Android おすすめマイクロ SD カードの選び方!ポイントは容量と転送速度

スマホ内で延々と増え続けるデータの代表格が、写真や映像のメディアデータです。それぞれ合わせると数十ギガバイトのサイズになるケースもあり、スマホの容量を圧迫する要因の1つとなっています。
Android の一番のメリットは、外部ストレージとして microSD カードが利用できる点にあります。つまりデータの保存先を SD カードにしておけば、機種変更しても microSD カードを差し替えれるだけで簡単にデータ移行できてしまうのです。
一概に microSD カードと言っても種類や値段は様々です。僕がおすすめする microSD の選びのポイントは次の通りです。
機種変更しても性能不足・容量不足で困らない SD カードを選ぶこと
つまり最初から容量が大きくて転送速度が速いものを選ぶのが重要になります。
- 容量が大きい → 不足するまで買い替えが不要
- 転送速度が速い → 機種変更しても性能不足になりにくい
ではどういった microSD カードが良いのか、具体的に説明していきましょう。
もし Android 以外の用途でマイクロ SD カードを探している方は、こちらのほうが参考になると思います。用途に応じて必要な性能も記しています。
おすすめの microSD カード【3選】
結局どれを買ったら良いのか?手っ取り早く知りたい方のために、このページで紹介するおすすめの SD カードを最初に載せておきます。こまかい情報が知りたい方は、そのまま読み進めてください。
Samsung EVO Plus
EVO Plus は 64GB よりも 128GB のほうが書き込み性能が高く圧倒的におすすめ。この EVO シリーズは 256GB や 512GB もラインナップされています。
Transcend 128GB TS128GUSD300S-AE
SanDisk Ultra 128GB 【※並行輸入品】
SD カードの種類
一概に SD カードと言っても、規格が大きく3つに別れます。miniSD や microSD といったサイズ違いの話は割愛しますが、時代の流れと共に、容量が格段と大きくなりました。
現在の SD カードの規格は次の通りです。
規格 | ロゴ | 特徴 |
---|---|---|
SD | ![]() | 最大容量 2GB まで。 FAT 12 or 16 に対応。 |
SDHC | ![]() | 最大容量 32GB まで。 FAT32 に対応。 |
SDXC | ![]() | 最大容量 2TB まで。 exFAT に対応。 |
下2つの HC や XC は SD カードのロゴの下に記載されているので、お手持ちのカードを確認していただければすぐに分かると思います。
こちらは容量に対する規格の話で、今はもう購入時に意識する必要はありません。
SD カードの転送速度の種類
まずは現在利用している SD カードの仕様を把握しておくために、転送速度の種類を理解しておきましょう。スピードクラスと呼ばれ、最低限の転送速度を保証する定義となります。
先に結論を伝えておくと、選ぶなら UHS-I に対応したものが現在の主流であり、性能・価格ともに満足度の高い製品が多くラインナップされています。
Class による転送速度の違い
クラス | ロゴ | 最低保証レート | 最大転送速度 |
---|---|---|---|
Class 2 | ![]() | 2MB/秒 | 25MB/秒 |
Class 4 | ![]() | 4MB/秒 | 25MB/秒 |
Class 6 | ![]() | 6MB/秒 | 25MB/秒 |
Class 10 | ![]() | 10MB/秒 | 25MB/秒 |
数値が大きければ速度が速いと考えてください。理論上の最大速度は 25MB/秒 です。
昨今のマイクロ SD カードは Class 10 が当たり前。一昔前は 25MB/秒 でも十分な速さでしたが、今では遅い部類に入ります。購入する際は次に紹介する UHS の規格に対応しているかどうかで判断すると良いです。
家電量販店で Class 10 未満の SD カードが大安売りしている場合がありますが、それはただの在庫処分です。古い SD カードは値段以外のメリットが無いので、購入は控えましょう。
現在の主流は新規格の UHS
データの大容量化時代に伴い、Class と異なる新しい高速転送の規格「UHS」(Ultra High Speed)が登場しました。SD カードには、前述の Class と並列表記されています。
UHS には UHS-I から UHS-III の3種類が定義され、Class 同様に数字が大きくなれば最大転送速度も速くなります。
規格 | 最大転送速度 |
---|---|
UHS-I | 104MB/秒 |
UHS-II | 312MB/秒 |
UHS-III | 624MB/秒 |
実際に SD カードを見てみましょう。ローマ数字で記載されている箇所が UHS 規格を表しています。これらの数字の記載が無ければ UHS 規格には未対応と判断してください。(つまり転送速度が遅い)
2021年10月現在 UHS-II や UHS-III も SD カードは、ハイエンドのミラーレス一眼や高画質 4K ビデオ撮影に特化した用途で使われています。スマホ・タブレッでここまの速さは不要であり、未対応機種も多いので、選ぶ時は UHS-I であることを判断基準にすると良いです。
UHS スピードクラスによる転送速度の違い
この UHS にもクラスが定義されています。が、Android 端末で利用する限りは UHS クラスまで意識しなくても大丈夫です。(スマホ自体が対応していません)
クラス値は U の中に数字が入ったロゴで表現されています。UHS に対応していて SD カード上に記載されていない場合は UHS クラス1と同じ扱いです。
UHS スピードクラスは1もしくは3の2段階しかありません。最低保障レートに合わせて、分かりやすくクラス名が定義されています。
クラス | 最低保証レート | 最大転送速度 | |
---|---|---|---|
UHS-I | UHS-II | ||
1 | 10MB/秒 | 104MB/秒 | 312MB/秒 |
3 | 30MB/秒 | 104MB/秒 | 312MB/秒 |
売れ筋の SD カードはどれも性能が高く、最低保障レートを遥かに上回る速度で動くので、そこまで重要な項目ではありません。それでも数字が大きいほうが良いのは確かです。
結局どれを選んだら良いのか?
