商品が出なくなってしまったのが現状です。
あまり使い勝手の良い製品がないので、ここで紹介するまでに至りませんでした。
持ち運びに適したモデルは 200g 以下
モバイルバッテリーは自宅で使うものではないので、カバンに入れて重量が気にならないものを選ぶと良いです。軽さを求めるなら 5,000mAh、そして頻繁にモバイルバッテリーを充電するのが手間であれば 10,000mAh を選ぶのがおすすめです。重量は 200g 前後なので、そこまで重いと感じることはありません。
なお軽さを求めているのに 20,000mAh のモデルを選ぶと大変なことになるので気をつけてください。
最後に Amazon と楽天の人気ランキングを載せておくので参考までに。
僕が選んだ製品は性能重視なので、Amazon ユーザーが好む製品の紹介となりましたが、楽天にはデザイン性に富んだバッテリーも多数揃っています。ぜひ自分の用途にあった製品を見つけてください。
以上、おすすめモバイルバッテリーの紹介でした。