規格や仕様について分かったけど、じゃあどれが良いのか?って話になると、理論上の数値よりも実測値がどれくらいあるかで判断するのが最も分かりやすいです。
いちいち規格毎の理論値なんて覚えてられないので、どれくらいのスピードがあると良いのか、それだけ覚えておくだけで大丈夫です!僕がおすすめする microSD カードの仕様がこちらです。
- データ転送速度 …… 90MB/秒 以上
- データ容量 …… 128MB 以上
このあと紹介する製品は、基本的にこの性能を満たしています。長年に渡って使えるのは間違いないので、ぜひ参考にしてください。
スマホやタブレットにおすすめの microSD カード
下記おすすめ製品は、2021年10月時点の最新情報に基づいています
マイクロ SD カードの価格の目安
数年前と比べると、性能は大きく向上しつつも、価格はかなり下がってきています。これも大容量化時代の象徴の1つと言えるのかもしれません。
- 64GB ……… 1,500円前後
- 128GB ……… 2,500円前後
- 256GB ……… 4,500円前後
容量はどれくらい必要?
今や SNS に写真を撮るのは当たり前な時代。それに加えて、TikTok のように動画を投稿する SNS も一般的になってきました。
そして日常を動画で撮影するのは若者世代に限らず、お年寄りも動画を撮る機会が増えています。一番の撮影対象は孫。会う度に動画を撮っていたら、あっという間に容量はパンパンになります。しかも容量不足になっても、勿体なくて消せないのが事実です。
つまり必要な容量は、用途によって変わってきます。
用途 | おすすめの容量 |
---|---|
動画・写真撮影の機会が多い | 256GB 以上 |
動画は撮らないが写真はよく撮る | 128GB 以上 |
たまに写真を撮る | 128GB で十分 |
写真も動画も撮らない | SD カードがなくても大丈夫 |
ここでは音楽データの容量は意識していません。昨今はサブスクリプション(月額制)による聴き放題プランが主流になっているので、音楽データを持ち歩く機会がほとんど無くなってしまいました。必要あれば、その分の容量を上乗せして考えてください。
以下紹介するものは、全て UTF-I 以上の性能を持つコスパの高い製品ばかりです。格安の SIM フリーの機種から、XPERIA や Galaxy のような高性能な機種に至るまで幅広く使えるので、ぜひ参考にしてください。
万人におすすめできるマイクロ SD カードその1
楽天で購入する場合は、メーカー保証がきちんと受けられる国内正規品であることを確認してください。海外リテール品は保証対象外になります。
- スピードクラス …… Class 10
- UHS-I
- UHS クラス … 3
- 最大転送速度 ……… 130 MB/秒
- 保証期間10年
2021年現在、最もコストパフォーマンスが高い microSD カードがこちら。ここ数年は不動の人気を誇る EVO シリーズ最新の製品です。2020年モデルの 100 MB/秒 と比べると、データ転送における性能比が 30% も UP しました。
今の時代、microSD カードを購入するなら 128GB が主流です。その一番の理由は、値段が下がって買いやすくなったこと。それまで主流だった 64GB は、微妙に容量が少なく、速度も半分以下でした。
僕は動画を撮影する機会は少なく写真がメインになるので、128GB モデルをメインに使っています。コストパフォーマンスは、群を抜いて良いです!(写真は2020年モデル)
もし動画をたくさん撮るのであれば、次に紹介する 256GB モデルも視野に入れたいところです。
高性能なら EVO Plus 256GB 以上を選択
Samsung の EVO Plus は、128GB 以上のモデルになると性能差は横並びです。(64GB モデルだけ UHS クラスが 1 と低い)
- スピードクラス …… Class 10
- UHS-I
- UHS クラス … 3
- 最大転送速度 ………… 130 MB/秒
- 保証期間10年
ここまで処理速度の性能が良い SD カードはなかなかないので、よくこの価格で販売できるなぁと関心してしまうほどです。
海外メーカーでも安心してください
家電であれば日本のメーカーを選ぶ安心感は確かにあります。でも SD カードに限っては、世界規模で見ても日本のメーカーが主軸ではありません。TOSHIBA といった選択肢はあるものの、micro SD カード市場は Samsung や SanDisk が中心で回っている感が強いのが現状です。
僕は大容量かつ コストパフォーマンス重視 なので Samsung 製の製品と、次に紹介する Transcend 製の SD カードを利用しています。ここ10年くらい買い替えや買い増しを続けて、保有枚数は10枚を有に超えています。
実際に使い続けて安心できるもの、そして高い評価がきちんと得られている製品を選出しているので、その点はご安心ください。
万人におすすめできるマイクロ SD カードその2
- スピードクラス …… Class 10
- UHS-I
- UHS クラス … 3
- 最大転送速度 ………… 100 MB/秒
- 保証期間5年
SAMSUNG EVO Plus と同様にコストフォーマンスが高い microSD カードです。書込み速度は正式に明記されていませんが、サムスンよりは少し劣ります。それでも遅いわけではなく、前述の EVO Plus の最新モデルがあまりにも性能が良すぎるのです。
ただ SD カードの価格は変動しやすいため、少しでも安く購入したいと考えている方のために、別の選択肢も用意しておきました。
なお 256GB モデルでも、稀に安く購入できるタイミングがあります。必要な性能はよくわからないけど大容量のほうが安心という方は、こちらのモデルも選択肢として検討してみてください。
楽天や Yahoo では SD カード変換アダプターなしのモデルがあります。こちらも購入前に確認するようにしてください。Android で利用する分には不要ですが、パソコンに取り込む際に必要になることがあります。
キオクシア(旧:東芝メモリ)の製品を購入するなら要注意
- スピードクラス …… Class 10
- UHS-I
- UHS クラス … 3
- 最大読込速度 ……… 100 MB/秒
- 最大書込速度 ……… 85 MB/秒
- 保証期間5年(国内正規品のみ)
日本のメーカーの製品を使いたいと、キオクシア(東芝)の micro SD カードを候補に挙げている方に注意です。また SanDisk の製品の場合も同様です。
ネット上で販売されているこれらメーカーの製品は「国内正規品」と「並行輸入品」が入り混じっていることが多いです。並行輸入品は日本に向けた商品ではないため、低価格で販売されている反面、国内サポートが受けらないと言った条件が加わります。
東芝(キオクシア)だから安心と思って買ってしまい、きちんとサポートが受けられないと後から困ることがあります。必ず国内正規品か海外向け製品なのかを確認して、購入するようにしましょう。
ただキオクシアの国内正規品は、Samsung や Transcend と性能が変わらないにも関わらず、圧倒的に高額で販売されています。高すぎと思うか、国内メーカーの価値を評価するのか、ここは個人の想いで評価が割れます。僕は Samsung で十分だと思っています。
シェア率重視で SanDisk
- スピードクラス …… Class 10
- UHS-I
- UHS クラス … 1
- 最大転送速度 ………… 100 MB/秒
- 保証期間10年(国内正規品のみ)
SD カード市場では利用者の多い SanDisk ですが、ネットショップだとどれが国内正規品なのか、素人でなくても見分けがつきにくいのがデメリットです。保証を考えると国内正規品であることは必須であるため、それをきちんと判断できる場合に限り購入をおすすめします。
並行輸入品は保証だけでなく、国内サポートがありません。
値段から選ぶのは止めたほうが良い
以前は他にも台湾メーカーの格安な microSD カードも紹介していたのですが、実際に使ってみて初期不良率が高かったので掲載を止めました。安く買っても安定して使えなければ、手間だけが残ります。
もし安くて品質が高ければ、それ相応の人気があります。事実 Sansung の EVO シリーズは、上位に Pro シリーズがあったにも関わらず、性能に対する価格の安さで大人気となりました。そして経年と共に容量に対する値段が安くなり、ついに性能が Pro シリーズに追いついたのです。(一方で Pro はドラレコ向けにシフトチェンジ)
どれが良いのか迷うなら、最初に紹介した EVO シリーズ 128GB が No.1 です。
参考として Amazon と楽天の売れ筋ランキングも掲載しておきます。国内サポートの無い、並行輸入品がランクインしている点は気をつけてください。ちなみに SanDisk は Amazon では人気が高いですが、僕は EVO シリーズのほうが好きです。
microSD カード製品比較用リスト
では最後に、今回紹介した microSD カードの一覧を掲載しておきます。それぞれ比較した上で、自分に適した SD カードをぜひお選びください。
製品名 | リンク | UHS | UHS Class | 最大読込 | 最大書込 |
---|---|---|---|---|---|
★迷ったらこれ①★ Samsung EVO Plus 128GB | UHS-I | 3 | 130 MB/S (書込は上記以下) | ||
★大容量で速い★ Samsung EVO Plus 256GB | |||||
★大容量でコスパは次点★ Transcend 128GB | UHS-I | 3 | 100MB/S (書込は上記以下) | ||
※並行輸入品に注意※ KIOXIA EXCERIA PLUS 128GB | UHS-I | 1 | 100 MB/S | 85 MB/S | |
※並行輸入品に注意※ SanDisk Ultra 128GB | UHS-I | 1 | 100 MB/S (書込は上記以下) |
以上、Android 用おすすめの SD カードの紹介でした。